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先進事例2026.04.21

自治体DX事例集 #生成AIの活用|ボトムアップで生成AIの導入検討・活用、調達業務や汎用的な業務を効率化、LGWAN上で利用できる生成AIアプリを共同開発・本格運用、誰でもマクロコードが作成できるようになり事務処理が効率化、生成AIと専門スタッフで24時間相談「つながりよりそいチャット」

自治体DX事例集 #生成AIの活用|ボトムアップで生成AIの導入検討・活用、調達業務や汎用的な業務を効率化、LGWAN上で利用できる生成AIアプリを共同開発・本格運用、誰でもマクロコードが作成できるようになり事務処理が効率化、生成AIと専門スタッフで24時間相談「つながりよりそいチャット」

自治体DX事例 #生成AIの活用|当別町、湖西市、山陽小野田市、日進市、山形市

令和2年12月、政府は「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を決定し、目指すべきデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」が示されました。

また、令和4年6月、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、このビジョンが目指すべきデジタル社会のビジョンとして改めて位置づけられました。

このビジョンの実現のためには、住民に身近な行政を担う自治体、とりわけ市区町村の役割は極めて重要です。

自治体においては、まずは、今後急速な人口減少が見込まれる中、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供していくために、業務の見直しと並行して、自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、職員の負担軽減とあわせて、人的資源を行政サービスのさらなる向上に繋げていくことが求められています。

そこで、総務省が全国の自治体におけるDXの取り組み状況をまとめた「自治体DX推進参考事例集【第3.0版】」より、自治体DX事例を抜粋して紹介します。

今回は生成AI活用を推進している、当別町、湖西市、山陽小野田市、日進市、山形市の自治体DX事例です。

ボトムアップで生成AIの導入検討・活用|当別町

北海道 当別町では、現場職員からのボトムアップによる生成AIの導入検討・活用を進めています。

議事録の要約や広報などの文書作成等を中心に、分野を問わず生成AIを幅広く活用しているもので、現場の職員が中心となり、RAG(Retrieval-Augmented Generation=検索拡張生成)を用いた生成AIやMicrosoft 365 Copilotの検証を実施しました。

事業の概要

令和6年度より「チャットGPTを越えてゆけ企画」として、RAGを用いた生成AIやMicrosoft 365 Copilotの検証を実施。大規模言語モデルに特定の分野に関する情報を参照させるRAGの活用により、精度が高い回答を生成しました。

また、ChatGPTを使いこなしている職員によるタスクフォースを組織するなど、現場の職員が中心となりボトムアップで取り組みを推進し、議事録作成やデータ処理・分析、スライド作成などにMicrosoft 365 Copilotを活用することで業務の効率化を実現。

さらに、広報公聴係では、AI文字起こしと生成AIの文章作成機能を併用し、インタビュー音声から広報記事案を作成。デジタル都市推進係では、Excelのグラフ作成を自動化し、住民アンケートのまとめ資料案を作成しました。

チャットGPTを越えてゆけ企画

事業効果

現場職員が中心となって検討を進めたことで、生成AIについて、普段の業務を効率化できる便利なツールのひとつとして認識が浸透し、議事録の要約や広報などの文書作成等を中心に、分野を問わず生成AIが活用されています。

具体的には、議事録作成に要する時間が半減しました(従来型AIで音声をテキストデータに変換し、そのテキストデータを生成AIで要約することで、効率的に議事録を作成できている)。

また、広報案の作成時に、より良い文章表現に向けた提案を受けることができるため、わかりやすい広報文を簡単に作成できるようになったほか、生成AIからの提案内容が学びとなり、職員の表現能力が向上しました。

調達業務や汎用的な業務を効率化|湖西市

静岡県 湖西市では、専用アプリで調達業務を効率化するとともに、用途別のチャットで汎用的な業務も効率化しています。

仕様書の作成に特化したアプリを活用して調達業務を効率化しているもので、用途に応じて関連するデータを参照する仕組みを設け、汎用的な業務も効率化しました。

事業の概要

業務特化型の生成AIとして、IT調達仕様書の自動生成を可能とするアプリ(「プロキュアテック」)を導入し、調達仕様書の作成に関する事務を効率化するとともに、アプリに調達仕様書の複数の素案を提示させることで、仕様書の質を向上させました。

また、LGWAN経由でChatGPTを利用できるようにした上で「My GPTs」(ChatGPTのカスタマイズ機能で、プロンプトの登録や文書の取込等により、目的別のChatGPTを作成することができる機能)を活用し、議会答弁作成をはじめ、庁内で利用するシステムの操作や随意契約についての問合せ等の用途ごとに、関連するデータセットを参照して、その分野に特化した回答を出力させる仕組みを設け、文章作成等の汎用的な業務の効率化も推進しました。

事業効果

IT調達仕様書の自動作成アプリにより、IT調達仕様書の作成にかかる時間が5分の1程度に削減されました。

また、アプリを活用した仕様書作成により、市ウェブサイトでのRFI(情報提供依頼)までの時間も短縮。集めた情報をもとに比較・検討を行う時間的な余裕ができたことで、仕様書の質の向上にもつなげることができました。

さらに、ChatGPTの活用により、100時間/月相当の業務時間が削減されたと推定されており、議会答弁案作成の作業負荷は従来の1/3になりました(職員アンケート調査より)。

ほかにも、生成AIを導入したことで、デジタル技術について専門知識がない職員でも、担当業務のDXを進められるようになっています。

LGWAN上で利用できる生成AIアプリを共同開発・本格運用|山陽小野田市

山口県 山陽小野田市では、LGWAN(行政専用ネットワーク)上で利用できる生成AIアプリを民間企業と共同開発し、本格運用しています。

入力データが学習に利用されない仕様により、安全に配慮しつつ、業務効率化を推進しているもので、市独自の情報を生成AIに参照させることで、市の実情を踏まえた精度の高い回答を生成しています。

事業の概要

LGWANに接続された端末から利用できる生成AIアプリを民間企業と共同開発し、令和5年10月から同アプリを本格運用しました。

生成AIに入力した情報が学習などにより外部で利用されない仕様としており、安全な運用が可能となっています。

また、市の条例や議会の議事録等の自治体独自の情報を生成AIに参照させることで、市の実情を踏まえた精度の高い回答を生成することができ、答弁案や企画部門における事業概要の作成等、幅広い領域での文書生成に活用しています。

サービスイメージ

事業効果

本格運用以降、多くの職員が利用しており、アンケートにおいても、87%の職員が業務の効率化につながると回答しています。

また、生成AIを活用した業務の効率化により空いた時間を市民とともにまちづくりに取り組む時間にあてることができています。

誰でもマクロコードが作成できるようになり事務処理が効率化|日進市

愛知県 日進市では、簡単にマクロのコードが作成できるようになり、事務処理が効率化しています。

あいさつ文、SNS投稿文等の文章作成などの汎用的な業務に生成AIを活用しているもので、誰でも簡単にマクロのコードを作成できるようになり、Excelを用いた事務処理が効率化しました。

事業の概要

企画書案、あいさつ文、SNS投稿文、メール文等の文章作成や、Excelのマクロコード作成などの汎用的な業務に生成AIを活用しています。

誰でも簡単にプロンプトを使いこなせるように、市独自のプロンプト集とプロンプト活用事例集を作成し、聞き方のコツを段階的に学べるようにしています。特にExcelに関するプロンプト(関数やマクロ)を紹介する等の取り組みを進め、Excelを用いた事務処理の効率化を推進。

また、関心の高い職員に対しては、グループチャット等でプロンプト作成について個別の相談にも対応しています。

事業効果

企画書案、あいさつ文、SNS投稿文、メール文等の文章作成を効率的に行えるようになったほか、日常業務でマクロを活用する場面が増え、令和6年度で約858時間の業務時間の削減効果がありました。

生成AIを利用した職員の85%が業務効率化の効果を実感しているほか、プロンプト集が分かりやすくて活用しやすいと職員から反響がありました。

生成AIと専門スタッフで24時間相談「つながりよりそいチャット」|山形市

山形県 山形市では、生成AIと専門スタッフとのハイブリッド型で市民の相談に対応しています。

生成AIと専門スタッフによるハイブリッド型24時間LINE相談「つながりよりそいチャット」を運用しているもので、生成AIで24時間対応可能としたことで、いつでも気軽に相談ができる体制を整備しました。

事業の概要

相手の話に耳を傾け、適切な反応や共感を示す24時間対応可能な傾聴型生成AIを開発。傾聴相談の対応が可能な生成AIと、専門資格と実務経験のある専門スタッフとのハイブリッド型でさまざまな悩みを抱える市民からの相談に対応しています。

事業効果

生成AIを活用し24時間対応可能としたことで、相談者がいつでも気軽に相談可能になりました。開始から約8か月で約7,500件の相談に生成AIが対応しており、それを人件費に単純換算すると約2,000万円/年相当になります。

また、傾聴型生成AIが相談者の気持ちに寄り添いながらトークを繰り返すことによって、文字に起こされた自身の気持ちを振り返り、整理することができたといった相談者の声もありました。

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