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先進事例2026.06.04

主権者教育 自治体事例|柔軟なテーマ設定による「出前授業」を実施、「魅力ある議会づくり」の一環で市内高校生の本会議傍聴と意見交換を実施

主権者教育 自治体事例|柔軟なテーマ設定による「出前授業」を実施、「魅力ある議会づくり」の一環で市内高校生の本会議傍聴と意見交換を実施

大阪府議会、伊那市議会の主権者教育 自治体事例

主権者教育は、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくものとして、子どもたちが地域の課題について議論する中で民主主義や地方自治について学ぶ機会にもなっています。

こうした中、議会や議員の重要性が改めて認識されるよう令和5年4月に地方自治法が改正され、地方議会の役割及び議員の職務等が明確化されました。

この改正を踏まえ、全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会では、議会への関心・理解を高め、多様な人材の参画を促すために、主権者教育を国民運動として進めており、そのひとつとして、議会が主体的に行う主権者教育の取り組みをまとめた事例集「地方議会が進める主権者教育事例集」を発行しています。

ここでは主権者教育の自治体事例を同事例集より抜粋して紹介します。今回は、大阪府議会、伊那市議会の主権者教育自治体事例です。

柔軟なテーマ設定による「出前授業」を実施|大阪府議会

大阪府議会は、学校ごとの状況や希望等を考慮した「出前授業」を行っています。府内の高校等を対象に実施しているもので、正副委員長等4名が訪問し、議員が議会の役割等を説明した後、生徒と意見交換等を行っています。

毎回、「議会の役割と仕組み」について説明し、それ以外のテーマについては、学校と相談のうえ、講義内容等を決定。また、選挙の公平性の観点から、学校所在地の選挙区選出議員以外から参加議員を選定しています。

平成28年6月からの選挙権年齢引き下げを踏まえ、大阪府内の高校生等に政治への関心や政治参加意識を高めてもらうため、府民に開かれた議会をより一層進める取り組みとして開始しました。

開催内容(府立水都国際中学校・高等学校の例、抜粋)

  • 大阪府議会の役割と仕組み(議員による講義)
  • 生徒のみなさんに関係する条例の紹介(同、インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例)
  • 政治に関心を持つことや政治参加の重要性
  • 生徒からの政策提案(20名の生徒が4グループを編成し各グループ発表の後、議員がコメント)
  • 府議会議員との意見交換(生徒から議員への質問・議員から生徒への質問)

大阪府議会が実施した出前授業の模様

工夫点・留意点

学校の実情に応じた授業の実施
教育効果の高いプログラムを実施し、議会活動や政治への理解が深まるよう、学校ごとの状況に応じて授業内容や進め方を丁寧に調整しています。
また、支援学校、定時制課程、通信制高校でも出前授業を実施しており、学校からオンラインによる出前授業実施の希望があった場合は対応しています。

政治的中立性の確保
参加議員に対し、事前に所属政党・会派の主張を出さず、政治的中立性を確保しながら対応いただくよう説明しています。
また、選挙の公平性の観点から、学校所在地の選挙区選出議員以外から参加議員を選定しています。

開催後アンケートの実施
開催後に出前授業への理解等のアンケート調査を行い、次回以降の開催の参考としています。

取り組みの効果

開催後アンケートでは出前授業への評価が非常に高く、議員の仕事や政治、議会への関心が高まったとする回答が多く見られています。

「魅力ある議会づくり」の一環で市内高校生の本会議傍聴と意見交換を実施|伊那市議会

長野県 伊那市議会は、教育委員会および校長会と調整しながら市内の高校生に市議会定例会一般質問の傍聴を募集し、その後、傍聴があった高校に議員が出向いてグループごとに意見交換を行っています。本会議傍聴時は「伊那市議会取扱説明書」を配付し、学校側の希望する時間で実施しています。

平成30年の議員選挙が無投票となり、議員のなり手不足に危機感を持ったため、全議員参加の「魅力ある議会づくり検討委員会」を同30年6月に設置し、委員会を開催。その中で、若い世代の意見を聞くために、高校生の本会議傍聴や意見交換について協議をしました。

議長等が傍聴依頼等を各学校に行い、各学校との意見交換で出た意見について、常任委員会で協議して、報告書として公開しています。

伊那市議会が実施している高校生との意見交換の様子

開催内容(令和5年度伊那西高等学校の例、抜粋)

  • 本会議傍聴:令和5年6月14日水曜日、午後1:30~2:00に実施
  • 意見交換:議会傍聴の翌月の7月20日木曜日、午前9:30~11:05に生徒との意見交換を実施。テーマは「この地域の良いところ」「議会に若者の力を取り入れるには」「その他生徒から要望したいこと」

工夫点・留意点

意向の反映
学校の希望を踏まえ、意見交換のみ実施するなど柔軟に対応しています。

意見交換の運営
当初は議員より生徒の方が多い状況で意見交換を行っていましたが、発言の機会が少なくなることや、多人数の中では、発言しない生徒も多かったため、議員を含めて6~8名程度のグループに分かれて意見交換を行う形として、議員は全員参加としています。
生徒の意見は一旦受け止めるようにするなど、生徒が話しやすい雰囲気づくりを心掛けています。

意見への回答
意見交換の際は、書記役の議員を設け、出た意見を箇条書きにして議会運営委員会で担当する常任委員会を決定しています。その後、常任委員会では、各意見への対応を協議して(執行部への回答依頼含む)、意見交換会報告書として公開しています。

取り組みの効果

議員へのイメージが、身近で話しやすいと変わった生徒が多く、「議員に意見を伝えられたという生徒の満足感もある」という感想をもらっています。
参加した議員からも、高校生の声を直接聞ける機会であり、今後も積極的に行っていきたいという意見が多くあります。
また、意見交換に参加した生徒が請願を提出するケースもありました。

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