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先進事例2025.12.25
デジ田交付金を活用したスポーツ施設の導入事例

地元ケーブルテレビと連携した、施設予約システム+スマートロック導入

[提供] 株式会社リモートロックジャパン
地元ケーブルテレビと連携した、施設予約システム+スマートロック導入
この記事の配信元
株式会社リモートロックジャパン
株式会社リモートロックジャパン

武雄市 様
https://www.city.takeo.lg.jp/
株式会社ケーブルワン 様
https://www.cableone.ne.jp/

佐賀県武雄市 様は、デジタル田園都市国家構想交付金(現、新しい地方経済・生活環境創生交付金)を活用し、市内のケーブルテレビ事業者である株式会社ケーブルワン様と連携してスマートロック「RemoteLOCK」および公共施設予約システム「まちかぎリモート」を導入しました。現在は15施設(市内の全スポーツ施設)でまちかぎリモートを利用し、市民体育館(ケーブルワン・スポーツパーク)および西川登小学校ではRemoteLOCKを活用した鍵管理を行っています。平時の施設利用における利便性向上はもちろん、災害時も避難者の安全や施設保全に役立てている事例です。

本記事では、「RemoteLOCK」および「まちかぎリモート」の導入経緯や、武雄市・株式会社ケーブルワンの両者による現在の運用状況、今後に向けた展望について伺いました。

<インタビュイー>

  • 武雄市 企画部 デジタル政策課 課長 鳥越 秀雄 様
    同   デジタル政策課 デジタル推進係 係長 古賀 大揮  様
  • 株式会社ケーブルワン 取締役専務 加藤 清美 様
    同  営業部 営業係主任 兼 事業開発室室長 財前 友士朗 様
    同  技術部 伝送路管理課 主任 一ノ瀬 晶人 様 

(掲載内容は取材日:2025年10月22日時点の情報です)

Q.はじめに、RemoteLOCKおよびまちかぎリモートを知ったきっかけ・検討に至った背景を教えてください。

A.(武雄市 様)当初より公共施設における利用申し込みと、管理方法について課題を感じており、公共施設予約管理システム及び、スマートロックの実装について検討をしていました。

▲右から武雄市 古賀 様・鳥越 様、ケーブルワン 加藤 様・財前 様・一ノ瀬 様

公共施設は平常時の市民開放のほかに、災害時には避難所としても安全・安心に機能する必要があると考えています。武雄市は令和元年8月及び令和3年8月豪雨により甚大な被害を受けましたが、2024年に発生した能登半島地震では、津波警報が出されて避難を急ぐ住民が、避難所の窓ガラスを割って中に入るといった事態が多く発生したと伺っております。

避難所の開設時や住民の避難時に鍵の問題が発生した場合、避難所の生活環境の悪化も想定されます。武雄市ではこうした課題を解決し、市民など利用者の利便性を向上させつつ、避難者の安全や施設保全を担保することを目的に検討をはじめました。デジタル化を推進するチームで様々な製品・ソリューションを調べていく過程で、「オンラインでの施設予約」の仕組みに加えて、「遠隔解錠」に対応している製品として、「RemoteLOCK」および「まちかぎリモート」を知りました。

その後、地域DXに取り組む市内のケーブルテレビ事業者「株式会社ケーブルワン様」とデジタル田園都市国家構想交付金の交付申請を行い、採択されました

Q.導入前の公共施設の運営状況について教えてください。

A.団体登録や利用申請は主に窓口で申請書を提出、鍵は物理鍵の受け渡しや、管理者が早出して施設を解錠する運用を行っていました。

特にスポーツ施設ではそもそも鍵を貸し出す想定がなく、大会等による早朝からの利用であっても管理者は早出して施設の解錠を行っていました。また、学校施設の利用時は事前に窓口で鍵を貸し出す運用でした。そのため、利用申請も学校の業務時間内しか受け付けることができませんでしたし、遅いときには22時頃まで鍵の返却を待っている状況でした。

導入以前の利用方法をまとめると以下のようになります。

■  利用者登録申請
⇒ 減免団体については事前に担当課へ申請書を提出。その他通常の利用であれば利用申請時に本人確認を実施。
■ 施設の予約  
⇒ 利用申請は窓口にて申請書を提出。(減免団体は併せて減免申請書も)

■ 鍵の受け渡し 
⇒ ・スポーツ施設:鍵を貸し出す想定がなかった為、利用者の来る時間に合わせて早出をして対応。
   ・学校施設:事前に窓口で鍵を貸し出し。

■ 料金の支払い 
 ⇒ 主要窓口にて、利用時に支払い。

■  利用実績報告
⇒ 紙で予約一覧を管理していたため、都度、台帳(Excel)へ移し替え集計。
 申請書を見て指定管理者が集計して、スポーツ課が最終的な実績をとりまとめる。

Q.採択の決め手となった項目(提案内容など)について教えてください。

A.公募型プロポーザルを行い、「RemoteLOCK」「まちかぎリモート」の導入を提案された株式会社ケーブルワン 様を採択させていただきました。

ケーブルワン 様は地元企業ですので武雄在住の方が多く、現状の施設運営を理解されていることから、スムーズに運用方法の整理ができましたまた、プロバイダ事業及び、MVNO事業を通して地域住民のデジタル支援を行われていることから、高齢者配慮(デジタルディバイド)に関する対応もスムーズでした。さらにはサポート体制が充実している点が良いと考えています。ケーブルワン様には窓口対応者向けのコールセンター・有事の際の駆けつけ対応の役割を担っていただいていますが、将来的に施設が増加した場合でもスマートロックを接続する為の回線から、現地に設置する製品まで一気通貫で早期に対応していただけます。

また、スマートロック・予約システムの機能面では、特に災害に備えた機能が多彩な点が魅力と感じています。乾電池式の為、停電時も稼働可能。事前に暗証番号をリモートロック本体が覚えていることで通信断にも対応でき、通常使いと非常時の運用を両立させてくれています。

Q.RemoteLOCKおよびまちかぎリモートを活用した、現在の施設運営について教えてください。

A.(武雄市 様)オンライン申請システムでIDを発行後、まちかぎリモートで施設予約をいただいています。

▲ケーブルワン・スポーツパーク(武雄市民体育館)

メインアリーナ

初回利用の際はオンライン申請「Graffer」に必要事項を入力いただいたのち、予約システム「まちかぎリモート」のアカウントを発行し、メールでご連絡します。利用登録でアカウントが発行された後は、「まちかぎリモート」で市内の全スポーツ施設(15施設)の予約が可能です。

▲利用の流れ

出典:オンライン公共施設予約システムについて(武雄市 たけおポータル)

RemoteLOCKは「ケーブルワン・スポーツパーク」と「西川登小学校」の2施設に導入しています。ケーブルワン・スポーツパークについては、基本的に有人の施設なので、大会利用時等の通常の施設運営時間より早く開錠する必要がある際に利用しています。また、西川登小学校は、土日や放課後の利用時にご自身でRemoteLOCKにて解錠いただいております。

今回導入した西川登小学校は災害時の一時避難所になっており、一次避難所に指定されているそのほかの各町公民館についても導入準備を進めております。

対象施設の利用方法をまとめると以下のようになります。

■  利用者登録申請
⇒ 23年10月に武雄市が多部署で実装した①オンライン申請:Grafferと②紙申請(窓口受付)の2つの方法で利用者IDを登録/発行。

■ 施設の予約
⇒ まちかぎリモートのアカウント発行・メールでご案内し、施設予約いただく。

■  鍵の受け渡し
⇒ ケーブルワン・スポーツパーク(武雄市民体育館)については、大会利用時等の通常の施設運営時間より早く開錠する必要がある際に利用している。小学校1施設は、土日や放課後の利用時にご自身でリモートロックにて解錠いただく。

■ 料金の支払い 
 ⇒ まちかぎリモート上で支払い方法を選択。(クレジットカード決済など)

Q.弊社製品の導入提案や、利用者向け問い合わせ窓口等の役割を担うケーブルワン 様の取り組みについて教えてください。

A.(ケーブルワン 様)佐賀県の武雄市(山内町以外)と杵島郡においてケーブルテレビ事業を展開しております。

▲ケーブルワン・スポーツパークに設置されているRemoteLOCK 500i

(キーボックスに取り付け、メインアリーナ・サブアリーナ・緊急時用の鍵を格納)

それに伴い、これまでのノウハウを活用し最近では地域DXに関するサービスの提案や、自治体様の内部業務系のシステム構築、運用保守。学校様のGiGAスクール関連の対応まで行っております。

今回の事業も地域DXの取り組みの一環で、武雄市様へ提案させていただき、採択いただきました。受託業務は、窓口の方と運用のヒアリング、設計、システム構築、運用保守など、包括的に行っております。特に、少子高齢化が進む中で、若い世代から高齢者様まで柔軟に対応できる運用設計を心がけております。構築業者でありながら実は私たちも利用者なので、そういった意味で運用イメージは持ちやすい事業です。

昨年度は利用頻度の高い、市内のスポーツ施設をメインに整備させていただきました。今年度については一次避難施設(公民館)への構築を進めさせていただいております。全施設の運用ヒアリングから行っており、システムを導入するだけではなく、現場の窓口の方と一緒に業務の流れを見直すつもりで取り組んでおります。

Q.導入を進めていく過程で、苦労した点、運用改善など工夫した点を教えてください。

A.(ケーブルワン 様)これまで紙の運用で慣れていた窓口対応者との運用の調整が特に時間を必要としました。

まだまだデジタルディバイドへの配慮が必要な中、DX化とこれまでの柔軟な運用を共存させるべく、システム設定の前に業務フローの見直しと運用のルール決めを丁寧に行いましたシステム担当で業務フローを決めるのではなく、運用担当でシステムを設計できたことがスムーズな実装につながったポイントです。これは武雄市民で施設利用者の立場でもある弊社だからこそ実現できることだと考えております。

運用の仕組みや業務フローが整備できた後は、広報誌やSNS・住民向けアプリ等での周知活動を行い、導入初月は弊社も窓口に立たせていただいて、丁寧な説明・まちかぎリモートを使った予約の操作補助などを行いました。まだまだ高齢者向けには馴染みがない点もありますが、実装後は大きなトラブルなくご利用いただいております。

Q.導入効果について教えてください。

A.(武雄市 様)非常に多くの団体に施設をご利用いただいており、便利になったとお声をいただいています。

現在は導入開始して1年ほどですが、現在の登録団体は約600件超で、施設も半年で約1万件ほどの予約をいただき、施設の利用活性化に効果が出ていると感じています。

また、管理者の働き方改革にも貢献しています。これまでは利用可能日を確認するにも、窓口へ確認する必要がありました。そのため特に稼働が多いスポーツ施設は日々問い合わせの電話を受電している状況であり、利用者も管理者もとても非効率的でした。また、利用枠の開放日については朝から窓口へ列ができ、電話も鳴りっぱなしといった状況でしたが、現在では電話も鳴らず、窓口の混雑もなくなりました。

Q.まちかぎリモートやRemoteLOCKについてのご要望はありますか?

A.(武雄市 様)予約スケジュール画面の視認性について、バージョンアップで対応していただきました。

武雄市 施設予約システム

(まちかぎリモート)

以前は予約スケジュール画面の視認性について利用者からご意見をいただいておりましたが、4月のスマホUIのバージョンアップ以降改善したと認識しております。また、一部らくらくスマホのキャリアメールで、予約申請のメールが受信できないとのお声もございました。こちらはgmail経由にすることで解決いたしました。

まちかぎリモートは無償のバージョンアップが定期的にあり、機能に関する要望をヒアリングしていただけるのもありがたいです。

Q.今後の展望や取り組み予定の施策があれば教えてください。

A.(武雄市 様)今年度は公民館への導入を進めている最中ですが、市内16の小中学校についても、段階的に展開可能かの検討を行っております。

▲武雄市 西川登小学校

(RemoteLOCK 導入施設)

学校でも授業終了からの時間帯で、校区内の団体様を中心に施設を貸し出しております。予約受付から鍵の借用、返却と先生方の負担があり、また利用者様も平日の学校が開いている時間帯に予約申請、鍵の借用返却を行う必要がございますまちかぎリモートとリモートロックを使えばこれらの課題は解決できると考えておりますので、既存施設の運用実績を見ながら整備を検討していきたいと考えております。

<RemoteLOCKチームよりコメント>
「それ、武雄がはじめます。」がコンセプトの武雄市は、交通の便(西九州新幹線、高速道路)も良く、暮らしやすさ、子育て支援、豊かな自然、歴史的な街並みなど、非常に魅力的なエリアでした。また、地域に密着したケーブルワン様と連携し、避難所の役割も担うスポーツ施設にまちかぎリモート・RemoteLOCKを導入させていただきました。西日本・九州エリアではRemoteLOCK/まちかぎリモートを多数の自治体  様ご利用いただいていおりますので、ぜひ他の導入事例も併せてご覧ください。

▶参考:スマートロックを活用した学校開放を中学校 約70校で実施 (導入事例:兵庫県神戸市)

お問い合わせ先

E-mail: remotelock@kke.co.jp
ウェブサイト:https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/ 

公共施設では地方創生や学校開放事業、そして部活動の地域移行促進など、様々な目的でICT機器の積極導入が進められていて、デジタル田園都市国家構想交付金のような補助金制度も充実しつつあります。実証実験からの検討・スモールスタートも可能ですので、ぜひご相談いただければ幸いです。
実証実験 お知らせチラシはこちら!

<関連リンク>

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株式会社リモートロックジャパン
株式会社リモートロックジャパン
株式会社リモートロックジャパン
会社名株式会社リモートロックジャパン
設立2022年7月1日
代表者名瀬戸 孝之
本社所在地

〒164-0012
東京都中野区本町6丁目16-11 A.Sビル新中野

事業内容

・クラウド型アクセスソリューションサービスの輸入、販売
・スマートロック等の電子・電気機械器具の、輸入、販売
・ハードウェア・ソフトウェアの販売、賃貸、設置、及びメンテナンス等、
インターネットを利用した各種情報提供サービス業

・コンピュータ・システムに関する設計・開発業務等その他これらに関連する一切の業務

URLhttps://remotelock.kke.co.jp/

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