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先進事例2025.09.22

Urban Innovation KOBEでの実証実験を経て本格導入に スマートロックを活用した学校開放を中学校で実施

[提供] 株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム
Urban Innovation KOBEでの実証実験を経て本格導入に スマートロックを活用した学校開放を中学校で実施
この記事の配信元
株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム
株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム

神戸市 様
https://www.city.kobe.lg.jp/a61516/kosodate/lifelong/kaihou/index.html

日本管財株式会社 様
https://www.nkanzai.co.jp/

神戸市では、地域・行政課題をスタートアップ(成長型起業家)と市職員が協働して解決する国内自治体初の取り組みであるプロジェクト「Urban Innovation KOBE(アーバンイノベーション神戸)」にて「RemoteLOCK」および「まちかぎリモート」が2021年9月に採択され、半年間の実証期間を経て2022年に正式運用を開始しました。正式運用後は市内の中学校 約70校で利用されているほか、2025年7月からは小学校の体育館の開放について新たなモデル実施を進めています。

本記事では、Urban Innobation KOBEでの募集経緯や、神戸市・日本管財株式会社の両社による現在の運用状況、今後に向けた展望について伺いました。

参考: スマートロックとICTで学校施設をより身近に、より利用しやすく!
   (Urban Innovation KOBE)


<インタビュイー>
・神戸市教育委員会事務局  総務課  ご担当者 様
・日本管財株式会社 伊藤 朋光 様 ・ 佐藤 梓 様

(掲載内容は取材日:2025年6月26日時点の情報です)

~BE KOBEの成り立ち~
「BE KOBE」は、阪神・淡路大震災から20年をきっかけに生まれた、「神戸の魅力は人である」という思いを集約したシビックプライド・メッセージです。
新しいことに挑もうとする人や気持ちを愛する、そんな神戸を誇りに思うメッセージとして広めています。

Q.はじめに、実証実験を行った「Urban Innovation KOBE」の取り組みについて教えてください

A.(神戸市 様)平成30年から実施している、企業と市職員が協働して地域・行政課題を解決するプロジェクトです。

▲Urban Innovation KOBE (過去の取り組み一覧)


神戸市では平成30年度から現在にかけて、様々なテーマで実証実験のご提案を募集しており、その一つとして、学校施設開放をテーマにした「スマートロックとICTで学校施設をより身近に、より利用しやすく!」という課題で2021年に募集をしました。

学校施設開放事業は、子どもたちの体力・運動能力の向上および市民の健康増進を目指し、学校施設を活用した運動・スポーツ機会の提供を広げることを目的としています。実施主体は、開放事業実施校ごとに設置された「学校施設開放運営委員会」です。運営委員会は地域住民によって組織されていて、企画・運営、開放施設の鍵の管理、関係機関との連絡調整などは、この運営委員会が行っています。しかし、少子高齢化による地域の担い手不足により、運営委員会自体が無く、施設を活用できていない地域もありました。

そこで、地域住民等が中心となり運営していた学校施設開放事業において、施設活用の一層の推進や将来の持続可能な仕組みを構築するため、地域課題の解決プラットフォームである「Urban Innovation JAPAN」の仕組みを活用しました。

Q.Urban Innovation KOBEの取り組みにおいてRemoteLOCK・まちかぎリモートが選定された理由について教えてください。

A. (神戸市 様)実証で実現したかった運用イメージとの合致や、事業化後の継続性を考慮して採択しました。

本課題では、ICT技術を活用して
 ①夜間の中学校体育館を対象に
 ②利用希望団体が予約受付システム上で予約を行うと利用パスコードが発行され、
 ③利用当日は校門・体育館入口等に設置されたキーボックスにパスワードを入力することで解錠できる
といった、利用者が予約から鍵の受け取りまでをワンストップで行うことができる仕組みを目指しました。

本課題に応募いただいた企業において、チームの優秀度や課題の理解度、職員との協調性、新規性・創造性、継続性・収益性を基準に選考を行い、採択されたのが「RemoteLOCK」と「まちかぎリモート」です。

Q.RemoteLOCKおよびまちかぎリモートを活用した、現在の施設運営について教えてください

A. (神戸市 様)まちかぎリモート・RemoteLOCKを中学校 約70校の学校開放に活用していて、7月から小学校でモデル実証もはじまります。

▲公式サイト:神戸市教育委員会 ICTを活用した中学校体育館の夜間開放

(小学校でも一部でモデル実施しています)


初回利用の際は利用者登録申請書フォームに必要事項をご記入いただいたのち、予約システム「まちかぎリモート」のアカウントを発行し、メールでご連絡します。施設予約については「抽選申込」「先着申込」に対応していて、1団体当たり、ひと月あたり上限5日まで予約が可能です。(抽選申込の場合は上限4日)

利用登録でアカウントが発行された後は、「まちかぎリモート」で施設予約をいただき、予約が完了すると施設解錠のためのワンタイムパスワードが自動発行されます。なお、神戸市の場合は学校の通用門(ダイヤル式南京錠)と施設入口(RemoteLOCK)で異なる鍵が設置されており、通用門の南京錠については利用日までにメールで暗証番号をご連絡し、施設入口のRemoteLOCKを解錠するワンタイムパスワードはまちかぎリモート経由で発行・通知します。

神戸市教育委員会事務局総務政策係 施設予約システム

(まちかぎリモート)

対象施設の利用方法をまとめると以下のようになります。
■  利用者登録申請
⇒ WEBサイトに記載された申請書フォームでオンライン申請。
■ 施設の予約      
⇒ まちかぎリモートのアカウント発行・メールでご案内し、施設予約いただく
(申請受理から2週間程度でアカウント発行)
■  鍵の受け渡し
⇒ 予約後に発行・メールで通知されるワンタイムパスワード(暗証番号)で施設を解錠・利用
(通用門のダイヤル式南京錠は別途メールでご案内)

また、団体登録から当日の利用までの一連の手順を動画コンテンツにし、ホームページで利用者向けに公開しています。
こちらもぜひご覧ください。

Q.RemoteLOCKおよびまちかぎリモートを活用した、現在の施設運営について教えてください

A. (日本管財 伊藤 様 ・ 佐藤 様)市内 東部地域の学校に関する包括管理や学校施設開放における諸業務を担当しています。

▲施設入口に設置されているRemoteLOCK

弊社、日本管財は豊富な自治体・民間企業の支援実績があり、神戸市様においては特に東部地域の学校園に関する包括管理(ファシリティマネジメント)の委託を含め様々な業務委託を受けております。包括管理とは複数の施設や業務を一括して民間事業者が受託し、効率的な維持管理や職員の負担軽減を図る手法となっており、神戸市様では阪神・淡路大震災を経験した建造物は老朽化が進んでいるため、他の自治体様と比較しても建物や設備に関する改修実績は少なくないと思います。
参考:日本管財株式会社 公共施設の包括管理事業について

また、学校開放事業においては構造計画研究所が提供するまちかぎリモート・RemoteLOCKの運用管理と、学校・利用団体からの問い合わせ業務(通常門のダイヤル式南京錠解錠番号の案内を含む)を担当しています。また、対象校が追加された際は、神戸市様から施設の基礎情報、学校開放データベース(各学校の利用可能種目、貸出可能備品等を記載したもの)及び体育館等の情報を展開いただき、まちかぎリモートの施設・部屋ページを作成するとともにRemoteLOCK設置後のインターネット環境の設置も担当業務に含まれています。

Q.実証実験から本導入にかけて運用施設を拡大していく過程で、苦労した点、運用改善など工夫した点を教えてください。

A. (神戸市 様)特に学校や学校施設開放運営委員会向けの利用説明についてはしっかり時間をかけて行いました。

学校を無人運営で開放する、ということは取り組みを始めた当時は事例が少なく関係者の皆様に安全性や利便性を丁寧に説明しながら進めていきました。現在では小学校体育館の開放に関する実証を新たに始めたところです。

Q.導入効果について教えてください。

A. (神戸市 様)非常に多くの団体に施設をご利用いただいており、便利になったとお声をいただいています。

現在の登録団体は約1,300件ほどで、新規の利用登録も毎週10件ペースで増加傾向にあり、非常に多くの方に学校施設をご利用いただいています。

また、利用者からも「カギを持っていく必要がなくなり便利」「ワンタイムパス(暗証番号)が便利で、地域の体育館が使いやすくなった」とお声をいただいています。 また、災害時の避難所としても活用できる点も期待しています。学校の職員が発災時に必ずしも学校近辺にいるとは限りませんので、最初に学校に到着した神戸市職員または学校職員がRemoteLOCKで避難所の開設ができることで、様々なリスクの低減につながると考えています。

また、他の自治体にも取り組みを注目いただいており、今年度も視察に来ていただいたり、取り組み内容についてご質問いただくことが増えています。

Q.まちかぎリモートやRemoteLOCKについてのご要望はありますか?

A. (神戸市 様)例えば小学校の体育館の予約コマを午前・午後・夜間の3コマ設定した時に、学校単位で午前午後だけ利用不可にしたいというニーズがあります。

選挙などの公的行事や、学校側の都合、運営委員会の会議などで施設の開放ができない場合、日本管財様にて利用不可日を一つ一つ設定しているので、これらが改善されると業務効率化に役立つと感じています。

また、神戸市では予約が成立したときのワンタイムパスワードをまちかぎリモートからご案内していますが、学校の門扉(南京錠の解錠番号)についても施設ごとのリマインドメールで案内出来ると嬉しいです。

<RemoteLOCKチームよりコメント>
学校開放に関する業務効率化の先進的な事例です。また、災害発生時の避難所開設に関わる鍵問題についても、RemoteLOCKで解消できるのではないかと期待のコメントをいただきました。能登半島地震の際にRemoteLOCKを活用いただいた事例もございますので、併せてご覧ください。
▶参考:平時は体育施設の鍵管理、災害時は避難所開設をRemoteLOCKでスムーズに(導入事例:富山県高岡市様)

株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム
株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム
株式会社構造計画研究所 RemoteLOCKチーム
設立1959年5月6日
資本金10億1020万円
代表者名代表取締役社長 湯口 達夫
本社所在地

〒164-0012
東京都中野区本町4丁目38番13号 日本ホルスタイン会館内

事業内容

構造計画研究所は、建物の構造設計業務から、構築物を取り巻く自然現象の解析やシミュレーション業務、情報通信分野でのソフトウェア開発、製造分野へのCAD/CAEのソフトウェア販売やカスタマイズ、そして人間の意思決定支援分野でのコンサルティングなどを提供しております。「大学、研究機関と実業界をブリッジする Professional Design & Engineering Firm」を標榜する当社は、今後も工学知をベースにした有用な技術を活用し、社会の諸問題の解決に挑むことで、より賢慮に満ちた未来社会を創造してまいります。

URLhttps://www.kke.co.jp/

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