【グループウェア】不慣れな職員でも使えるツールで、「やさしいDX」に資する基盤を実現
(デスクネッツ ネオ / ネオジャパン)


※下記は自治体通信 Vol.77(2026年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
全国でDX推進が活発化するなか、契約更新を機にグループウェアを見直す自治体が増えている。松阪市(三重県)もそうした自治体の1つで、システム刷新にあたり、職員自身がノーコードで業務を拡張できるツールを選択。さらに、同市が掲げる「やさしいDX」実現のため、デジタルに不慣れな職員でも扱えるよう段階的な導入を実行し、全庁の業務効率化につなげているという。同市の担当者2人に、取り組みの詳細を聞いた。


オンプレミス環境での構築が、必須要件だった
―松阪市がグループウェアを見直した経緯を教えてください。
小坂 当市では以前から別のグループウェアを約7年間利用しており、庁内における情報共有のツールとして活用していました。そして、令和4年の契約更新のタイミングで、システムを根本から見直すことにしました。最大の契機となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。接触機会の低減が急務となるなか、オンライン会議や分散勤務といった新しい働き方に対し、親和性の高いシステムが求められていました。
三村 もうひとつの大きな背景が、当市独自の「自治体DX」の推進です。令和3年に国からDX推進計画が示されたことを受け、当市でもグループウェアの見直しと並行して「松阪市DX推進計画」を策定しました。そこで掲げたのは、市民はもちろん、職員に対しても誰一人置いてけぼりにしない「やさしいDX」という基本理念です。この理念のもと、コロナ禍に対応するための庁内のペーパーレス化や各種手続きの電子化を推進していける基盤を必要としていました。そうした要件を満たすグループウェアを模索するなかで、ネオジャパン社の『desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)』を選定するにいたりました。令和4年10月から本格導入しています。
―選定したポイントを教えてください。
三村 必須要件だったのが、システムを「オンプレミス環境」で構築できるという点です。当市は情報セキュリティにおいて、三層分離の「αモデル」を採用しているため、インターネットから切り離された閉域網で運用できるシステムでなければなりませんでした。各グループウェアが次々とクラウドへ移行するなか、『desknet's NEO』は自治体向けにオンプレミス版を提供し続けており、それが大きな選定ポイントになりました。加えて、Web会議機能や、各種申請から承認、決裁までの手続きをオンライン上で電子化・自動化するワークフロー機能など、コロナ禍で必要な機能が最初から「オールインワン」で備わっていた点も高く評価しました。
小坂 そして、最大の決め手は、職員自らの手によってノーコードで業務アプリを開発できるツール『AppSuite(アップスイート)』の存在です。これがあれば、紙や表計算ソフトで行っていた業務を職員がアプリ化できます。とはいえ、いきなり業務をアプリ化すると、現場から「入力画面が変わって使いにくい」「前のやり方が良かった」といった拒否反応が起きかねません。しかし『AppSuite』であれば、既存の紙の申請書をそのまま画像として読み込み、元のレイアウトを活かしたまま入力フォームを配置できる柔軟性があることがわかりました。これならデジタルに不慣れな職員でも迷わず使え、当市の「やさしいDX」に資するツールだと考えました。
コロナ禍向けの業務に加え、窓口を「ポータル」に集約
―導入後、どのように活用していますか。
小坂 Web会議やワークフローは通常業務として定着しているほか、日常的な業務で特に活用しているのが「回覧・レポート」です。単なる一方的な連絡にとどまらず、複数課にまたがる日程調整や迅速な意見交換の場として重宝しています。私自身のケースを例にすると、過去2~3年間の個人宛ての受信履歴だけで3,000~4,000件にのぼるほど、庁内のコミュニケーション基盤として浸透しています。また、各課名で発信される「インフォメーション」を使った全庁向けのアナウンスも、年間700件以上行われています。毎月や四半期ごとに発生する定例の通知は「過去記事の複写機能」を使って効率的に発信できるため、各課の担当者の運用負荷も大きく軽減されました。
三村 「文書管理」の工夫も進んでいます。単にファイルを置くだけでなく、マニュアルや申請フォームのリンクをセットで掲載することで、手続き完了までの業務を一本化できています。そのほか、財務会計、公文書起案、人事評価、勤怠管理、GISなどの窓口を「ポータル」に集約しており、ポータルを立ち上げるだけで、さまざまな業務を行うことができ、「これがないと仕事が始まらない」ほど職員に浸透しています。
そして、なにより『AppSuite』の活用が庁内で進んでいます。

「紙の再現」と「伴走支援」で、現場のハードルを下げる
―詳しく教えてください。
三村 まずは選定の決め手でもあった、「紙の申請書の完全再現」からアプローチしました。たとえば、土木課の「都市公園内行為(許可事項変更)許可申請書」など、紙でやり取りを行っていた様式をそのまま『AppSuite』の入力画面に設定し、見た目は変えずに、入力と回付だけをデジタル化することで、現場が安心して使えるよう工夫しました。これにより、職員に「これなら自分たちでも使える」と実感してもらうことができました。
小坂 現場の心理的ハードルを下げ、次に取り組んだのが同じデジタル未来戦略局でDXを担当する市政改革課による「伴走支援」です。各課の業務に職員が直接入り込み、現場の職員と一緒に画面を見ながらアプリを構築していきました。「あとは各課で作成してください」と丸投げするのではなく、我々が手厚くサポートしながら、少しずつ成功体験を積むプロセスを大切にしたのです。『AppSuite』の使い方に関しては、ネオジャパン社からのサポートを受けてデジタル未来戦略局の職員が学び、各課にレクチャーした形です。結果、観光交流課の「観光PR名刺申込」や、職員課の「通勤届」など、現在では全庁で120を超えるアプリが作成されており、職員のアプリ作成スキルも向上しています。
誰一人置いてけぼりにしない、「やさしいDX」を推し進める
―今後、どのようにグループウェアを活用していきますか。
小坂 引き続き『desknet's NEO』の汎用的なツールを活用しつつ、『AppSuite』で業務アプリを拡張していくことで、庁内のさらなるDX推進を図っていきます。なによりうれしい変化は、現場の意識が変わってきたことです。導入当初は「今の紙のレイアウトを崩さないでほしい」と言っていた職員たちが、使い慣れてくると「この項目を変えたら、もっと業務がラクになるのでは」と自ら提案してくれるようになりました。
三村 紙の再現から始まったアプリ作成の取り組みが、「プルダウン」などを駆使して仕様を使いやすくする自走ステージへと確実に進化してきています。今後も、このマインドを全庁へ広げていきたいですね。ネオジャパン社の支援を受けつつ、誰一人置いてけぼりにしない「やさしいDX」を推し進めていくことで、持続可能なまちづくりに貢献していきます。

ここまでは、グループウェアの見直しについて、ノーコード開発といったデジタルに不慣れな職員でも扱える段階的導入により、「やさしいDX」による業務効率化を実現している松阪市の事例を紹介した。ここでは、それらの取り組みを支援したネオジャパンを取材。グループウェアを見直す際のポイントなどを、同社担当の中村氏に聞いた。

―グループウェアを見直す際のポイントはなんでしょう。
3つのポイントがあると考えています。1つ目は、「網羅的に情報共有ツールを持っているか」です。ワークフローや文書管理などの標準機能が最初からオールインワンでそろっているかが重要です。2つ目は、「現場での『困りごと』を職員の手でアプリ化できるか」です。標準機能以外の自治体独自の業務へと、いかに拡張していけるかが大切になります。そして3つ目が、「導入後のサポート体制が徹底しているか」です。現場の職員が使いこなせてこそ、DX推進に寄与できるからです。当社では、グループウェア『desknet's NEO』、ノーコード開発ツール『AppSuite』、そしてサポート体制という3つのサービスによって、ポイントを押さえた自治体支援をしています。
―それぞれの支援内容の詳細を教えてください。
まず『desknet's NEO』は、自治体業務に必要な基本機能が最初から備わっているほか、松阪市のように各種システムの窓口を「ポータル」に集約すれば、「ポータル」を立ち上げるだけですぐに日常業務を行えます。『AppSuite』は、その土台の上に各課独自のアプリをノーコード開発で追加できるツールです。大きな特長は、既存の紙の申請書をそのまま画像として取り込み、入力画面を完全再現するなど、自治体ごとに適した柔軟なアプリの拡張ができる点です。サポート面では、システムの操作支援にとどまらず、『AppSuite』を使ったアプリの開発支援やアプリフォーマットの提供、他自治体の作成事例の共有などを手がけています。
―自治体に向けた今後の支援方針を聞かせてください。
『desknet's NEO』とあわせた『AppSuite』の提供、そして導入後のサポート体制によって自治体のDX推進を支援していきます。特に当社はクラウド、オンプレミスの両方に対応していますので、ぜひお問い合わせください。


| 設立 | 平成4年2月 |
|---|---|
| 資本金 | 2億9,902万円(令和8年1月31日現在) |
| 従業員数 | 322人(令和8年1月31日現在:連結) |
| 事業内容 | ソフトウェア事業、システム開発サービス事業、海外事業 |
| URL |

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