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先進事例2026.10.02

主権者教育 自治体事例|地域のバランスを踏まえた高校生議会、出前型シティ・ミーティング「ワイ!ワイ!GIKAI」

主権者教育 自治体事例|地域のバランスを踏まえた高校生議会、出前型シティ・ミーティング「ワイ!ワイ!GIKAI」

山口県議会、四日市市議会の主権者教育 自治体事例

主権者教育は、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくものとして、こどもたちが地域の課題について議論する中で民主主義や地方自治について学ぶ機会にもなっています。
こうした中、議会や議員の重要性が改めて認識されるよう令和5年4月に地方自治法が改正され、地方議会の役割及び議員の職務等が明確化されました。
この改正を踏まえ、全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会では、議会への関心・理解を高め、多様な人材の参画を促すために、主権者教育を国民運動として進めており、そのひとつとして、議会が主体的に行う主権者教育の取り組みをまとめた事例集「地方議会が進める主権者教育事例集」を発行しています。
ここでは主権者教育の自治体事例を同事例集より抜粋して紹介します。今回は、山口県議会、四日市市議会の主権者教育自治体事例です。

地域のバランスを踏まえた高校生議会|山口県議会

山口県議会は、県内を5地域に分けてバランスを踏まえて参加校を選定した高校生による模擬議会「やまぐち高校生県議会」を開催しています(場所は山口県議会本会議場)。
事前学習会を開催し、県政や議会についての理解を深めてもらった上で、各地域のグループで代表者、質問項目を検討・決定しているもので、高校生議員からの質問・執行部の答弁に加えて、意見書提出・採決、議員代表の決意表明を実施しています。
平成27年7月に設置された議会改革検討協議会において、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることを受け、次代を担う県内の高校生および中学生が、県議会の役割や県行政への理解と関心を高めることを目的として、模擬議会の開催を議長が提案しました。

開催内容(令和5年11月の例、抜粋)

  • 高校生議員任命式(議長が任命書、議員バッジを交付)
  • 高校生議員10名からの質問(1名5分)および知事をはじめとする執行部の答弁
  • 高校生県議会からの意見書の提出・採決(「選挙活性化に向けた政治への興味を高めるための質問箱の設置を求める意見書」)
  • 高校生議員代表まとめあいさつ(決意表明)

山口県議会が実施した「やまぐち高校生県議会」の模様

工夫点・留意点

地域のバランスを踏まえた参加校の選定
教育庁に県内5地域のバランスを踏まえた参加校の選定・依頼を要請しています(令和5年度は各地域から4~5校、9~10名が参加)。
高校生の主体性を尊重した運営方法
事前学習会を開催し(令和5年度は8月21日)、高校生に県政や議会についての理解を深めてもらった上で、各地域のグループに分かれて、代表者、質問項目について検討・決定しています。
高校生議員からの質問・執行部答弁に加えて、意見書の提出・採決、決意表明を実施
高校生議員からの質問、執行部の答弁(質問は事前通告)に加えて、意見書の提出・採決、高校生議員代表による決意表明を実施しています。
開催後、「やまぐち高校生県議会広報」をHP掲載
開催後、県議会HPに概要や会議録、5つの地域ごとに作成した「やまぐち高校生県議会広報」などを掲載しています。

取り組みの効果

参加した高校生からは、県政や議会に対する関心が高まったとの声が聞かれ、同県の高校生の主権者教育の確かな一助となっています。

出前型シティ・ミーティング「ワイ!ワイ!GIKAI」|四日市市議会

三重県 四日市市議会は、4つの常任委員会でテーマ・団体(団体は中学校・高校・大学・特別支援学校等の学生・生徒をはじめとした若い世代が対象)を選定し、原則、年1回委員会所属の全議員が学校等を訪問して意見交換を行う「ワイ!ワイ!GIKAI」を実施しています。
常任委員会の活動として、正副議長が各団体に開催依頼を実施しているもので、開催後は、その内容を議会運営委員会で共有し、公開しています。
平成23年度開始の議会報告会の参加者の減少や固定化等の課題を踏まえ、令和元年度に議会運営委員会で議会報告会のあり方を検討。その結果、若い世代を対象とした出前型シティ・ミーティング(意見交換会)を新たに実施することが確認されました。令和2・3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で実施が見送られ、令和4年度から実施しています。

開催内容(令和5年度総務常任委員会の例、抜粋)

〈場所〉
学校法人特別支援学校 聖母の家学園
〈日程〉
・四日市市議会について概要説明
・グループワーク(議員2名×生徒約6名)
①「選挙について」「市議会ってどんなところ? 市議会議員ってどんな人」をテーマにしたグループ討議
②生徒会選挙などへの立候補を想定した選挙ポスター作りのグループワーク
・各グループからの感想や作ったポスターの発表

四日市市議会が実施している「ワイ!ワイ!GIKAI」の様子

工夫点・留意点

意向の反映
相手方の意向や要望を聞き取り、可能な限り当日の内容に反映しています。
テーマ以外の質問時間の設定
議会や議員を身近に感じてもらうため、テーマ以外の質問時間についても、各常任委員会の判断で設けています。
個別打診
各常任委員会の所管と関連する特徴的な取り組みをしている学校等へ、校長会での周知にプラスして個別打診をしています。
議会内共有
意見交換の概要を取りまとめ、各常任委員会で内容を確認した後、議会運営委員会において各委員長が結果を報告しています。
政治的公平性の確保
意見交換の内容によっては留意事項について、市の選挙管理委員会事務局に相談しています。
アンケートの実施
開催後に参加生徒にアンケートを実施し、その結果を議会運営委員会で共有しています。

取り組みの効果

アンケートでは「選挙に行ってみたいと思った」「自分の意見を直接議員に伝えることができた」など肯定的な意見が多く見られています。
参加議員からは若い世代の声を聞く貴重な機会との意見が多く、今後、出された意見に対して所管事務調査等を行ったり、学校側でも成果につなげてもらうなど、発展的な取り組みに広げていくことも考えられています。

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