
市民課での電話応対の効率化と市民サービスの向上を目指して、AIによる電話自動応答の実証事業に取り組んだ高松市。「Graffer AIオペレーター」を活用することによって、繁忙期の職員の負荷軽減と、「電話がつながらない」という市民の課題解決に向けて取り組んでいます。

「必要に応じた取次」と「AIによる完結」をハイブリッドで仕組み化
——今回実証事業を行ったAIオペレーターはどのような仕組みですか。
岡本:市民が市民課に電話をかけると、まずはAIが用件をヒアリングします。その内容に基づき、AIが自動で回答するか、職員に取り次ぐかを判断する仕組みです。定型的な質問にはAIが自動音声で対応し、専門的な判断が必要な場合のみ職員に引き継ぐ、ハイブリッド型の対応が特徴です。

よくある質問はAIが回答。個別判断が必要な案件は職員へつなぐことで、双方の負担を軽減している。
——実証事業での、実際の受電状況について教えてください。
岡本:1か月間の実証事業期間中にAI電話の番号にかかってきた総受電数は595件でした。内訳としては、AIによる完結が65%、職員への確実な取次が35%と、人とAIが連携しながら対応しています。具体的な問い合わせ内容としては、証明書の発行や住所異動、戸籍に関するものが多く、通常時の問い合わせと同様の傾向でした。

AI電話にかかってきた問い合わせのうち、65%がAIとの対話で完結(途中切断を含む)。残り35%は職員へ取り次がれています。
——今回の実証事業では、AIから職員への電話の取り次ぎはどのような流れで行われたのでしょうか。
岡本:AIが取り次ぎが必要だと判断した電話については、まずは管理係が一括して受電して、その後、各担当へ振り分ける運用としました。取り次ぎの際には、市民から用件を要約した音声が流れるような仕組みになっているため、スムーズに内容を把握することができました。会話が長引いた際などには要約が簡潔になりすぎるケースもありましたが、把握するには十分な精度でした。
——市民の反応はいかがでしたか。
岡本:実証事業の前は、AIが電話応対することに対して、心理的な抵抗を感じる市民もいるのではないかという不安もありました。しかし、実際には大きなトラブルは発生せず、「AIではなく人間につないでほしい」というご要望が1件あったのみです。今回の実証事業は1か月という短期間だったため、AIが対応する「050」から始まる専用番号を市のホームページに掲載したのですが、AI電話の実証事業中であることを明示していたことも、安心感につながったのではないかと考えています。
——職員の反応はいかがでしたか。
岡本:実証事業後のアンケートでは、今後も「AIオペレーターの運用を継続したい」と回答した職員は7割、「どちらともいえない」は2割、「あまりそう思わない」は1割と、職員側の受け止め方はおおむねポジティブな結果となりました。
繁忙期の「電話がつながらない状況」の解決に向けて
——今回の実証事業の背景には、どのような課題があったのでしょうか。
岡本:市民課では通常時でも1日100件ほどの電話があり、4名の管理係が一次対応を行っています。さらに、3月後半から4月などの繁忙期には、受電数が通常の何倍にも急増します。5回線ある電話は鳴り止まず、窓口も混雑するため、職員が電話に出られなかったり、折り返しの電話が何重にも重なったりと、本来の業務が立ち行かない状況でした。何より「電話がつながらない」という状況が市民にとって大きな不便となっている状況を解決したいと考えていました。

| 設立 | 2017年7月18日 |
|---|---|
| 資本金 | 1,544,977,927円(資本準備金含む) |
| 代表者名 | 石井 大地 |
| 本社所在地 | 〒151-0051 |
| 事業内容 | グラファーは、「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションに掲げ、社会が直面する課題の最前線で、企業・行政機関における業務のデジタル変革を手掛けるスタートアップ企業です。 |
| URL | https://graffer.jp/ |
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