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岡山県美作県民局の取り組み
先進事例2026.07.28
「スポットAI」による観光振興

【AI・観光】旅の体験価値を高める対話型AIが、観光による地域振興の切り札に
ToyTalk / ブリッジウェル

[提供] 株式会社ブリッジウェル
【AI・観光】旅の体験価値を高める対話型AIが、観光による地域振興の切り札に(ToyTalk / ブリッジウェル)
この記事の配信元
株式会社ブリッジウェル
株式会社ブリッジウェル

※下記は自治体通信 Vol.75(2026年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

日本が観光立国を目指すうえで、全国の自治体による観光振興の推進は欠かせない。しかし、地域に有望な観光資源があっても、来訪客にその良さを十分に感じてもらえず、活かし切れていないと考える自治体は少なくない。そうしたなか、岡山県美作県民局では、観光スポットに生成AIによるガイドを活用した実証実験を行い、成果を実感しているという。同局の担当者2人に、取り組みの詳細について聞いた。

インタビュー
丸山 裕介
岡山県美作県民局
地域政策部 地域づくり推進課 振興班 主任
丸山 裕介まるやま ゆうすけ
(同県奈義町より出向)
インタビュー
柴田 恭兵
岡山県美作県民局
地域政策部 地域づくり推進課 振興班 主任
柴田 恭兵しばた きょうへい

地域の魅力的な観光資源に、認知度不足で誘客できない

―観光振興におけるAI活用の実証実験に至った経緯を教えてください。

丸山 人口減少による地域衰退に歯止めをかけるため、観光振興に力を入れてきましたが、人口減少それ自体が壁になっていました。地域に魅力的な観光資源がありながらも、認知度不足のため、メインの観光地である蒜山高原ですら関西圏で4割の人しか知りません。新規誘客が難しいため、来訪者の体験価値を高め、クチコミやSNSで認知を広めたい。しかし、その体験をサポートする地域人口が減っており、一歩を踏み出せませんでした。そこで、生成AIによるガイドの活用を考えたのです。私が本来所属する町が運営する美術館で、AIガイドの導入を検討したことも背景にあります。当局での導入を検討するなか、対話型AIサービス『ToyTalk』の説明を開発元のブリッジウェル社から受け、管内で開催される観光イベントで実証実験を行いました。

―どのように活用したのですか。

柴田 『ToyTalk』を導入すれば、観光スポットごとに機能が最適化されたAIをつくれるので、アートイベント「美作三湯芸術温度」では、展示された作品ごとにその特徴や背景を紹介する対話型AIを生成しました。

丸山 ほかに、臨時列車で駅をめぐる観光イベント「みまさかスローライフ列車」にも導入、乗客一人ひとりのスマートフォンにAI観光ガイドが表示され、沿線の歴史や見どころを紹介し、停車駅での休憩時間やトイレの場所といった問い合わせに対応しました。57言語を話せ、インバウンド客を含む乗客それぞれに添乗員がつくような体験を提供できたことが好評だったのか、イベント終了後のアンケート調査では利用者の76%から「また利用してみたい」との回答を得られました。

「その時・その場所」により、一期一会の体験価値を提供

―実証実験を通じて感じた手応えを聞かせてください。

柴田 来訪者の体験価値を向上させられると確信しました。観光スポットごとに「その時・その場所」の情報を対話で提供し、利用者は一期一会の体験価値を得られます。また、AIをつくる際に職員の大きな負担がかからないことも確認できました。ガイドする内容は、パンフレットなど資料のPDFを読み込ませれば完了します。一般的なAIチャットボットのようにネットから幅広く情報を取り込むのではなく、読み込んだ資料をもとに返答するため、誤回答のリスクが少ないのもメリットです。

―今後の活用方針について教えてください。

丸山 管内の市町村と連携し、地域周遊の起点となる道の駅から個々の観光スポットまでを、それぞれ異なるAIキャラクターが案内することも検討していきます。

支援企業の視点
観光名所ごとの「スポットAI」を、自治体職員が手軽につくれる
インタビュー
筒井 訓章
株式会社ブリッジウェル
共同代表
筒井 訓章つつい のりあき
現在は、保育施設向けおむつサブスク「おむつカンパニー」を展開し、全国2,000施設以上・100自治体以上で導入実績を持つ株式会社ブリッジウェルの共同代表として、自治体・観光・子育て領域向けのスポットAIサービス『ToyTalk』の事業を推進する。

―観光振興をめぐる自治体の現状をどのように見ていますか。

 多くの自治体が「旅マエ」段階の誘客に力を注いでいますが、「旅ナカ」施策にまで手が回らないケースも見られます。いまは個人旅行が8割強*を占め、その多くが来訪の目的地だけを事前に決めて、途中の立ち寄り先や体験するイベントなどを旅をしながら決めます。地域ならではの魅力を現地で発信できれば、その意思決定に影響を与えられ、自治体の観光振興に好ましい行動へ変容させることもできる。しかし、情報発信ツールとしてAIを活用したくても、チャットボットなどは導入に時間がかかり、コストもかさみます。

―解決する方法はありますか。

 特定の観光スポットやイベントごとに、手軽に設定して運用できるAIがあればよいのです。当社が開発した「スポットAI」の『ToyTalk』は、その地域の観光スポットやイベントごとに、AIに歴史やストーリーを学習させて「その時・その場所」に求められる情報を発信します。

―具体的な導入効果を教えてください。

 一般的なチャットボットにかかるような導入期間やコストをかけずに、認知度が低い穴場的な観光資源の魅力を発信できるようになります。しかも、自治体職員が簡単に「スポットAI」をつくれるように、設定画面は自治体との実証実験を通じて改良してきました。手軽に来訪者の「旅ナカ」での意思決定を促し、周遊行動や消費活動を喚起できることは大きな強みです。観光施策にお悩みの自治体のみなさんは、ぜひご相談ください。

*個人旅行が8割強:観光庁観光地域振興課『観光圏の機能強化に関する現状と課題』令和7年

株式会社ブリッジウェル
株式会社ブリッジウェル
設立

令和元年11月

資本金

200万円

事業内容

スポットAI『ToyTalk』の開発・提供、コンサルティング事業、保育関連事業、食品商社事業、化学品商社事業など

URL

https://about.bridge-well.com/

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