【バックオフィスDX・DAP】操作ガイドを「後乗せ」するツールで、新システム導入の混乱を大幅に回避
(テックタッチ / テックタッチ)

※下記は自治体通信 Vol.68(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
システム刷新や制度変更のたびに、システムの画面や仕様の変更が行われ、旧システムに慣れ親しんだ自治体現場は混乱のリスクを抱える。そうしたなか、磐田市(静岡県)では新システムへの移行に伴い、画面上に職員向けの「操作ガイド」を後から実装できるツールを活用し、現場職員からの問い合わせや起票ミス、差し戻しの削減に成功したという。同市担当者2人に、取り組みの詳細を聞いた。


新システム稼働による、大きな混乱が予想された
―磐田市が新システムへ移行するに伴い、「操作ガイド」ツールを導入した経緯を教えてください。
柳川 当市では、約10年間使用してきた財務会計システムの保守終了に伴い、令和7年3月末に新システムを導入することを決定しました。その新システムを事前に確認したところ、入力項目の名称や位置、画面遷移の方法などが旧システムと大きく異なっていることが判明したのです。そのまま稼働すれば、操作方法がわからない職員からの問い合わせや起票ミス、差し戻しの増加に伴う現場の混乱が予想されました。システムのカスタマイズも検討しましたが、技術・費用面から難しいため、手間はかかりますが、事前の職員研修の徹底やマニュアルの充実で乗り切るしかないと考えていました。
伊藤 そんななか、自治体DXフェアに参加した職員から、そうした課題を解決できそうなツールを昨年の夏ごろに紹介されました。
―それはどのようなツールだったのでしょう。
伊藤 システムをカスタマイズすることなく、画面上で「操作ガイド」を後から実装できる、テックタッチ社の『テックタッチ』というDAP*ツールです。適切な場所への操作ガイドボタンの設置や、入力項目にカーソルを合わせれば、必要な項目内容を案内する吹き出しを表示することができます。これを使えば、職員が迷うことなく正確な記入ができ、現場の混乱を未然に防げると考え導入を決定しました。当市が確認したところ、LGWANに対応しているのは同ツールのみでした。
*DAP: Digital Adoption Platformの略で、ソフトウェアやシステムの導入後、ユーザーがスムーズに使いこなせるようにサポートするツールのこと
現場の声を反映し、ブラッシュアップを図る
―導入後の効果はありましたか。
伊藤 まず、新システムの稼働までに実装できるよう、現場の運用を理解している私がテックタッチ社のサポートを受けながら操作ガイドを作成することにしました。私自身、ICTに関する知識はありませんでしたが、早いものなら1~2分で作成できました。結果、期日までに約100個の操作ガイドを実装するにいたりました。最終段階では、テックタッチ社のスタッフが来庁してサポートしてくれたので大変助かりました。また、職員研修の実施や操作マニュアル作成は行わず、その手間を省くことができました。
柳川 新システムの稼働直後は「この吹き出しはなんだ」といった問い合わせはあったものの、事前に想定していた操作に関する問い合わせや起票ミス、差し戻しは大幅に回避できました。実際に職員に向けて『テックタッチ』に関するアンケートを取ったところ、返信があった職員の74%が「役立っている」と回答しました。
―今後、どのように活用していきたいですか。
柳川 現在、「こうしたガイドがほしい」といった職員の声を反映しており、さらなる業務効率化に向けて操作ガイドのブラッシュアップを図っていきたいですね。


―自治体がシステムを導入・運用する際の課題はなんですか。
多くの自治体に、システム導入後の「最適・効率的な運用の定着」に課題があると感じます。自治体は、広範・膨大な業務を適法かつ適確に処理するため、業務領域が細分化されている一方、個人の経験や慣れでカバーするなど、定期異動を前提とした運用ではないケースが散見されます。システムでカバーできれば良いですが、機能の網羅性やコストなど種々の観点があり、職員の操作性が最優先事項にはなりません。そこで当社は、システムに「操作ガイド」を後乗せできるDAPツール『テックタッチ』を提供しています。
―詳細を教えてください。
いわばベテラン職員の頭のなかにある業務ノウハウを画面上に動的なマニュアルとして直接配置できるツールで、マニュアルを見ずともスムーズに業務を処理できます。また、現場職員からの要望を反映していくことで、さらに運用の最適化・効率化を実現できると考えています。
―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。
引き続き『テックタッチ』を普及させることで、業務効率化の実現に貢献していきます。特に大規模内部事務システムは、10~15年にわたって運用するため、それを担当職員が通常業務と並行して検討・導入を進めるには大変な苦労を伴います。『テックタッチ』は、システム導入後の現場職員の「わからない」を解消できるツールであり、システム検討・導入した職員の苦労に報いるものです。ぜひ一度お問い合わせください。
設立 | 平成30年3月 |
---|---|
資本金 | 24億円(累計資金調達額) |
従業員数 | 171人(令和7年7月時点※社員のみ) |
事業内容 | デジタルアダプションプラットフォーム『テックタッチ』およびデータ戦略AIエージェント『AICentralVoice』の開発・提供 |
URL |