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先進事例2022.06.22
介護認定調査業務のデジタル化

訪問調査のDXを推進し、介護認定審査の迅速化を図る

[提供] 株式会社富士通四国インフォテック
訪問調査のDXを推進し、介護認定審査の迅速化を図る
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株式会社富士通四国インフォテック
株式会社富士通四国インフォテック

広島県東広島市の取り組み

介護認定調査業務のデジタル化

訪問調査のDXを推進し、介護認定審査の迅速化を図る

東広島市
健康福祉部 介護保険課 介護認定係 係長 渡邊 裕夫
健康福祉部 介護保険課 主査 谷 和幸
[提供] 株式会社富士通四国インフォテック

※下記は自治体通信 Vol.39(2022年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

介護認定の申請者が年々増加している影響で、増大の一途をたどる調査員の業務負担。また、認定までに要する日数の長期化という課題にも、自治体は直面している。そんななか、東広島市(広島県)では、業務のデジタル化を進めることで、そうした課題の解決に着手した。同市担当者に、取り組みの内容や期待する効果などを聞いた。

[東広島市] ■人口:18万9,114人(令和4年4月30日現在) ■世帯数:8万8,627世帯(令和4年4月30日現在) ■予算規模:1,468億937万円(令和4年度当初) ■面積:635.15km2 ■概要:広島県のほぼ中央に位置し、広島市の東に隣接する。市内には、広島大学、広島国際大学、近畿大学工学部、エリザベト音楽大学と4つの大学が立地し、官民の学術研究機関の集積や企業の立地も進んでいる。市中心部の西条エリアには多くの酒蔵があり、「日本酒処」としても有名。
東広島市
健康福祉部 介護保険課 介護認定係 係長
渡邊 裕夫 わたなべ やすお
東広島市
健康福祉部 介護保険課 介護認定係 主査
谷 和幸 たに かずゆき

調査員の経験差によって、記載表現に違いが出てしまう

―東広島市では、介護認定のための訪問調査業務をどのように進めてきましたか。

渡邊 これまでは、調査員が対象者宅を訪問し、心身の状態について聞き取った内容を紙に記録していました。調査員は帰庁後、そのメモを見ながら認定調査システムに入力し、介護認定審査会に提出する調査票を完成させていたのです。長年この業務フローでしたが、申請から認定まで「30日以内*1」という国の規定を順守するためにも、改善が必要だと感じていました。

―どのような改善でしょう。

渡邊 たとえば、介護認定審査会で迅速かつ正確に認定してもらうために、これまで以上に調査票をわかりやすくまとめる必要があると感じていました。調査票作成では特に、調査対象者の個々の状態を記す「特記事項」を一つひとつ作成する難しさがあります。たとえば「寝返り」では、「動作は緩慢だが手や肘を布団につけ、ゆっくり身体をずらしながらできる」といった具合に記載します。個々の状態を詳細に記す必要があるため、調査員の経験差で調査結果の表現に違いが出ていました。そのことが、介護認定審査会の「審査のしにくさ」につながっていたのです。

 また、メモを清書して調査票を完成させる「二重の手間」も調査員には負担でした。そこで、調査結果の表現に個人差が出ず、さらに、調査員の負担軽減も図れる改善策を検討していたなか、富士通Japanから提案を受け、この3月末から導入したのが、グループ会社の富士通四国インフォテックが開発した『訪問調査モバイルⅤ2』です。

文章の自動作成技術が、記載内容のバラツキを防ぐ

―システムの詳細を教えてください。

 調査員は、訪問時の聞き取り内容をその場でタブレット端末に入力でき、そのデータをシステムにアップロードすれば調査票を作成できます。入力の際は、聞き取り内容をタッチパネル形式の選択肢から選ぶだけ。たとえば、先ほどの「寝返り」の例では、「動作の状況」「補助」といった選択肢に回答すれば、特記事項の文章が自動作成される仕組みです。デジタル化により、調査員の経験差で調査結果の記載内容にバラツキが生じず、わかりやすく明確な調査票を作成できます。また、選択肢は追加でき、運用に応じた改変も可能です。

渡邊 データをアップロードすればそのまま調査票ができ、調査員の「二重の手間」も解消されます。

―今後、新たなシステムをどのように活用していきますか。

 まだ導入したばかりですが、理解しやすい調査票なら、私たち職員も、調査票の最終チェックの時間が短縮され、手戻りも減ると考えています。ひいてはそれが、審査の迅速化につながり、介護サービスの速やかな提供につながるものと期待しています。


支援企業の視点

業務の効率化を実現するポイントは、いかに的確な調査票をつくれるか

株式会社富士通四国インフォテック 第一システム統括部 自治体システム部 
[提供] 株式会社富士通四国インフォテック
株式会社富士通四国インフォテック
第一システム統括部 自治体システム部
杉原 順一 すぎはら じゅんいち

―自治体は訪問調査業務でどのような課題を抱えていますか。

 要介護認定者数が増加する一方、専門知識を持つ調査員の人員確保が進まず、調査員不足に陥っています。結果、調査員の負担が大きくなり、業務の効率化を図る機運が高まっているのです。当社では、「調査員が作成する調査票の品質を担保しつつ、作成時間を短縮すること」「職員の確認作業を効率化すること」の2点が、業務の効率化を図るうえで重要だと考えています。

―どうすれば実現しますか。

 調査票の品質向上により手戻りを減らせれば、効率化できると考えています。当社システムには、調査員の「二重の手間」をなくす「特記事項の自動生成」のほかに、「調査票の整合性チェック」といった機能があるため、業務全体を効率化できます。また、地図上にプロットした調査先を見ながら割当業務を行う機能や、タブレット端末による効率的な業務の進め方により、訪問調査業務全体のDXを支援します。システム導入後、ある自治体では、調査票作成時間が1件あたり20~60分短縮され、職員のチェック時間も1件あたり3分短縮された実績があります。月間申請件数を1,500件で試算すると、全体で約30日短縮されることになり、システムの導入効果は非常に大きいと考えます。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 「訪問調査業務の効率化」と「的確な調査票の作成」に徹底してこだわったこのシステムで、多くの自治体の訪問調査業務の効率化とDXの実現を支援します。ぜひお問い合わせください。

杉原 順一(すぎはら じゅんいち)プロフィール
昭和61年、香川県生まれ。香川大学卒業後、株式会社富士通四国インフォテックへ入社。市区町村向け介護保険システムの導入、開発、保守業務を担当する。平成22年から現職。

株式会社富士通四国インフォテック
設立 昭和43年4月
資本金 5,000万円
売上高 99億5,500万円(令和4年3月期)
従業員数 335人(令和4年4月1日時点)
事業内容 システムインテグレーション、パッケージソフト/クラウドサービス、ICT機器・ソリューション販売、DX支援サービス
会社概要 https://www.fujitsu.com/jp/group/fsit/
製品情報 https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/public-sector/local-government/solutions/mcwel/visiting-survey-mobile/index.html
お問い合わせ電話番号 087-862-4580
(平日 9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス fsit-mobile@cs.jp.fujitsu.com
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