自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 先進事例
  3. 自治体DX事例|「議会関連業務」の省力化・効率化
自治体DX事例|多古町、安城市、鳥取市、福島市、豊中市、宇都宮市
先進事例2026.10.09
議会のペーパーレス化、電子採決、AI字幕表示システム、議会答弁検討システム、政務活動費の管理・精算デジタル化、メール到達確認を不要にしたグループウェア

自治体DX事例|「議会関連業務」の省力化・効率化

自治体DX事例|「議会関連業務」の省力化・効率化

多古町、安城市、鳥取市、福島市、豊中市、宇都宮市の自治体DX事例 #議会関連業務

令和2年12月、政府は「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を決定し、目指すべきデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~」が示されました。
また、令和4年6月、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定され、このビジョンが目指すべきデジタル社会のビジョンとして改めて位置づけられました。
このビジョンの実現のためには、住民に身近な行政を担う自治体、とりわけ市区町村の役割は極めて重要です。
自治体においては、まずは、今後急速な人口減少が見込まれる中、自治体が持続可能な形で行政サービスを提供していくために、業務の見直しと並行して、自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、職員の負担軽減とあわせて、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことが求められています。
そこで、総務省が全国の自治体におけるDXの取り組み状況をまとめた「自治体DX推進参考事例集【第3.0版】」より、自治体DX事例を抜粋して紹介します。
今回は、多古町(議会の完全ペーパーレス化を目指した取り組み)、安城市(市議のタブレット利用率100%、本会議での電子採決等に活用)、鳥取市(AI字幕表示システム導入で傍聴やネット中継で字幕を利用可能に)、福島市(「議会答弁検討システム」で事務負担・印刷物を大幅削減)、豊中市(政務活動費の管理・精算デジタル化で議員・事務局双方の負担軽減)、宇都宮市(既読機能を備えたグループウェア導入で議員へのメール到達確認が不要に)の議会関連業務の自治体DX事例です。

議会の完全ペーパーレス化を目指した取り組み|多古町

千葉県 多古町では、議会事務局が議員に送付するあらゆる資料をペーパーレス化し、業務効率化を実現しています。
ペーパーレス化を進めるにあたって、議員にタブレットを貸与し、タブレット(貸与)から資料を見ていただくという運用の実現のため、
①備品の貸与を行うにあたり、利用規約と同意書を作成し、返却までのフローを明確化
②議員と頻繁に連絡をとることは難しいため、議員自身で不自由なくシステムを操作できるよう、講習会などの手厚いサポートを実施
こうした工夫をしました。

事業の概要 

本会議・委員会の資料や開催通知等、議会事務局が議員に提供する膨大な量の資料をペーパーレス化し、印刷費用の削減と事務局の印刷・資料差替等の業務負荷の軽減に取り組んでいます。
ペーパーレス会議システムの導入に伴い、議員への資料提供のフローを、各課が資料を指定の共有フォルダに格納→議会事務局における格納状況のチェック→システムへのアップロードというシステム利用前提のものに変更するとともに、各議員が不自由なくシステムを操作できるよう、講習会などのサポートを実施しながら取り組みを進めました。
今後は、議会の完全ペーパーレス化を予定しています。

事業効果

延べ8万ページ以上の資料をペーパーレス化できたため、約80万円以上の印刷費用削減、約140時間の労働時間の削減効果を得られました(令和6年8月~令和7年2月)。
また、資料の差し替えが容易になったことで、職員の業務負荷が軽減され、モノクロで印刷していた写真やグラフ等がカラーで閲覧できるようになり、資料の視認性も向上しました。
また、議員1名に1台のタブレットが配布されたことで、議員への資料の共有が容易になったほか、議会だけでなく庁内の会議でもペーパーレス化が進んでいることから、経費削減・労働負荷の軽減につながっています。

市議のタブレット利用率100%、本会議での電子採決等に活用|安城市

愛知県 安城市では、市議全員にタブレット端末を配布し、スケジュール管理、掲示板機能、ペーパーレス、会議、会議のライブ中継のほか、議員が行政調査時に携帯する等、さまざまな場面での活用が進められています。
ペーパーレス化により事務作業が効率化・迅速化しただけではなく、「市民に対して議会や議員の活動が見えやすくなった」「議員活動がしやすくなった」等と評価する声が上がっています。
議案書等の一部の資料について、紙配布を希望する議員には議会事務局から紙資料を配布しています。

事業の概要

「市民に開かれた市議会」の一層の実現と、効率的で迅速な議会運営、議会の活性化、危機管理体制の強化など、さらなる議会改革により市民に信頼され機能する議会となるため、ICT技術の積極的活用を推進。平成24年度にPCを3人に1台配布するところから始め、全員協議会におけるペーパーレス会議の試行やタブレット導入に先立ち「安城市議会の情報通信機器使用基準」を策定するなど、議員主導で段階的に活用を拡大しました。

事業効果

従来、紙資料の削減(年間6万枚余から2万枚余に削減)や資料の差し替えや議員への連絡にかかる事務の効率化により、印刷経費や人件費等を約500万円削減でき、システム運用経費を差し引いても、年間約200万円の削減効果がありました(平成29年度実績)。
また、資料の閲覧・検索等の機能を活用することで、議会審議等が円滑に実施できるようになりました。

AI字幕表示システム導入で傍聴やネット中継で字幕を利用可能に|鳥取市

鳥取県 鳥取市では、 AIによる字幕生成システムを利用し、テレビやインターネットで同時字幕を付した中継を配信しているほか、議場の傍聴席にもモニターを設置して字幕を表示しています。
令和2年に鳥取市身体障害者福祉連合会から、令和3年に3つの聴覚障害者団体(鳥取県東部ろうあ協会、鳥取市ろうあ協会、鳥取県難聴者協会東支部)から市議会のテレビ中継に字幕等を付けて放映するよう要望があり、検討を開始。令和4年2月定例会での試験運用では、聴覚障害者団体の方(関係団体:鳥取市社会福祉協議会、鳥取県聴覚障害者協会、鳥取県東部ろう協会ほか計7団体)を議場傍聴席に招き、実際に字幕表示モニターを見てもらい、感想や改善点を聴取しました。
今後も当事者の意見を聞きながら、さらなる改善を図っていくことにしています。

事業の概要

耳が不自由な方に対しても、議会における議論の内容を伝えるため、議会の音声をAIでテキスト化し、議会傍聴席に設置しているモニターにリアルタイムに表示する取り組みを実施するとともに、テレビ・インターネットで配信している議会中継にも、同時字幕を表示。聴覚障害者団体の方の意見を踏まえ、字幕の位置や大きさ、字体、色などの見やすさについて、繰り返し改善を図りながら取り組みを推進しています。

サービスイメージ

事業効果

AI字幕付きの中継配信を開始したところ、AI字幕導入前には1日あたりの平均視聴者数が443人でしたが、導入後は約1.4倍の639人に増加しました。

「議会答弁検討システム」で事務負担・印刷物を大幅削減|福島市

福島県 福島市では、議会答弁に関連する民間ソフトウェアは見あたらず、自らの手で部局を超えて使えるデータベースシステムを作ることで省力化を図り、併せてペーパーレス化することを検討し、内製「議会答弁検討システム」を開発しました。
市議会の質問取り~答弁作成~答弁検討におけるデータを集約し、全庁情報共有することで業務効率化を推進しているほか、同システムは同市の自治体ビジネスにも発展しています。

事業の概要

市議会の質問取り、答弁作成、答弁検討の一連の流れ全てにおいて、Word/Excelデータ・紙媒体による作業を無くし、内製システムにデータを集約することで、全庁情報共有による答弁検討業務に移行しました。
「仕事の流れは変えずにやり方を変える」「一部の部署からスタート」でスムーズに全庁に導入しました。

事業効果

ペーパーレス化により、55,000枚/年の紙資料を削減したほか、答弁検討準備にかかる時間を150時間削減しました。
また、全体を俯瞰し部局間の調整は答弁検討会で市長が行っていたが、答弁作成段階で他部局の答弁も閲覧できるようになったことで、答弁を各段階で作成者自身が調整を行うようになりました。
さらに、システムで答弁作成、部局内調整を行うようになり、定量的な確認はできないが確実に検討会前の各部局での作業も効率化とペーパーレスが図られているほか、内製システムを商品化したことで、他自治体での活用につながっており、自治体ビジネスとして福島市も収入を得ています。

サービスイメージ

政務活動費の管理・精算デジタル化で議員・事務局双方の負担軽減|豊中市

大阪府 豊中市では、 政務活動費の管理・精算をデジタル化することで、事務局の業務量を削減するとともに、作業負荷が短期間に集中する課題を解決しています。
従来の運用では、領収書を半年保管しなければならない、支出金額や目的等をまとめた報告書を半期ごとに作成しなければならない等、各議員にも手間の大きい作業が発生していたため、これらの作業が不要になるのは議員にも大きなメリットがあります。

事業の概要

支出書類・領収書の提出から事務局による点検まで、政務活動費の精算に関する一連の作業をオンライン化・デジタル化することで、業務量の削減と業務負荷の平準化を実現しました。
従来は、議員が提出する帳票を基に、事務局が収支報告の形式審査(収支の整合確認)~使途の妥当性確認(内規との整合の確認)~清算処理~個人情報等の黒塗り等の作業を行っていましたが、アプリの活用により、収支報告の形式審査が不要になり、業務量が削減されました。
また、従来は半期ごとに議員から提出される1,000枚以上の帳票を事務局が数週間で確認しなければなりませんでしたが、クラウドサービスを活用し、各議員が支出項目を証憑書類とともに随時登録できるようにしたことで、事務局の点検業務の実施時期を平準化することができています。

事業効果

収支報告の形式的な審査(領収書と支出書類の突合や金額の集計作業)が不要になり、事務局の業務量が削減されました。
従来は政務活動費の精算に係る業務が9月と特に3月に集中していたところ、システム導入後は各議員が随時領収書を提出できるようになり、事務局の審査・点検作業の時期を分散でき、業務負荷が平準化されました。

既読機能を備えたグループウェア導入で議員へのメール到達確認が不要に|宇都宮市

栃木県 宇都宮市では、議員への連絡にグループウェアを導入し、連絡事項の受信確認を効率化しています。これにより、災害時における迅速な安否確認、効率的な被害状況の集約が可能になりました。
同市では議会DXの一環として全議員にタブレットを配布し、事務局と議員との間の連絡手段が、それ以前の「紙と電話」から「メールと電話」に変更されたものの、重要な事案のメールについては依然として電話で受信確認をしていました。そのため、多くの議員に電話で受信確認する事務局の負担等は残っていました。
こうした課題を解決するため、受信確認ができる機能をもったグループウェア等の導入を検討していました。

事業の概要

議会事務局と議員との間の連絡ツールとして、グループウェアを採用。グループウェアの「既読」機能を利用することで、連絡を確認していない議員がわかるため、従来電話で行っていたメールの受信確認が不要になり、議会事務局の業務負担が軽減しました。
また、災害発生時には、事務局がアンケート機能を用いて議員の安否確認を行い、議員は地域の被害状況の写真や動画をトークルームに送信する運用としており、非常時の情報集約も効率化しました。

事業効果

議会事務局から議員に対し、重要な案件に関するメールの受信確認が不要となったため、議会事務局から全議員に周知を行う際の事務処理にかかる時間が3分の1に低減するなど、業務負荷が軽減したほか、議員が異なる会派の議員へ連絡する際に電話やメールに比べ気軽に連絡を取ることが可能となり、心理的抵抗が軽減されることから、以前よりも活発に交流できるようになりました。
また、災害時における迅速な安否確認、効率的な被害状況の集約を行える仕組みとしています。

電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します