スポーツ・健康を通じたまちづくり 自治体事例|心と体がうるおう「クアオルト」のまちづくり、ホームタウンスポーツチームと多様な連携、「スポーツと健幸」ウェルビーイングプロジェクト
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上山市、ひたちなか市、三島市のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例
国は第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(令和元年12月20日閣議決定)に従い、東京大会等の「スポーツ・レガシー」としてのスポーツによる地方創生、まちづくり(第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、「スポーツ・健康まちづくり」と呼称)の各地のさらなる取り組みを促進するための推進体制を強化するとともに、全国で活用されている地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税、地域おこし協力隊など国の施策の活用事例の周知を図りながら、スポーツ庁の主導の下、関係府省庁と連携・協力して、地域により特色ある「スポーツ・健康まちづくり」の創出を全国で加速化させています。
スポーツ庁では、令和3年度からスポーツによる「地方創生・まちづくり」に積極的に取り組もうとする自治体の取組計画を表彰する「『スポーツ・健康まちづくり』優良自治体表彰」(スポまち! 表彰)を実施しています。
「スポーツ・健康まちづくり」とは、スポーツや運動を通じて、交流人口の拡大や、誰でも日常的に出歩き、体を動かし、スポーツができる環境整備等に取り組むことによって、スポーツを活かして他の分野における地域課題の解決、多様性を尊重する社会づくりや地域経済の活性化等を図っていく取組を指します。
ここではスポーツ庁「スポまち! 表彰」を受賞した自治体の取り組みを紹介します。今回は、上山市、ひたちなか市、三島市のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例です。
心と体がうるおう「クアオルト」のまちづくり|上山市
山形県 上山市は、ドイツミュンヒェン大学教授鑑定の「クアオルト健康ウォーキング認定コース」を整備しているほか、林野庁「森林サービス産業(企業等の健康経営支援)」のモデル地域への選定、東北の自治体初となる上山市役所「健康経営優良法人(大規模法人部門)」を継続取得しています。
クアオルト(Kurort)とはドイツ語で、クア(Kur)「治療・療養、保養のための滞在」とオルト(Ort)「場所・地域」という言葉が合わさった言葉で、「療養地」という意味になります。
上山市では、生活習慣病等による死亡、高血糖・高血圧者の占める割合が県平均より高く、従来型観光における宿泊者の減少、観光業の停滞も課題となっていました。
取り組みを通じて、市民の健康意識のさらなる向上による生活習慣の改善や市内の豊かな地域資源を活用し、域内消費の拡大だけでなく、訪問者の心身の健康づくりにもつながる観光地域になることを目指しています。
総合的な取り組み内容
同市には、クアオルト健康ウォーキング認定コースとして、2008年に西山・葉山・蔵王高原坊平の3コース、2009年に虚空蔵山、三吉山、蔵王高原坊平3か所5コース、合計5か所8コースについて、クアオルトの本場であるドイツのミュンヒェン大学アンゲラ・シュー教授の鑑定を受けました。
これらのコースは、高度差、累積高度差、傾斜度、日射などの熱条件等で、歩行速度ごとの運動負荷が鑑定され、コースの難易度が設定されています。

目標
令和10年3月31日までを計画期間として以下の目標を設定しています。
健康
自然と健康づくりに取り組める環境を活かした市民と企業社員の健康づくり
- クアオルト健康ウォーキング:目標360日
- スマート・ライフ・ステイツアーによる健康に資する行動変容率:目標90%
交流
自然、温泉、食に恵まれた上山の地域資源を活かした関係・交流人口の拡大
- 企業の健康経営等による利用者・売上:目標800人・8,000千円
環境
里山を中心としたウォーキングコースなどの積極活用による上山らしい田園風景の保全、育成
- ウォーキングコースの環境整備に係る企業・団体等の協力数:目標7社

上山市のクアオルト健康ウォーキング認定コース
ホームタウンスポーツチームと多様な連携|ひたちなか市
茨城県 ひたちなか市はスポーツの裾野拡大やスポーツによる賑わいの創出の目標としてホームタウンスポーツチームと以下の多様な連携事業を推進しています。
①プロ・実業団スポーツチームとの連携
市内等にある5つのスポーツチームと連携協定を締結し、スポーツ教室やイベントなどの連携事業を開催することで市民と選手の交流機会を創出するとともに、チームの発信力を生かした市のPR活動への協力
②豊富なスポーツ資源を活かしたスポーツイベントの実施
大規模スポーツ施設や歴史ある「勝田全国マラソン」、「三浜駅伝競走大会」など地域に根付いたスポーツイベントを開催
③まちづくりを支えるスポーツ関係団体との連携
スポーツ協会やスポーツ少年団、各中学校区の地域体育部会とスポーツ推進委員など、地域のスポーツ推進の一翼を担う組織があり、スポーツによるまちづくりの土壌となっている
同市では、スポーツ協会やスポーツ少年団の会員数の減少、「勝田全国マラソン」等を支える市民ボランティアの高齢化など、スポーツ全体の裾野が縮小していることが課題となっていました。そこで多くの人にスポーツに興味・関心を持ってもらうため、同市の地域的特殊性・優位性であるプロ・実業団チームとの連携事業および同市が所有する豊富なスポーツ資源をさらに活用し、一層のスポーツによるまちづくりを推進しています。
同市には、日立ハイテククーガーズ(バスケットボール女子日本リーグ)、Astemoリヴァーレ茨城(女子バレーボールチーム。2025~26シーズンはSVリーグ)、日立女子陸上部、水戸ホーリーホック(Jリーグ加盟のプロサッカークラブ)、茨城ロボッツ(B1リーグ東地区所属のプロバスケットボールチーム)があります。

勝田全国マラソンのサイト(https://katsutamarathon.jp/)
総合的な取り組み内容
インナー施策として、スポーツ教室関係事業の実施、サイン会・講演会の実施、アウター施策としてチームの発信力を生かした市のPR活動を実施しているほか、インナー・アウター両面の施策としてホームゲームの開催と盛り上げ施策を実施しています。

目標
令和12年3月31日までを計画期間として以下の目標を設定しています
1.スポーツの裾野拡大
スポーツ教室やイベントを通して競技の普及促進とともにスポーツ人口の裾野拡大を図る
KPI
・週1回以上のスポーツ実施率:令和5年45.6%→令和7年50.0%→令和12年60.0%
・スポーツ少年団の総加入団員数: 令和5年1,586人→令和7年1,600人→令和12年1,800人
2.スポーツによる賑わいの創出
スポーツチームを応援する機運を醸成し,賑わいを創出することで市全体を盛り上げる
KPI
・1年間のスポーツ観戦者数:令和5年11,477人→令和7年18,000人→令和12年30,000人
・スポーツ振興に関する市民満足度:令和5年3.14点→令和7年3.24点→令和12年3.50点
「スポーツと健幸」ウェルビーイングプロジェクト|三島市
静岡県 三島市は「スポーツ健幸都市」を宣言し、都市宣言の「5つの視点」から、「スポーツ」による健幸まちづくりを更に推進し、スポーツを核としたまちづくり、人もまちも産業までもが、豊かで潤い、幸せを実感できるまちづくりを進めています。
そのため、プロスポーツチーム6団体との連携により、関係人口、交流人口、観光交流客数の増加を目指しているほか、市民主体のまちづくりを一歩進め、行政・市民・団体・企業などが互いに連携する共創の取り組みを推進しています。
人口減少、少子高齢化が進む中、関係人口や交流人口、観光交流客数を増やし、経済活動の活性化、街や人に更なる活力をもたらすことが必要と捉え、三島市の立地条件、自然や歴史的資源とスポーツの持つ力を掛け合わせ、企業や団体、市民など、関わるすべてのひとのウェルビーイング、スポーツで健幸になる施策等を推進しているものです。

総合的な取り組み内容
民間企業と連携した大型ウォーキングイベント等、プロスポーツチームと連携しエキシビジョンマッチの開催、スポーツ関係団体と連携し各種スポーツイベント、大学と連携し運動遊び教室の開催等を実施しています。

目標
令和8年3月31日までを計画期間に、行政、企業、団体、市民が一体となり「スポーツ健幸都市みしま」を目指した以下の目標を設定しています。
①プロスポーツチームや企業等と連携したスポーツイベントの開催
令和5年度15回→令和7年度30回
②観光交流客数
令和5年度631万人→令和8年度810万人
③誰もがスポーツに親しみ運動好きな人を育むスポーツイベントなどの開催
令和5年度20回→令和7年度40回

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