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先進事例2025.06.23

子育て支援自治体事例|子育てデジタルワンストップサービス、マイナンバーカード活用、保育所入所管理業務のデジタル化

子育て支援自治体事例|子育てデジタルワンストップサービス、マイナンバーカード活用、保育所入所管理業務のデジタル化

東村山市、姫路市、松江市のデジタル技術を活用した子育て支援自治体事例

2024年の出生数が初めて70万人を下回るなど、歯止めがかからないどころか、少子化が加速度的に進行しています。一方、地域における少子化対策を推進する上での課題に対応する有効な手段として“デジタル技術を活用した子育て支援”が考えられています。

そこで、内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局がまとめた「デジタル田園都市国家構想交付金を活用した妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(令和5年12月)」より同交付金を活用した子育て支援の自治体事例を抜粋して紹介します。

今回紹介するのは、「子ども子育てデジタルワンストップサービス事業」(東京都東村山市)、マイナンバーカードによる姫路ライフ・スマート都市実装事業における「デジタル活用による妊娠期~子育て期にわたる切れ目のない支援」(兵庫県 姫路市)、「保育所入所管理業務のデジタル化による市民サービスの向上」(島根県 松江市)の3つの子育て支援自治体事例です。

東京都 東村山市|子ども子育てデジタルワンストップサービス事業

東京都 東村山市の「子ども子育てデジタルワンストップサービス事業」は、首都圏近郊外都市が持つ「子育て」に対する課題に着目し、デジタル技術の活用により仕事と子育ての両立など、子育てしやすい環境づくりを目指すものです。

各種サービスのIDを統合したうえで、
①パーソナライズドポータル
②予約申請サービス
③デジタル子育て講座サービス
④オンライン子育て相談サービス

これらを一体的に整備し、データ連携基盤と連接させることにより、サービスのワンストップ化やデータ分析によるサービス改善などの価値を創出するほか、子育て以外の行政分野への展開や既存システムやアプリの統合化も併せて進めることにより、市民サービスの向上とシステム全体の最適化の両立を目指しています。

事業内容

①パーソナライズドポータル
利用者一人ひとりの属性や興味に応じてパーソナライズ・最適化された情報をプッシュ型で提供

②予約申請サービス
各種申請手続きや相談・講座等の予約などを受け付け後のワークフローも含めシームレスにオンライン化

③デジタル子育て講座サービス
子育て層に向けた講座等の動画コンテンツを配信。地元事業者等との連携によりコンテンツを継続的に充実化

④オンライン子育て相談サービス
市役所窓口に来ることが難しい方でも利用できるオンライン相談サービス

主なKPI

アウトプット指標(活動指標)
①パーソナライズドポータルの登録者数
②予約申請サービスの利用者数
③デジタル子育て講座サービスの利用者数
④オンライン子育て相談サービスの利用者数

アウトカム指標(成果指標)
①ウェルビーイング指標
②市民満足度(サービスの質向上)
③利用満足度
④合計特殊出生率
⑤当市の15~49歳の女性人口に対する0~3歳児の人口の比率
⑥地域間連携

兵庫県 姫路市|マイナンバーカードによる姫路ライフ・スマート都市実装事業

播磨圏域連携中枢都市圏の中心市である兵庫県 姫路市は、「市民一人ひとりが暮らしに満足し、自分らしい生活を送ることができる姫路」を目指し、マイナンバーカードとデジタル技術の活用により、市民がライフシーンの様々な場面で、暮らしの豊かさを実感できるスマート都市実現を推進しています。
同市の「マイナンバーカードによる姫路ライフ・スマート都市実装事業」は人口減少と少子高齢化が進む中、少子化対策につながる、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに応える切れ目のない支援を取組の第1弾として、データ連携による付加価値の高いサービスの創出をはかる事業です。

事業内容

令和5年度の実装重点テーマは「デジタル活用による妊娠期~子育て期にわたる切れ目のない支援」とし、
①マイナンバーカード等による受付チェックイン・認証ゲート入場機能
②PHR(Personal Health Recordの略で、個人の健康に関する情報を一元的に管理するシステムのこと)型「姫路ライフ健康手帳アプリ」
③乳幼児健診等のデジタル化
④デジタルによる妊産婦等健康サポート
⑤市民共創型子育て情報デジタルガイド
⑥データ連携型の電子通知サービス(安心情報取得)
を実装しました。

すべての事業において、マイナンバーカードを活用することで、市民が、デジタル社会のパスポートであるマイナンバーカードを、暮らしに欠かせない「市民カード」として、利便性を実感できるようサービスを展開し、これまで実装したサービス内容と合わせ、「市民カード化構想」より一層具現化します。
さらに、「姫路ライフ・スマート都市」の実現に向けて、市民共創プラットフォームを導入し、市民と一緒に対話しながら共創を進めていきます。

姫路市のサイトより(https://www.city.himeji.lg.jp/shisei/0000026378.html

主なKPI

アウトプット指標(活動指標)
①各施設でのマイナンバーカード等による施設優待利用率
②各施設でのマイナンバーカードを利用して入場した人数
③姫路ライフ健康手帳アプリのダウンロード者数
④病児保育予約サービス事前登録者数(登録児童数)
⑤デジタル乳幼児健診の利用率
⑥ウェアラブルデバイスの利用人数
⑦子育て役立ち情報の投稿数
⑧子育て役立ち情報の投稿者数
⑨データ連携型の電子通知サービスの利用登録者数
⑩データ連携型の電子通知サービスの通知種数

アウトカム指標(成果指標)
①マイナンバーカード認証済アプリによる施設優待入場者等の満足度
②マイナンバーカードによる施設優待入場者等の満足度
③姫路ライフ健康手帳アプリの利用満足度
④姫路ライフ健康手帳アプリのアクティブユーザー数
⑤デジタルによる妊産婦等健康サポートの満足度
⑥子育て役立ち情報の高評価数
⑦データ連携型の電子通知サービスの満足度

島根県松江市|保育所入所管理業務のデジタル化による市民サービスの向上

島根県 松江市の保育所入所管理業務のデジタル化による市民サービスの向上は、業務の効率化に向けた課題を解決するため、保育所入所管理業務の業務フローを見直し、最適化する業務改善を行い、将来的に事務を削減するものです。事務の削減により、余力のできた職員が窓口対応など相談体制を強化し、市民サービスの向上を図ります。
また、市民にとって使いやすいオンライン申請、書かなくて済む窓口を実現し、保護者の負担も軽減します。
さらに、紙で保管している保育所入所情報のデータベース化により、業務効率化を図ることで、保護者の窓口滞在時間を短縮し、市民サービスの向上を図ります。

事業内容

オンライン申請
保護者がいつでもどこからでも入所申込でき、使いやすく入力しやすいオンライン申請の仕組みを導入するほか、保護者が事前にスマートフォン等で入力した情報を出力するなど、来庁された保護者が書かなくて済む窓口を実現します。

保育所入所申請管理システム
業務改革(BPR)を行うことで、事務の効率化を図り、相談体制を強化するほか、紙で保管している保育所入所情報を画像化・テキスト化し、本システムでデジタル管理することで、保護者からの問い合わせ時間の短縮を図ります。

主なKPI

アウトプット指標(活動指標)
①窓口等で相談中における市民の待ち時間
②入所申込期間の日数
③決定通知発送までにかかる日数

アウトカム指標(成果指標)
①窓口対応に対する保護者の満足度
②入所申込期間に対する保護者の満足度
③決定通知後の期間に対する保護者、保育所職員の満足度

〈参照〉
デジタル⽥園都市国家構想交付⾦を活⽤した妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局)
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/syoushikakoujirei/pdf/20231222_kekkonsyussankosodatejireisyu.pdf

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