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先進事例2025.06.17

子育て支援自治体事例|保育園等ICT化、給付費クラウド、通学路の安全確保、児童相談DX化、乳幼児健診デジタル化

子育て支援自治体事例|保育園等ICT化、給付費クラウド、通学路の安全確保、児童相談DX化、乳幼児健診デジタル化

「デジタル技術の活用」で子育て支援を推進する自治体事例

2024年の出生数が初めて70万人を下回るなど、歯止めがかからないどころか、少子化が加速度的に進行しています。一方、地域における少子化対策を推進する上での課題に対応する有効な手段として“デジタル技術の活用”が考えられています。

そこで、内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局がまとめた「デジタル田園都市国家構想交付金を活用した妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(令和5年12月)」より同交付金を活用した子育て支援の自治体事例を抜粋して紹介します。

今回紹介するのは、保育園等のICT化(宮城県 白石市)、クラウド導入(神奈川県 平塚市)、センサー活用(富山県 魚津市)、児童相談のDX化(静岡県 静岡市)、乳幼児健診等のデジタル化(三重県 いなべ市)といった5つの子育て支援自治体事例です。

宮城県 白石市|公立保育園・幼稚園ICT化による保護者満足度向上事業

事業概要

宮城県 白石市の「公立保育園・幼稚園ICT化による保護者満足度向上事業」は、保育園・幼稚園業務にICTを導入し、これまで紙で行っていたお便り等の電子データ配信や保護者との連絡方法をデジタル化することで保護者の利便性向上を図る事業です。また、登降園時の多角的な安全管理と、導入により生み出された時間の有効活用により、より一層、きめ細やかな保育と幼保小連携を深め、保育の質の向上による保護者の満足度向上に繋げるという将来像を描いています。

事業内容(主なICT導入機能)

園児の登降園管理
これまで手書きだった登降園表を二次元バーコード読み取りにより、複数の職員で瞬時に園児の出欠状況を確認することで、子どもの安全対策に資することを可能にしました。

保育に関する計画・記録
これまで手書きだった保育事務をシステム化することにより、事務時間の減少と職員間の情報共有化に伴う保育・教育の質の向上を可能にしました。

保護者との連絡
連絡帳アプリの活用により、お便り等の電子配信や子どもの様子の情報共有が瞬時に可能になるなど、保護者の利便性向上を可能にしました。

白石市のサイト

神奈川県 平塚市|給付費等クラウド申請事務事業

事業概要

神奈川県 平塚市の給付費等クラウド申請事務事業は、民間保育所が運営に必要な毎月の給付費等を受け取るため、市への申請事務に多大な時間を要しており、クラウド上で自治体と民間保育所がデータを共有し、電子的に申請・承認ができるシステムが必要とされていることから、給付費等申請クラウドシステムを導入することで、作業時間を短縮し、民間保育所に勤務する保育士の事務負担の軽減を図るとともに、保育の質の向上を図る事業です。

事業内容

民間保育所と市が共通の画面を用いて給付申請事務を行うことで独自のExcelや紙の報告様式を不要にするほか、複数ある申請事務をひとまとめにした事務が可能になりました。
これにより、申請内容の確認等、自治体とのやりとりがスムーズになり、事務に係る作業時間を削減します。
また、加算シミュレーション機能により保育士配置等による給付費の試算が可能に。民間保育所が同機能を活用しながら今後の運営方針を検討することを可能にしました。

富山県 魚津市|センサーを活用した通学路安全確保サービス

事業概要

富山県 魚津市の「センサーを活用した通学路安全確保サービス」は、
①子どもたちの登下校の安全を守る
②子守り活動を持続可能にする
③センサーを使ってもっと便利にする
この3つのコンセプトに基づいたサービスを提供し、将来のまちの主役である子どもたちの安心安全な通学の確保を目指す事業です。

事業内容

子どもたちの登下校の安全を守る
児童の位置情報をセンサーを用いて収集し、データ分析により通学実態を正確に把握します。

子守り活動を持続可能にする通学に関するデータ分析
分析データから効率的な子守り活動を実施し、担い手不足・見守りにかかる負担増大に対応します。

センサーを使ってもっと便利にする個々の児童の位置情報の通知
センサー付属ボタンによる児童からの緊急通報や保護者と児童の取り決めによるセンサー付属ボタン活用による個別事情に即した連絡手段としても活用します。

静岡県 静岡市|児童相談業務DX推進事業

事業概要

静岡県 静岡市の児童相談業務DX推進事業は
①児童虐待対応のノウハウを蓄積して可視化し、データ分析を行うことで、組織としてのノウハウ伝承を可能とし、経験の浅い職員でも現場対応における対応の質向上、調査や処遇決定の迅速化を図る
②音声認識システムによる業務効率化を行うことで、効率化された時間を現場対応に充て、親子の支援対応の充実を図る
上記を目的とした事業です。

事業内容

①初動対応業務におけるサービス

戦略戦術支援機能(AI)
通告後の初動対応において、過去の類似事例をAIが分析し、戦略・戦術を支援する。

職員マッチング機能(AI)
通告内容/虐待内容にマッチングする職員をAIがレコメンドする。

②リスクアセスメント業務におけるサービス

一時保護/類似事例レコメンド機能(AI)
子ども/家庭の一時保護の可能性、類似事例をAIが提示する。

リスク予測/悪化予測機能(AI)
子ども/家庭のリスク化傾向予測(要対協ケース化、ケース化)及び悪化予測をAIが社会的背景をはじめとする根拠とともに提示する。

Next Best Action機能(AI)
まだ調査はされていないが、関連性の高い虐待リスク因子、重点的に調査すべき因子をAIが提示する。

③支援方針の検討会議業務におけるサービス

音声認識機能(AI)
AI音声認識エンジンにより、会議発言内容を文字起こしし、議事録作成を簡素化する。

三重県 いなべ市|母子健康手帳アプリの活用による小児予防接種・乳幼児健診デジタル化事業

事業概要

三重県 いなべ市の「母子健康手帳アプリの活用による小児予防接種・乳幼児健診デジタル化事業」は妊娠から出産・子育てを支援する母子健康手帳アプリ『母子モ』を活用して、予防接種の予診票・接種履歴、乳幼児健診の受診票・健診結果をデジタル化し、保護者・医療機関(健診会場)・自治体それぞれの手間を改善するとともに、ヒューマンエラーを抑制し、安全で簡便な予防接種・乳幼児健診を実現する事業です。

事業内容

母子手帳アプリ~『母子モ』
これは、紙の健康手帳と併用し、スマホで妊娠から子育てまで切れ目なくフルサポートするアプリです。母子手帳省令様式に応じた各種記録や子どもの年齢に応じた子育て支援情報の配信などを実施しています。

母子モ子育てDX~小児予防接種サービス
これは母子モに追加実装する予診票デジタル化サービスです。その内容は、
・『母子モ』:予診票入力・提出
・医療機関ツール:予診票の受取・確認・入力
・自治体ツール:予診票の取りまとめ・確認
などです。

母子モ子育てDX~乳幼児健診サービス
これは母子モに追加実装する受診票デジタル化サービスです。その内容は、
・『母子モ』:受診票受取・提出
・医療機関ツール:受診票の受取・確認・入力
・自治体ツール:受診票の取りまとめ・確認などです。

〈参照〉
デジタル⽥園都市国家構想交付⾦を活⽤した妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局)
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/syoushikakoujirei/pdf/20231222_kekkonsyussankosodatejireisyu.pdf

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