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「だれもが利用できる」システムで、真に住民目線の「書かない窓口」実現へ

愛媛県宇和島市の取り組み

住民窓口サービスの改善

「だれもが利用できる」システムで、真に住民目線の「書かない窓口」実現へ

宇和島市
市民環境部 市民課 課長 平田 幸
[提供] 富士フイルムシステムサービス株式会社

※下記は自治体通信 Vol.39(2022年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

住民が自治体の窓口で各種手続きを行う際、申請書に氏名や住所などを何度も記入する手間がかかっている。住民のそうした負担を減らそうと、宇和島市(愛媛県)では「異動受付支援システム」を導入し、「書かない窓口」を実現した。その際、システム選定にあたっては、だれもが利用できるという「住民目線」を大切にしたという。同市担当者に、システムの導入経緯や得られた効果などについて聞いた。

[宇和島市] ■人口:7万771人(令和4年4月30日現在) ■世帯数:3万5,452世帯(令和4年4月30日現在) ■予算規模:985億6,300万円(令和4年度当初) ■面積:468.15km² ■概要:愛媛県西南部に位置する。西は宇和海に面し、入り江と半島が複雑に交錯した典型的なリアス式海岸が続き、4つの有人島と多くの無人島がある。市街地のほぼ中央にある宇和島城は、全国で江戸時代以前に建造され現存する12天守のうちの1つ。慶長20(1615)年に伊達政宗の長男・秀宗が入城し、明治を迎えるまで「西国の伊達」9代の居城だった。
宇和島市
市民環境部 市民課 課長
平田 幸ひらた みゆき

同じ内容を何度も書くことに、住民が感じる「大きな負担」

―「異動受付支援システム」を導入した経緯を教えてください。

 当市では、住民が転入手続きを行う際、「住民異動届」の作成だけでなく、「住民票」や「印鑑登録」など住所変更に付随する各種手続きも同時に行える、住民にとっての利便性の高さを追求した窓口体制を敷いています。

 一方で、すべての申請書に氏名、住所、性別、生年月日などの基本情報を何度も記入してもらう必要があり、「同じ内容を繰り返し書くので大変」という声が住民からあがっていました。そこで、住民の「記入の負担」を減らすシステムの導入を検討し始めたのですが、その際、重視した点がありました。

―どのような内容でしょう。

 窓口を利用するすべての住民が、導入効果を享受できることです。たとえば、スマートフォンの利用が前提のシステムだと、それを持たない住民はその効果を享受できません。デジタルデバイドが起きず、だれもが利用できるシステムを検討していたところ、富士フイルムシステムサービスから提案を受け、この3月から導入したのが「異動受付支援システム」でした。

―システムの詳細について教えてください。

 住民が、これまで住んでいた自治体から発行される「転出証明書」を活用します。転入手続きの際、住民に必ず提出してもらうこの書類を活用すれば、窓口を利用するすべての住民が導入効果を享受できると考えました。転出証明書に記載してある住民の基本情報をOCRで読み取り、まずは住民異動届に自動転記します。さらにその内容が、そのほかに必要な申請書に自動転記されるのです。仮にOCRで読み取れない情報があれば、職員が住民に直接聞いてシステム上に入力します。その結果、住民は記入せずに転入手続きを完了でき、住民票などの必要書類を受け取れます。また、転居・転出手続きの場合は、住民票の情報を住民異動届へ自動的に反映させる仕組みです。

生み出された新たな時間を、住民サービスの向上にあてる

―導入効果を教えてください。

 導入後約3週間の3月下旬時点で、すでに住民からの反響は予想以上に大きく、多くの住民から「書かずにすむので便利」という声をいただいています。また、職員は、住民異動届や各種申請書への書き方を一つひとつ説明する負担がなくなりました。その結果、異動手続きにかかる時間が1件あたり5~15分程度短縮できています。異動手続きは年間約4,000件あるため、この時間短縮効果は大きく、ここで生まれた新たな時間をほかの住民向けのサービス向上にあてられると考えています。

 また、クラウド型のこのシステムは、私たちが日頃の業務で気付いた改善点を修正しやすい特徴があります。それにより、住民の利便性をどこまでも追求した窓口対応を実現できると期待しています。


支援企業の視点

改善を繰り返せる窓口サービスなら、住民の満足度はさらに高められる

富士フイルムシステムサービス株式会社
公共事業本部 ソリューション推進部 ソリューション推進グループ マネージャー 阿部 光太郎
[提供] 富士フイルムシステムサービス株式会社
富士フイルムシステムサービス株式会社
公共事業本部 ソリューション推進部 ソリューション推進グループ マネージャー
阿部 光太郎 あべ こうたろう

―住民窓口サービスを改善する自治体は増えていますか。

 非常に増えていますね。「多くの住民が利用する窓口サービスは、重要な住民接点」という認識が、自治体で高まっているようです。そのため、住民が感じている「申請書への記入負担」を軽減し、住民サービスの向上に取り組む動きが強まっています。

―システム選びのポイントを教えてください。

 まずは、「すべての住民が恩恵を受けられるシステムであること」が重要です。それにくわえて、「システム導入後も継続して運用改善できるのか」がポイントになります。当社の「異動受付支援システム」は、運用状況を可視化でき、日別、時間帯別、異動事由別、工程別、担当者別といった形で利用状況を把握でき、運用改善の足がかりをつかめます。そして、これらの定量データに基づき断続的に改善してこそ、住民の満足度は高められます。また、当社は住民窓口サービスの受託業務も手がけており、豊富な業務知識と経験をベースに、実現可能性の高い業務改善提案もできます。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 当システムは、国が主導する「引越しワンストップサービス」とも、データ連携できるように検討しています。そのほか、自治体が内部事務で使っている住民記録システムとも連携しやすく、データ連携を通じた自治体DXのさらなる推進を支援できます。すべての人が恩恵を受けられる「人にやさしいデジタル化」を意識している当社に、ぜひお問い合わせください。

阿部 光太郎 (あべ こうたろう) プロフィール
昭和54年、鹿児島県生まれ。ITソリューションベンダーを経て、平成27年に富士フイルムシステムサービス株式会社へ入社。平成31年から現職。自治体向けサービスの企画・推進を担当。
富士フイルムシステムサービス株式会社
設立 昭和63年9月
資本金 2億円 (授権資本金4億円)
従業員数 1,633人 (令和4年3月末現在)
事業内容 全国の自治体および企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの提供
URL https://www.fujifilm.com/fbss/
お問い合わせ電話番号 03-6454-5645 (平日 9:00~17:30)