5,800時間以上の削減へ。町田市が挑む「入園事務のバックヤード自動化」の全貌。オンライン申請から自動点数付け、基幹システム連携まで一気通貫のデジタル化


オンラインで申請を受け付けても、その後の内部事務は手作業のまま——。こうした「まだらデジタル」の状態からの脱却を目指し、東京都町田市では、入園事務のバックヤード業務の自動化を開始しています。オンライン申請データをもとに自動で点数を算出し、RPAで基幹システムへ連携するまでを一気通貫で「フルデジタル化」する仕組みによって、年間約5,800時間の業務削減効果を見込んでいます。この先進的な実証実験の内容と今後の展望について詳しく話を伺いました。
入園事務を一気通貫でデジタル化する「フルデジタル化」の仕組み
——今回の取り組みで目指す入園事務の「フルデジタル化」について、具体的に教えてください。
矢野:入園事務の「フルデジタル化」は、保育園・幼稚園の入園申し込みについて オンライン申請から、点数付けや基幹システムへの登録といった内部事務までを一気通貫でデジタル化する試みです。
——町田市では、従来はどのような流れで入園時の事務を行っていましたか。
矢野:従来は、オンラインで入園申請を受け付けた後、申請データをいったんすべて紙に印刷し、担当者が紙の様式に手作業で点数を記入。その後、その紙をOCRで読み取り、RPAでデータ連携するという手順で事務を行っていました。すべてを紙と手作業で行う一般的なフローと比較すると、OCRやRPAによって効率化されている側面はありましたが、デジタルと紙が混在する、いわゆる「まだらデジタル」な状態でした。
——今回の「フルデジタル化」は、具体的にどのようなフローなのでしょうか。
矢野:今回の「フルデジタル化」は、オンラインで申請を受け付けた後、自動で点数付けが行われ、そのままRPAで基幹システムへの連携まで完結するというフローです。担当者が行う事務は「内容が正しく反映されているか」「内容が適切か」といった確認のみで、その後の入所選考や決定通知書の作成・発送へと進むことができます。

今回の取り組みでは、データで入ってきた申請を紙に印字することなく、最後までデータで流れるようなフローを構築している。
——点数の自動計算はどのような仕組みで行われるのでしょうか。
矢野:点数の自動計算は、市の選考基準に基づき、システムが自動で点数判定を行う仕組みです。オンライン申請で届くデータは、そのまま基幹システムに流し込める形式ではありません。そのためプログラムで点数を自動計算するとともに、基幹システムが受け付け可能な形式へと自動変換しています。
従来は、職員が申請内容をもとに手作業で点数付けした用紙をOCRで読み取り、それをRPAで取り込むといった工程が必要でしたが、現在は、入力された情報をRPAの扱いやすいデータへと自動で最適化することで、RPA側の処理をシンプルに保っています。このように申請データから基幹システムが扱えるデータへと、人手を介さず一気通貫でつなぎこめる仕組みを構築したことで、迅速かつミスのない点数の算出を実現しています。

オンライン申請の内容をもとに、市の保育指数のロジックに基づいて自動計算される。
——添付書類はどのように扱われるのでしょうか。
矢野:添付書類は、申請内容の裏付けとして位置づけています。たとえば申請者が「就労時間が8時間以上」と入力した場合、入力された情報が正しいかどうかを、添付書類と照らし合わせます。このように、最終工程として担当者が目視確認を行うことで、申請内容との整合性を担保しています。
就労証明書をOCRで読み取って人間を介さずに照合することも検討しましたが、書類のサイズや形式が事業者ごとに異なるなど、考慮すべき点が多くあります。そのため、100%をデジタルだけで完結させようとするのではなく、最後に人間が確認するフローをあえて残すことで、審査の正確性を担保しています。

| 設立 | 2017年7月18日 |
|---|---|
| 資本金 | 1,544,977,927円(資本準備金含む) |
| 代表者名 | 石井 大地 |
| 本社所在地 | 〒151-0051 |
| 事業内容 | グラファーは、「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションに掲げ、社会が直面する課題の最前線で、企業・行政機関における業務のデジタル変革を手掛けるスタートアップ企業です。 |
| URL | https://graffer.jp/ |
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