

大日本印刷株式会社(DNP)は、自治体への電話問い合わせにAIが応答し、自然な対話を通じて内容を整理しながら最適な回答まで導く「電話AIサービス」を開発しました。2026年1月から福島県福島市と実証実験を行い、2026年6月に本サービスの提供を開始します。
本サービスは、可能な限り一度の通話で解決に導く“問い合わせ完結型”を目指す応答システムです。AIが住民との自然な対話で質問の意図を明確にし、最適な回答を提示します。職員の電話対応負担を軽減するとともに、住民が一度の通話で疑問を解消できる問い合わせ対応の高度化を実現します。
「電話AIサービス」開発の背景と狙い
多くの自治体では、平日の日中に集中する電話での問い合わせに対応する業務負担が大きく、窓口・企画業務等の質の向上に充てる時間の確保が課題となっています。特に、手続き内容が個々の条件によって異なり、住民自身も状況の整理が難しい場合は、職員が聞き取りを重ねて意図を整理するため、1件あたりの対応時間が長くなる傾向があります。
DNPは「誰一人取り残されない行政サービス」を掲げ、デジタル技術を活用した行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。これまでに、住民と行政のやり取りを支える窓口業務を中心に「メタバース役所」「DNP AI職員提供サービス」など、XRとAIを融合したソリューションを開発しています。今回開発した「電話AIサービス」は、メタバース役所等で培った知見を活かし、住民が行政と直接やり取りする「フロントヤード領域(窓口・電話対応等)」の業務を対象に、AIによって業務を高度化することを目的としています。
福島市での実証実験について
DNPと福島市は、住民からの電話問い合わせに対応する職員の業務負担軽減と、住民サービス向上を目的として、本サービスを活用した実証実験を行います。今回、将来的なサービス提供開始を見据え、住民の待ち時間を減らし、AIが質問の意図を適切に理解して分かりやすく案内できるかどうか検証し、電話対応時間の短縮効果や実運用時の有効性・課題を確認します。本実証期間は、2026年1月28日から2月25日までの期間で、土日・祝日を含めて実施します。対象業務は市民課所管の一部手続きで、転入・転出・転居手続きの事前案内、住民票・戸籍・印鑑証明等の証明書交付、マイナンバーカード関連手続き等を想定しています。期間中は、AIが職員に代わって電話で自動応答し、問い合わせの完結を目指します。問い合わせ完結率や市民満足度を指標として効果を検証し、持続可能な電話対応体制の構築につなげます。
「電話AIサービス」の主な特長
1.AIが住民の意図を聞き取り、最適な回答に導く
住民の発話の内容をAIが解析し、自然な会話を通じて質問を整理して住民の意図を明確にします。届け出手続きや窓口情報等を提示し、通話の中で問い合わせ対応の完結を図ります。
2.対話シナリオの独自設計が不要で導入が容易
従来のAI応答システムで必要とされてきた対話シナリオの設計は不要です。自治体は、FAQ(よくある質問)や公式Webサイトの情報を共有するだけで運用に向けた準備ができます。短期間での導入が可能で、運用負荷も軽減します。
3.多言語で24時間・365日対応
AIが24時間・365日稼働し、開庁時間外でも住民の問い合わせに対応できます。日本語に加えて英語・中国語・韓国語など多言語に対応し、住民の発話内容から言語を判定し、最適な案内を行います。
4.安定した一次対応による対応品質の向上
AIが一定のトーンで丁寧に一次対応することで、内容の行き違いや感情的なやり取りを抑え、対応が過度に複雑化・長期化することを防ぎます。これにより、職員の対応負担を軽減するとともに、住民に分かりやすく一貫性のある案内を行います。
今後の展開
DNPは今後、通話データや問い合わせ傾向を分析し、データ管理等の「バックヤード領域」の業務とも連動することで、「行かない役所」の実現に向けた包括的なDX支援モデルを展開していきます。また、自治体に加えて企業への活用拡大も見据え、AIの対話性能の向上や音声認識精度の強化を通じて、各種業務課題の解決とサービス高度化に貢献していきます。
DNPのXRコミュニケーション®事業について
(https://www.dnp.co.jp/biz/products/maintag/xr.html)
DNPは、あらゆる年齢・性別・言語等の人々が互いに分け隔てられることなく、リアルとバーチャルの双方を行き来できる新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を2021年から展開しています。メタバースを活用した教育支援や、自治体の地域活性化、「メタバース役所」等の行政サービス向上と窓口業務のDXを支援しています。また、デジタル空間で「場所」や「ヒトの活動」を拡張させるXRアイデンティティシステム「PARALLEL ME」を展開しており、本サービスはその取り組みの一環となります。DNP独自の「P&I」(印刷と情報:Printing & Information)の強みである表現技術や、安全・安心に大量の情報を処理する能力、リアルとバーチャルを融合するXR技術を活かし、多くのパートナーとも強みを掛け合わせて、多様な価値を創出していきます。
※記載内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

| 設立 | 1876年10月9日 |
|---|---|
| 資本金 | 1144億6400万円 |
| 代表者名 | 北島 義斉 |
| 本社所在地 | (本社) |
| 事業内容 | ・スマートコミュニケーション部門 |
| URL | https://www.dnp.co.jp/ |
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