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岡山県岡山市の取り組み
先進事例2021.01.03
外部人材の活用

副業・兼業人材を登用し、民間視点の専門的知見を取り入れる

[提供] 株式会社みらいワークス
副業・兼業人材を登用し、民間視点の専門的知見を取り入れる
この記事の配信元
株式会社みらいワークス

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

多様化する住民のニーズへの対応や、急速に進化するテクノロジーの活用に向けて、自治体行政で求められる知識の専門性は年々高まっている。こうしたなか、岡山市(岡山県)では、市政の推進に副業・兼業人材を「戦略マネージャー」として登用している。副業・兼業人材を活用した背景やその方法について、市長の大森氏に聞いた。

岡山市データ
人口:70万7,897人(令和2年10月末現在)世帯数:33万3,361世帯(令和2年10月末現在)予算規模:6,034億3,800万円(令和2年度当初)面積:789.95km²概要:旭川と吉井川が瀬戸内海に注ぐ岡山平野の中央に位置し、多様で豊かな自然に恵まれている。また、鉄道・道路・空路などの交通網が集中する中枢拠点都市であり、人口10万人当たりの医師数や文化施設数、百貨店・スーパー数、人口ひとり当たりの都市公園面積などが政令指定都市間で一桁台にランクインするなど、高度な都市機能が集積している。
インタビュー
大森 雅夫
岡山市
市長
大森 雅夫おおもり まさお

市の「戦略マネージャー」に、3週間で616人が応募

―「戦略マネージャー」を登用した背景を聞かせてください。

 少子高齢化や頻発する自然災害への対応など、多様化・複雑化する行政課題や、急速なデジタル化の進展に対応するため、当市においても、専門的知見をもつ人材の活用が必要と感じていました。そこで、副業・兼業人材の登用に取り組むことにしたのです。

―副業・兼業人材の受け入れを決めたのはなぜでしょう。

 専門的知見をもつ人材を職員として採用するとなると、条件面で折り合うのが難しいですが、副業・兼業ならば、双方にとって協働のハードルが低いからです。また、仕様書に定めた業務に限られる業務委託と異なり、より幅広く、柔軟にアイデアや助言をいただくことも期待しました。優秀な人材を受け入れるには、広範かつ適切に募集を行うことが重要なため、募集等に関する支援業務について企画提案を実施し、みらいワークスに委託することにしました。

―実際にどのくらいの応募があったのですか。

 令和2年6月19日から約3週間、みらいワークスが提供する複数の人材サービスやSNSを通じて募集した結果、予想を大きく上回る616人が応募してくれました。このなかから、「プロモーション」「DX」「地域防災」の3分野で、「戦略マネージャー」として計5人を登用することになりました。AIスタートアップの地域統括や外資系コンサルティング会社の役員など、いずれも知見や経験が豊富な人材です。こうした優秀な方々自身、地域に貢献したいとの想いが強いことが分かり、非常にうれしく感じています。

従来の枠組みにとらわれない、斬新なアイデアを得られる

―戦略マネージャーはどのように活躍しているのですか。

 直接市役所に来てもらったり、Web会議でミーティングをしたり、月に複数回、各分野における助言を得ています。たとえば、地域防災分野では、地域での研修会の進め方に対する助言を得たり、市民向けの研修会で講演してもらったりしています。いずれの分野も、既存の行政の考え方や枠組みにとらわれない柔軟で斬新なアイデアを得られ、市の職員にも良い刺激となっています。

―人材の活用に関する今後の方針を聞かせてください。

 各分野とも、戦略マネージャーたちには市役所に新鮮な風を吹き込んでいただいています。今後もさまざまなカタチで多様な人材を活用していければと考えています。

支援企業の視点
都市部に集中する「プロ人材」が、地方行政に新風を吹き込む
インタビュー
岡本 祥治
株式会社みらいワークス
代表取締役社長
岡本 祥治おかもと ながはる
昭和51年、神奈川県生まれ。平成12年、慶應義塾大学理工学部を卒業後、アクセンチュア株式会社に入社。その後、ベンチャー企業を経て、47都道府県を旅する過程で「日本を元気にしたい」という想いが強くなり、起業を決意。平成24年、株式会社みらいワークスを設立し、代表取締役社長に就任。平成29年に同社の東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たす。

―自治体における、副業・兼業人材の活用状況について聞かせてください。

 まだまだ事例は限られますが、民間の知見を活用したい行政の分野で、コストを抑えつつ、専門知識を必要なぶんだけ取り入れられる手段として、注目が高まっています。招き入れるのは個人になるので、特定の事業者に業務を委託するよりも中立的な立場で、助言や支援を得られるのもメリットと言えます。

―副業・兼業人材の活用を成功させるポイントはなんでしょう。

 人材に対する募集力と、登用後の支援が充実した企業と協働することです。たとえば当社は、プロフェッショナル人材に特化したサービスを複数展開し、その豊富なデータベースから副業・兼業人材を募集できます。このうちフリーランス人材を紹介する主力サービスでは、当社が実際に登録者と面談しており、人材のスキルを見極めたうえで紹介しています。さらに、人材募集後の法律・制度面のサポートや、その人材がパフォーマンスを発揮できているか、人材や自治体側と継続的に面談するなどの支援も行っています。

―自治体への今後の支援方針を聞かせてください。

 「プロ人材」の起用支援を通じ、地方の自治体の生産性を高めるお手伝いをしていきます。都市部との間にある生産性の格差を縮めるには、都市部に集中するプロ人材を地方に呼び込み、新たな風を取り入れることが近道です。テレワークを含む働き方の多様化が進むなか、人材に特化したサービスで自治体の課題解決を支えていきたいですね。

株式会社みらいワークス
設立

平成24年3月

資本金

2億1,208万3,000円(令和2年9月30日現在)

売上高

41億5,500万円(令和2年9月期)

従業員数

94人(令和2年9月30日現在)

事業内容

プロ人材採用・調達支援

URL

https://www.mirai-works.co.jp/

お問い合わせ先
03-5860-1835(平日10:00〜18:00)
gmj@mirai-works.co.jp
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