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先進事例2015.03.29

【龍ケ崎市】議事録の公開速度を2分の1にできた理由と3つの成果(音声認識技術活用の事例)

【龍ケ崎市】議事録の公開速度を2分の1にできた理由と3つの成果(音声認識技術活用の事例)

茨城県龍ケ崎市 の取り組み

議事録作成のシステム化

【龍ケ崎市】議事録の公開速度を2分の1にできた理由と3つの成果(音声認識技術活用の事例)

総合政策部 情報政策課 参事兼課長 永井 正

全国の自治体にとって、住民に情報を公開することは重要な取り組みのひとつ。なかでも議事録の作成は、正確性もさることながら公開のスピードも求められるため、対応に苦慮する自治体は多い。早くから積極的な情報公開に取り組んできた龍ケ崎市はどのような対応を行っているのか。担当者と協力企業に詳細を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.2(2015年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

茨城県龍ケ崎市データ

人口: 7万8,972人(平成27年3月1日現在)世帯数: 3万2,366世帯(平成27年3月1日現在)予算規模: 409億2,130万円(平成27年度当初)面積: 78.20km²概要: 茨城県南部に位置し、取手市、牛久市、つくば市などに隣接する。東京都心部からは約50kmの場所でアクセスも便利。戦国時代には土岐氏が龍ケ崎城を治め、城下町として飛躍的発展を遂げたことで知られる。正式な地名は「龍ケ崎」だが、「竜ヶ崎駅」「竜ケ崎税務署」など多様な表記が使われている。茨城県を代表するご当地グルメ「龍ケ崎コロッケ」発祥の地としても有名。

住民の「知る権利」に対応し市政の透明化を促進

―龍ケ崎市では積極的に情報公開を行っているそうですね。理由を教えてください。

住民の「知る権利」がクローズアップされ、情報公開のニーズがますます高まっているからです。当市は平成10年に情報公開制度を施行して以来、より多くの情報を速やかに住民に伝える努力を続けてきました。市議会本会議や各審議会にくわえ、2年前からは内部会議や検討会議などの議事録公開を開始。これまで公開していなかった情報も積極的に公開することで、市政のさらなる透明化を推し進めています。

―従来は、どのように議事録を作成していたのですか。

主要な会議は速記を外部に委託していたほかは、事務局や担当課の職員がイチから録音テープを聞き、パソコンで文字を起こしていました。議事録は出席者の発言を一言一句、正確に作成する必要があるので手間がかかる。そのため、内部で作業をすると、公開まで時間がかかっていたのです。

また、職員への負担も課題でした。やむを得ず残業する場合もありますし、本来の業務に支障をきたしてしまう。とくに政策部署に会議が多く、肝心の政策立案に間が取れないのは市政としても見逃せない問題でした。そこで、もっと現場負担が少なく、かつスピーディに議事録を作成する方法を模索していたのです。

年間100近くの会議に システムを活用

―民間のシステムを採用したそうですが、導入の経緯を教えてください。

インターネットで情報を収集していたところ、音声を認識して文章化する技術が昔と比べて飛躍的に向上していることを知りました。それが、民間企業の音声認識システムだったのです。実際にデモを見たところ、非常に音声認識の変換率が高く、少ない編集作業で議事録を作成できることがわかりました。多くの自治体で活用している実績もあり、平成25年から導入することにしたのです。

―どのような効果がありましたか。

まず、議事録公開までのスピードが圧倒的に速くなりました。以前はどうしても1ヵ月ほどかかっていたところを、約半分に短縮できています。

さらに、職員負担の軽減にも貢献しています。当市では年間に200以上の各種会議を開催していますが、約半分の100近くに同システムを導入。作成時間や負担だけでなく、作業にかける人件費の削減にもつながっています。

―今後の民間サービスの活用方針を聞かせてください。

龍ケ崎市役所の職員数は、ピーク時の約7割程度です。ですから今後もITなど、民間のサービスを利用したいと考えています。結果、職員がより政策立案に専念できる環境づくりを進めたいと思います。

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