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データ利活用 自治体事例|盛岡市、飛騨市、奈良市、高知県
先進事例2026.09.14

データ利活用 自治体事例 #子育て・教育|子育て環境の充実、博物館資料のデータ化、AI学習ドリルのスタディログ活用、学習履歴集約で「個別最適な学び」

データ利活用 自治体事例 #子育て・教育|子育て環境の充実、博物館資料のデータ化、AI学習ドリルのスタディログ活用、学習履歴集約で「個別最適な学び」

盛岡市、飛騨市、奈良市、高知県のデータ利活用 自治体事例 #子育て・教育

現在、国はもちろん地方公共団体においてもEBPM(証拠に基づく政策立案)の取り組みが推進されており、地方自治体が抱えている現状や政策課題を的確に把握し、有効な対応策を選び、その効果を科学的に検証するため統計データの利活用が注目されています。

そこで、地方公共団体との共同研究や民間ビッグデータ活用等の委託研究などデータ利活用に関する先進的な研究を実施している総務省統計局 統計データ利活用センターが作成している「統計データ利活用事例集」より、データ利活用を通じて課題解決や政策実現などを実現した自治体事例を抜粋して概要を紹介します。

同事例集は「Data StaRt Award~地方公共団体における統計データ利活用表彰~」に応募した地方公共団体の協力を得て統計データ利活用センターが作成しています。

今回は、盛岡市(「子育ての楽しさとつらさ」を毎年調査)、飛騨市(収蔵資料を「データ化」する博物館)、奈良市(AI学習ドリルのスタディログを活用した教員および児童生徒への支援)、高知県(分散する学習履歴をスタディログダッシュボードに集約、「個別最適な学び」を実践)の子育て・教育におけるデータ利活用自治体事例です。

「子育ての楽しさとつらさ」を毎年調査|盛岡市

岩手県 盛岡市では、時代の変化に応じた施策を策定するため「子育ての楽しさとつらさ」に関する項目を毎年調査し、子ども・子育て施策評価の指標としています。

今回の取り組みでは、この指標に着目して、子育ての楽しさを維持し、つらさを軽減するために有効な施策とは何かを検討し、①本市の現状、②子育て中の保護者の現状、③子ども・子育て支援活動―これらの分析を総合し、政策提言を行いました。

①については、本市の現状分析として近隣の県庁所在地と比較検討を行い、医療費控除の年齢・収入制限の有無、施策の数や質、子どもの出生率や現状の保育所数では、本市が比較的整備されていることを明らかにしました。

②については、子育て中の保護者の現状分析から、市内の子育て世帯の4分の3以上が核家族であること、女性の就労割合が全国平均より高いこと、子ども数が子育ての楽しさとつらさのいずれにも影響することを明らかにしました。

③については、子ども・子育て支援活動の分析から子育て支援団体による情報発信の課題は「生活困窮世帯やひとり親など対象者が限られた活動の周知方法」「主催者の苦手意識」「参加者が増えすぎる不安」これら3点であることを明らかにしたほか、行政(市)に求めることは、「支援が必要と思われる子どもや家庭に関する情報共有」「活動の健全性、有用性の保証」「ニーズに関する情報共有の機会」「教育機関との連携」であることを明らかにしました。

以上の結果を総合的に考察し、「“働く・休む・預ける”の充実にかかわる施策」「子育て支援ネットワークの構築と情報発信」の2点から政策提言をしました。

取り組みの内容

目的
・子育ての楽しさを増大させ、つらさを低減させる子ども・子育て施策を提案することで盛岡市の子育て環境のより一層の充実
データの活用方法
・近郊都市、同規模都市と盛岡市の子育て環境指標の比較=e-Stat(政府統計の総合窓口)を活用し、各種人口データからグラフ作成の上、子育て環境に係る要素について比較分析
・子育ての楽しさやつらさと子育て観、個人の属性の関連の検討=「子育てに関するアンケート」(市独自調査)データについて、プログラミング言語R、統計ソフトSPSS、Amos、KHCoderを活用した各種分析(因子分析、t 検定、パス解析、共起ネットワーク)を行い、市民の子育て意識と各種パラメータの相関を分析
利用したデータ
・国勢調査(e-Stat利用によるグラフ化)
・人口動態調査(同)
・出生動向基本調査(同)
・住民基本台帳
・市民アンケート(市独自調査)
・「子育てに関するアンケート」(同)

取り組みの効果・成果

世帯収入や居住地区、家族構成よりも子ども数が子育ての楽しさとつらさの変化に相関があることを指摘し、比較的支援の手が薄くなりがちな多子世帯への支援を検討する一助となりました。

調査成果をまとめた研究報告「盛岡市における子育てのあり方について~保護者の子育ての楽しさ・つらさと子ども・子育て支援活動に着目して~」より

収蔵資料を「データ化」する博物館|飛騨市

岐阜県 飛騨市は「飛騨市みやがわ考古民俗館」に収蔵されている石棒や縄文資料などの収蔵品を、関係人口などの協力の元で3D データ化し、さまざまな場面で利活用するとともに、オープンデータとして自由な利活用を推進しています。

取り組みの内容

目的
・学芸員や管理人が不在でも開館できる体制の整備やオープンデータによる自由な利活用
データの活用方法
・3DデータをVR空間で活用
・3DデータをGIGA端末を用いて学校授業で活用
・オープンデータとして自由な利活用を推進(2024年4月現在900本あまりを公開し、市の人口を超える4万人が閲覧)
・IoT機器の活用による無人開館の実現
統計データを利活用したことによるメリット
収蔵品をデータ化することでオンライン配信が可能となり、博物館の「見える化」につながったほか、データ化の過程そのものをイベントにすることで、交流の場や資料に対して愛着を深める場となり、関係人口の創出につながりました。
また、オープンデータ化により、有識者間で公開情報の在り方にまで意見交換が可能になりました。

取り組みの効果・成果

収蔵資料情報のデータ化と公開を関係人口とともに実施したことにより、来館者は令和6年度には、飛騨市合併20年で最多の848名となり、8年前の10倍となりました。
また、石棒3Dデータは令和6年4月現在4万閲覧を越えているほか、全国の小規模ミュージアムの先進事例として、各種メディアで取り上げられました。
さらに、取り組みや活動に賛同する方々からふるさと納税を通じた寄附も受けており、隣接する市指定文化財「中村家」の保存活用事業に対して、令和5年12月末までに約6,200万円が集まりました。

収蔵資料を3Dデータ化している様子

AI学習ドリルのスタディログを活用した教員および児童生徒への支援|奈良市

奈良県 奈良市では、小学校3年生から中学校3年生を対象に導入しているAI学習ドリル「Qubena(キュビナ)」のスタディログを活用し、ダッシュボードを作成。これにより、教員にとっては授業計画の立案や個に応じた指導の充実を図り、児童生徒にとっては自分自身の学びを振り返り、次にどのような学習を行うかという自立的な学習者となるための支援を行いました。個別最適な学びを推進することを目的に、スタディログのマイページ化も実施しました。

児童生徒用ダッシュボード画面の例

取り組みの内容

目的
データを活用した質の高い教育の提供
利用したデータ
児童生徒のスタディログ
統計データを利活用したことによるメリット
経験と勘で対応していたものをデータを基に授業を作ることで、経験年数が少ない教員でも効果的に授業を作ることができました。

取り組みの効果・成果

データに基づく教育を実践することで、個別最適な学びを実現できたという意見が上がっています。

教師用ダッシュボード画面の例

分散する学習履歴を集約、「個別最適な学び」を実践|高知県

高知県では、全国学力調査、県版学力調査、民間事業者の提供するデジタルドリルの学習データなど、児童生徒の学習履歴を集約するスタディログダッシュボードを県で独自に開発。学習履歴を基に児童生徒の「個別最適なまなび」の実践を教員がサポートしています。

取り組みの内容

目的
・児童生徒が自身の学習履歴のデータを基に「個別最適なまなび」を実践すること、および、教員がそれを促し、サポートできること
データの活用方法
学力調査の結果やデジタルドリルの学習履歴といったデータを活用し、児童生徒が自身の学びの状況について振り返り、教員はこうしたデータを根拠に児童生徒に声かけを行ったり、指導の内容を調整します。
統計データを利活用したことによるメリット
県立高校での実証において、児童生徒からは「学習の振り返りで達成率が上がっていくとモチベーションアップにつながった。紙媒体での学習と異なり、デジタルで日々蓄積されたデータが可視化されることで、変化が見られるのが良かった」との声がありました。
教員からは「教員間でデータを共有することで、担当する教科の垣根を越えて、他の教科の内容を用いて褒める、相談に乗れることにつながった。データに基づく裏付けのある褒める材料があることで、円滑な生徒支援につながる」との声がありました。

取り組みの効果・成果

GIGAスクール構想で整備された1人1台タブレット端末を活用した教育DXの取り組みを進め、令和6年度より、県内の全公立学校で利用可能な独自の学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」にて、児童生徒が自身の教育データを活用して自分に最適な学びを実践できるよう、サポートツールとなるスタディログダッシュボードの提供を開始。スタディログダッシュボードを使った学習の進め方が分かるマンガ「かなえる! かんみちゃん」もネットで公開しています。

「かなえる! かんみちゃん」を閲覧できるサイト「データをまなびに活かそう! より

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