【公文書のデジタル化】信用性の高い「当事者型」の電子署名は、業務変革に不可欠で有効な手段に
(GMOサイン行革DX 電子公印 / GMOグローバルサイン・ホールディングス)

.png)
※下記は自治体通信 Vol.76(2026年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
近年、DX推進の機運の高まりや法令の改正などを背景に、自治体における電子署名の活用シーンは急速に拡大している。埼玉県では、こうした潮流をいち早くとらえ、文書管理システムの刷新とともに電子署名の活用に積極的に取り組み、着実に成果をあげているという。取り組みの経緯や、現在の活用状況などについて、同県を支援したGMOグローバルサイン・ホールディングス(以下、GMO社)の牛島氏も交え、埼玉県情報システム戦略課の吉田氏、総務事務センターの加川氏に聞いた。



「電子化」そのものをゴールとしない
―埼玉県では、どのような方針で電子化を進めてきましたか。
吉田 電子化の取り組みが加速したのは、令和元年に大野知事が就任し、ペーパーレス化を強く打ち出したことが大きな契機となりました。会議室や各部署にモニターを設置し、知事室への紙の持ち込みを禁止するなど、強力なトップダウンで意識改革が進められています。ハード面では、庁内へのWi-Fi導入や、閉域SIMを活用した端末の配備など、どこでも業務ができる環境が整いました。
システム面では、令和2年度に「基幹系業務システム等最適化計画」を開始し、紙を無くしてデジタルで完結する仕組みづくりに着手しました。そして令和3年から財務会計システムと文書管理システムの再構築に着手し、デジタルを前提とした業務へと大きく舵を切りました。
―システムの再構築においてはどういったことを重視しましたか。
加川 ペーパーレス化を徹底するため、新たな文書管理システムには電子署名法に適合し長期保存に対応した仕組みを組み込むことが必須でした。ただし、単純にこれまでの手続きを電子化すればいいわけではありません。署名や印が本当に必要であるならば、その本来の役割や証拠力をデジタルでもしっかりと担保する必要があります。電子化そのものをゴールとするのではなく、それを前提として一連の業務の進め方そのものを変革していく「タスク・トランスフォーメーション」へつなげていくことこそが、取り組みの目的です。
牛島 コロナ禍や法令の整備などを経て、官民問わず電子化の機運は高まっていますが、実際は文書を単に電子化することだけで満足してしまうケースが少なくありません。私たちは、電子化の先でいかに業務を変革していくかという議論こそが大切だと思っています。システムと電子署名の連携を含め、その先にある業務プロセスの変革までを見据えた埼玉県の考え方はとても先進的であり、非常に印象深く、共感を覚えました。

条例公布時の首長署名や、県報などに電子署名を活用
―埼玉県ではそこから、どのように電子署名を導入したのですか。
加川 令和5年度の入札によって選定されたベンダーとシステム構築を進める過程で、具体的な電子署名サービスの検討を行いました。埼玉県の文書管理システムは全庁で利用するインフラであるため、サービスの選定にあたっては高い安定性と豊富な実績を特に重視しました。そこで候補にあがったのが、GMO社の電子公印サービスでした。本県と同等規模以上の自治体を含む多くの導入実績を持ち、安定した運用が期待できる点を評価し、導入を決定しました。
―どのような技術的な特徴があるのですか。
牛島 電子署名には大きく「立会人型」と「当事者型」という方式があり、当社はいずれも提供できます。ただ、立会人型はメール認証を用いる方法であるため、電子署名の付与が文書管理システムだけで完結しません。そこで、システムベンダーと連携し、システム上で完結できる当事者型の電子署名を付与する仕組みを構築しました。タイムスタンプと組み合わせることで、文書の真正性を担保できる仕組みになっています。
―電子署名の活用状況を教えてください。
加川 令和7年4月に新たな文書管理システムの運用が始まり、まずは知事印に相当する知事名の電子署名を導入しました。同月には、国の官報について電子署名とタイムスタンプを付与した電子データを正本とする「官報の発行に関する法律」が施行されました。本県もこの法律にならう形で、PDF版の県報に電子署名を付与し、これを正本とする運用を始めました。また、「地方自治法」の改正によって条例公布時の首長署名に電子署名が認められたことを受け、令和8年4月からは、条例公布時の公布文への署名に、GMO社のサービスを利用して電子署名を付与しています。
吉田 電子署名の活用は庁内にとどまりません。県の公設試験研究機関である埼玉県産業技術総合センターが企業に発行する試験成績書をPDF化し、電子署名を付与する取り組みも始まっています。発行件数が多い文書のため、行政内に限らず、企業に向けてデジタル化の機運を醸成する意義もあると考えています。
業務変革の成果を、県民サービスの向上へつなぐ
―今後の電子化に向けた方針を聞かせてください。
吉田 今後は業務の進め方を根本から見直し、コストダウンを図りながら県民サービスへ還元していくことが重要です。そのうえで、本県が導入した信用性の高い当事者型の電子署名は業務変革に欠かせない有効な手段です。まずは本当に押印が必要な文書の仕分けを進めたうえで、真に信用性が求められるものに対して適材適所で電子署名を導入することで、単なる「ハンコの置き換え」にとどまらない、タスク・トランスフォーメーションの実現を目指します。
加川 電子署名の活用を広げていくには、年度末の人事異動や組織変更に伴う手続きなど、運用面の課題をいかにシステマチックに解決できるかがカギとなります。スムーズなデータ連携に向け、GMO社にはさらに自治体独特の実務に寄り添ったサービスへと進化してもらえることを期待しています。
―GMO社としては、こうした動きをどう支援していきますか。
牛島 先進的な改革を進める埼玉県の考え方や運用の工夫からは、我々としても学ぶところが大きいです。今回いただいたご要望や運用の課題といった貴重な知見を、今後の機能や技術へとしっかりと反映させ、より自治体業務にフィットするサービスへと進化させていきます。自治体行政においてデジタル化が進むことは、ひいては住民サービスの向上に直結するものと確信しています。今後も自治体のみなさんに伴走支援を続けながら、デジタル変革の輪を全国へと広げていきたいと考えています。
ここまでは、埼玉県におけるペーパーレス化の方針や、文書管理システムへの電子署名導入の経緯などを見てきた。ここでは、公印の管理や県報の発行などを担う文書課の渡邉氏に、電子署名の活用や実務における導入効果を聞いた。

文書の持ち込みや回収など、物理的な手間がなくなった
―文書課における電子署名の活用状況を教えてください。
現在、知事印押印の代替や県報の発行などに、電子署名を活用しています。単に知事印や文書を電子化するだけではなく、それらに電子署名を付与することで、「誰が、いつ作成したか」という客観的な証明が残るようになります。そのため、万が一改ざんがあっても検知が可能となり、公文書として受け取る県民や事業者からの信頼性も高まると考えています。現在、特に事務負担の軽減効果を感じているのは、条例公布時の知事署名の活用です。
―詳しく聞かせてください。
GMO社のWebサービスを通じて文書課から依頼することで、知事はオンライン上で電子署名を付与できるようになりました。条例公布時の首長署名の電子化については、「長自らが電子署名の措置を講ずるものであること」という留意点が国の技術的助言として示されているため、直接署名処理を行う運用としています。それでも、議会開催後における、多いときには数十件にのぼる公布文の書類を持ち込み、知事が何枚も自筆で署名していたころに比べると、Web上で内容を確認してオンラインで署名できるのは非常に効率的です。
―電子署名の活用拡大に、どういったことを期待しますか。
近年、文書課が審査し知事印を必要とする文書は年間約2万4,000件にのぼります。電子署名を導入した令和7年度は、そのうち約1,000件に活用しました。全体から見ればまだ一部ですが、電子化によって決裁から施行に至るまでの印刷や、庁内での文書の持ち込み・回収や文書の郵送といった物理的な負担がなくなるとともに、時間的な短縮にもつながります。現在は電子署名活用の過渡期にありますが、所管課が希望すればいつでも利用できる環境にあります。公文書をめぐる全庁的な事務負担軽減や、県民サービスの向上に向けた技術的な基盤構築が進展したと思っています。

これまで紹介した、埼玉県の文書管理システム刷新に伴う電子署名導入の取り組み。この取り組みを支援したGMO社によると、電子署名の活用シーンは契約や処分通知から広く「公文書」へ拡大し、自治体のDX推進を後押しする環境が整ってきているという。その詳細や、電子署名活用のポイントについて、同社の入江氏に聞いた。

本人性と存在の証明により、非改ざん性の証明が可能に
―自治体における電子署名の活用状況をどのように見ていますか。
近年、自治体における電子署名の導入は着実に進んでいます。これまでは、契約や処分通知など特定の相手方に向けた文書への活用が先行していましたが、最近では公報や告示文書、公示送達といった、不特定多数が閲覧する公文書への活用に関心を持つ自治体が増えています。背景には、令和7年施行の「官報の発行に関する法律」による国の官報電子化に加え、告示や公示送達のデジタル化を可能にした法整備などがあります。複数の制度改正が重なり合う形で、自治体のペーパーレス化の機運を後押ししています。
―そうした公文書に電子署名を活用するに当たり、どういったことに留意すべきでしょう。
重要なのは、公文書に不可欠な「真正性」を担保することです。そのためには、間違いなくその人物が発行したという「本人性」の証明と、その文書がいつ発行されたという「存在」の証明を行う必要があります。電子署名による本人性証明と、タイムスタンプによる存在証明を組み合わせることで、「その時刻からデータが一切書き換えられていない」という非改ざん証明が可能になり、文書の真正性は担保されます。そこで当社では、契約の締結にとどまらず、電子署名を庁内のあらゆる公文書に活用いただくための基盤として、真正性を確実に満たす電子公印サービス『GMOサイン行革DX 電子公印』を提案しています。

―どういった特徴がありますか。
信用性の高い当事者型の電子署名とタイムスタンプを同時に付与できる点です。当社は電子認証局とタイムスタンプ局をグループ内で一体運営しているため、法改正などにもスピーディに対応できます。また、電子署名を付与する際にハードウエアを必要としない「リモート型」のため、LGPKI*と異なり、カードリーダーやUSBメモリが不要で利便性も確保されます。災害時やテレワーク環境、外出先からでも場所を選ばずに署名処理が実行できます。さらに、地方自治法の改正で利用が認められた、条例公布時の首長署名にも対応しています。
*LGPKI : 地方公共団体組織認証基盤
柔軟な拡張性で目指せる、業務の「デジタル完結」
―具体的に聞かせてください。
自治体にとって馴染み深いLGPKIはあくまで「職責」を証明する仕組みであり、首長の「個人名」情報が含まれていません。条例公布時の首長署名には、長個人の本人性が求められるため、総務省の通達においてもLGPKIの利用は対象外とされています。当社の『GMOサイン』が発行する電子署名は、デジタル庁、法務省、財務省により電子署名法第2条第1項に適合すると認められており、確実な本人性を担保できます。この確かな適法性を背景に、すでに茨城県や福井県などで条例公布時の首長署名として導入されています。
―今後、どのような方針で自治体を支援していきますか。
庁内全体のあらゆる公文書の信頼性を担保しながらデジタル化を支える総合的な電子署名のプラットフォーマーとして、自治体を支援していきます。『GMOサイン』は、メール認証による立会人型への対応や、文書管理をはじめとする既存システムとのシームレスな連携など、柔軟な拡張性によって行政業務の真の「デジタル完結」を支援します。ぜひお気軽にお問い合わせください。

.png)
| 設立 | 平成5年12月 |
|---|---|
| 資本金 | 9億1,690万円(令和7年12月31日現在) |
| 売上高 | 206億7,000万円(令和7年12月期) |
| 従業員数 | 社員962人(令和7年12月31日現在) |
| 事業内容 | 電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業、DX事業 |
| URL |

.png)

260805%20(1).png)
