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先進事例2026.08.03

主権者教育 自治体事例|自主性・創意工夫を尊重した高校生議会、「子供議会」開催前に議員による事前学習授業を実施

主権者教育 自治体事例|自主性・創意工夫を尊重した高校生議会、「子供議会」開催前に議員による事前学習授業を実施

岡山県議会、小川町議会の主権者教育 自治体事例

主権者教育は、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくものとして、子どもたちが地域の課題について議論する中で民主主義や地方自治について学ぶ機会にもなっています。

こうした中、議会や議員の重要性が改めて認識されるよう令和5年4月に地方自治法が改正され、地方議会の役割及び議員の職務等が明確化されました。

この改正を踏まえ、全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会では、議会への関心・理解を高め、多様な人材の参画を促すために、主権者教育を国民運動として進めており、そのひとつとして、議会が主体的に行う主権者教育の取り組みをまとめた事例集「地方議会が進める主権者教育事例集」を発行しています。

ここでは主権者教育の自治体事例を同事例集より抜粋して紹介します。今回は、岡山県議会、小川町議会の主権者教育自治体事例です。

自主性・創意工夫を尊重した高校生議会|岡山県議会

岡山県議会は、高校生を対象にした模擬議会「岡山県高校生議会」を実施しています。

参加申込みをした全ての学校が参加可能で、議会だけでなく、執行部、教育委員会、選挙管理委員会も含めた県全体として、高校生議会を開催しています。

参加校から事前に提出された質問に対して、常任委員長が答弁し、高校生議員からの質問では図表の活用等を認め、持ち時間内であれば複数回の再質問も可能など、自主性・創意工夫を尊重しています。

平成31年4月執行の岡山県議会議員選挙で投票率が過去最低となったことに危機感を抱いた当時の議長が、議会改革の取り組みのひとつとして高校生議会の開催を提案しました。

開催内容(令和5年12月の例、抜粋)

参加者:高校生(70名)、岡山県議会議長、副議長、各常任委員長・副委員長、各特別委員長・副委員長、知事、教育長・教育委員、警察本部長、選挙管理委員長

日程:高校生議会議長の指名、各校の質問および委員長答弁(第1部、第2部)

岡山県議会が実施した「岡山県高校生議会」の模様

工夫点・留意点

県全体としての開催
議会だけでなく、執行部、教育委員会、選挙管理委員会も主催者であり、県全体として高校生議会を開催しています。

申込みをした全ての学校が参加可能
募集に当たって、1校当たり1グループ(5名以内)に制限していますが、その範囲内であれば選抜は行わず、申込みのあった全ての学校に参加してもらいます。

図表の活用等、高校生による創意工夫
図表やグラフ等の資料を示して質問を行うなど、質問内容や質問の仕方について、高校生による主体的な創意工夫が行われています。

開催後アンケートの実施
開催後に、県政や県議会への関心、理解等についてのアンケート調査を行い、その結果を次回開催に活用しています。

実施状況等の広報
当日の様子等がわかるよう、県議会HPに報告書や録画配信などを掲載しています。

可決した提言(議案)の所管事務調査
「高校生議会」で可決した提言(議案)は、所管常任委員会で所管事務調査を実施しています。

取り組みの効果

開催後に実施しているアンケート調査の結果では、参加高校生のほとんどから「参加して良かった」「県政や県議会への関心や理解が深まった」といった意見が寄せられています。

「子供議会」開催前に議員による事前学習授業を実施|小川町議会

埼玉県 小川町議会は、教育委員会と連携し、同委員会主催の「子供議会」の開催前に事前学習授業として議員による出前講座を実施しています。

町内全小中学校が対象で、全議員が分担して出向き、町民が選挙により議員を選ぶ仕組み等について説明するとともに、必要に応じて

教員から児童・生徒へ問いかけを行ってもらうなど双方向の授業展開を図っています。

令和4年10月18日に予定されていた教育委員会主催の「子供議会」(数年に1度)に向け、教育長から議員の出前講座について議長に出前講座の依頼がありました。

「子供議会」は町内小中学校から18人の子供議員が選出されますが、子供議員だけでなく、多くの児童・生徒が関わる形で町議会議員に質疑・質問をすることにより地方自治を学ばせたいとの教育現場の意向を受け、連携して出前講座を実施することにしました。

開催内容(令和4年度、抜粋)

回数:13回(7月4日=小学校2回、7月5日=小学校1回・中学校1回、7月6日=小学校、7月7日=小学校2回、7月8日=中学校、7月12日=中学校2回)、7月15日=中学校3回)

小川町議会が実施している出前講座の様子

工夫点・留意点

授業の均一性確保に配慮し資料作成
授業で使用した資料は、埼玉県議会が小学生の県議会見学用に作成したパネルデータの提供を受け、「皆さんと町議~町議会の仕事~」という模造紙1枚の図解資料で、各議員が統一して使用することにより授業の均一性を確保しました。
また、議員全員のメッセージ資料「皆さんの未来のために小川町議会16人頑張っています!」を作成し、全児童・生徒に配布しました。

出前講座の進め方を工夫
学年や学習状況に合わせ、わかりやすい説明とするよう意識したほか、出前講座の全時間を議員が使うのではなく、必要に応じて教員から児童・生徒への問いかけを行ってもらうなど双方向の授業展開を意識しました。

政治的中立性の確保
議員は所属の政党や会派の主張を出さず、政治的中立性を確保しながら質疑に対応しました。

議会広報紙への掲載・配布

議会広報紙「おがわぎかい」では子供議会特集を組み、出前講座写真の掲載や子供議会の一般質問および担当教員、保護者のコメントを掲載し、広く町民にお知らせするとともに、学校にも配布しました。

取り組みの効果

中学生からは「公民の授業の前に理解を深められた。肌で感じられた」「これまで議会や政治に興味がなかったが、議員の話を直接聞いて興味が出た」等の感想が寄せられ、地方自治を身近に感じてもらえる場となっています。

質疑応答では、選挙費用や支持層、議員の仕事や報酬などの質問が出たほか、町の事業内容など町政全般について活発な質問・要望があり、各議員が交代で丁寧に回答。議員としても自らの議員・議会活動に生かせる貴重な場となっています。

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