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東京都台東区の取り組み
先進事例2026.04.28
児童相談業務におけるICT活用

【児童相談・システム】対面相談にタブレット端末を活用し、児童・保護者に最適な支援を届ける
AiCANサービス / AiCAN

[提供] 株式会社AiCAN
【児童相談・システム】対面相談にタブレット端末を活用し、児童・保護者に最適な支援を届ける(AiCANサービス / AiCAN)
この記事の配信元
株式会社AiCAN
株式会社AiCAN

※下記は自治体通信 Vol.73(2026年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

子ども本人や保護者、近隣住民などから寄せられる児童相談のなかでも、特に「虐待」など深刻な内容のものについては、迅速かつ的確な対応が自治体に求められている。台東区(東京都)の日本堤子ども家庭支援センターでは、対面相談に「タブレット端末」を活用する新たな取り組みを進め、そうした対応ができる体制の構築を図ったという。同センターの担当者2人に、取り組みの詳細とそこで得られた効果などを聞いた。

[台東区] ■人口:21万7,537人(令和8年3月1日現在) ■世帯数:13万8,581世帯(令和8年3月1日現在) ■一般会計予算:1,532億円(令和8年度当初案) ■面積:10.11km² ■概要:区名の「台」は上野の高台を、「東」は上野台の東に位置する浅草を表している。江戸時代より商工業の中心地の一つとして、比較的小規模な手工業や製造業、それらの流通を担う問屋・卸売業の集積地として発展し、現在も皮革産業、伝統工芸、ジュエリーなどの地場産業が集積している。上野のアメ横、浅草の仲見世、谷中銀座、御徒町のジュエリータウンなど、特徴ある商店街が多い。
インタビュー
田畑 俊典
台東区
区民部 子ども家庭支援センター長
田畑 俊典たばた しゅんすけ
インタビュー
田口 大介
台東区
区民部 日本堤子ども家庭支援センター 庶務担当
田口 大介たぐち だいすけ

必要な情報をリアルタイムに伝える手段がなかった

―対面相談の際にタブレット端末を活用しているそうですね。

田畑 はい。特に虐待にまつわる相談や通報があった際の対面調査で活用しています。従来は、調査終了後に職員は上長へ電話で状況を報告し、センターに戻ってから痣や打撲傷などの写真を共有して対応方針を協議していました。そこでは、調査の段階で緊急対応を要する場面があっても、判断を仰ぐために必要な情報を、職員が上長へリアルタイムに伝える手段がなかったのも事実です。児童や保護者に最適な支援を届けるために、より迅速で的確に対応できる体制の構築に向けて導入したのが、児童相談支援に特化したタブレット型アプリケーション『AiCAN』です。

田口 虐待の相談件数は全国的に増加基調で、当センターで対応している児童数は年間約700人にのぼります。約30人の職員で対処する負担は大きいうえ、職員には調査時の記録を作成する業務もあります。『AiCAN』導入の理由には、職員のそうした業務負担を軽減する目的も含まれています。

―端末をどう活用していますか。

田畑 職員は、調査時の聞き取り内容を『AiCAN』に入力すれば、上長やそのほかの職員もその内容をリアルタイムに確認できます。また、写真もその場から送信でき、上長は共有された聞き取り内容や写真を基に、チャット機能で現場の職員へ迅速に的確な指示を出せます。こうしたやり取りは、『AiCAN』を使っている私たちしかアクセスできない閉域網で行われるので、安心して利用できます。

田口 記録作成については、職員はこれまでメモを見てイチからつくっていましたが、いまはタブレット端末に入力した内容を編集し、ときには音声入力機能なども活用して作成しています。また、RPAを独自に取り入れて、職員が作成した相談記録を当センターの「児童相談システム」に自動で取り込める仕組みも構築しました。

「判断の質向上」は95%

―職員の反応はいかがですか。

田畑 現在、利用開始から約半年ですが、職員アンケートを行ったことがあり、「判断や対応までの時間が短縮した」の回答割合は85%、「記録作成時間が短縮した」も85%の高水準でした。さらに、「判断の質が向上した」は95%にのぼりました。聞き取り調査や記録作成のフォーマットなどで、児童相談業務の特性が反映された特化型のソリューションのため、職員も利用しやすく効果を感じやすいのだと思います。情報共有が円滑になり、職員の業務負担が軽減される『AiCAN』を有効活用することで、児童・保護者に向き合う時間を増やし、最適な支援を届ける体制を強化していく方針です。

支援企業の視点
児童相談に特化したツールの活用で、支援に専念できる環境は生み出せる
インタビュー
永井 遥
株式会社AiCAN
営業リーダー
永井 遥ながい はるか
家庭裁判所調査官として東京家裁、札幌家裁(岩見沢支部)、さいたま家裁(川越支部)などで勤務後、令和6年に株式会社AiCANへ入社。営業チームのリーダーとして、児童相談支援事業『AiCANサービス』の導入支援に従事。

―児童相談業務の支援ツールを活用する動きは、自治体で広がっていますか。

 広がっていますね。インターネットを介さない閉域網で安心して利用でき、児童相談業務の各種サポート機能が一括搭載された特化型ツールの存在を、自治体のみなさんにようやく知っていただけるようになったと考えています。当社のツール導入は令和8年度中に約30自治体に広がる見込みです。

―特徴を教えてください。

 「円滑な情報共有」と「記録作成業務の効率化」をサポートすることで、職員が支援に専念できる環境を生み出すツールです。当社は、児童相談や児童虐待に関する研究者・臨床経験者が集まり立ち上がった会社で、開発、営業、カスタマーサクセスの各部門に豊富な専門知識を持つスタッフが在籍しています。それぞれの知見を結集させ、職員が児童虐待対応の現場で迅速かつ的確に判断できるよう支援するサービスの総称が、『AiCAN』です。台東区日本堤子ども家庭支援センターのように、児童相談システムとの併用だけでなく、帳票台帳機能を追加し、児童相談システムとして一本で利用することもできます。

―今後の方針を教えてください。

 閉域網で利用できるセキュリティの強みを活かし、業務効率化やアセスメント支援、対応方針の立案などに生成AIのサポート機能を一層広げ、支援者支援を強化したいと考えています。すべての子どもたちが安全に過ごせる社会づくりに貢献していきたいと考えていますので、ぜひご連絡ください。

株式会社AiCAN
株式会社AiCAN
設立

令和2年3月

資本金

5,000万円

従業員数

34人(令和8年2月現在)

事業内容

児童相談業務支援事業(児童福祉領域のシステム開発、データ分析、現場への伴走サポートの提供)、調査研究事業

URL

https://www.aican-inc.com/

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