《「住民からの感謝状」21通目》私の小さな「異変」に気づいて、育児の悩みを聞いてくれました

※下記は自治体通信 Vol.71(2026年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

―感謝の言葉を受け取った経緯を教えてください。
私は、子育て支援センターで未就園児とその保護者をサポートしています。感謝の言葉をくれたのは、よくセンターを利用してくれる、2歳と1歳の兄妹を持つお母さんでした。ある日、彼女にいつもの笑顔がなく、沈んだ様子に気づきました。話を聞こうと別室へ案内すると、堰を切ったように涙が流れ、「上の子が活発すぎる。下の子の世話もあり毎日疲れ果て、もう限界」と声を詰まらせたのです。「夫や両親を心配させたくない」と誰にも相談できず、孤独を感じていたようでした。私は、彼女が落ち着くまでじっと耳を傾けました。帰りには表情も和らぎ、「親身に聞いてくれて気持ちが楽になりました」と言われ、安堵しました。
―感謝の言葉の背景には、保護者に対する滝川さんのどのようなかかわり方があったと思いますか。
顔なじみとして日頃からその親子を観察していたことが大きかったと思います。だからこそ、上の男の子が大声で走り回って、お母さんの手を焼かせるのは、「大好きなお母さんの関心が妹に向く寂しさから、気を引こうとしているのかもしれない」と気づけて、提案できました。その子は決まってお母さんの目の前でいたずらをしているように見えました。そこで、私自身の保育経験をもとに、「1日5分でも、上の子と2人きりの時間をつくってみては」と伝えました。後日、「下の子が寝た後に絵本の読み聞かせをしたら、騒がしかった上の子が穏やかに聞いてくれ、私も優しく接することができました」と報告してくれて、うれしかったですね。
―今回の経験は、どう仕事に活かされていますか。
あのお母さんの様子がいつもと違うことに気づき、声かけできたのは、日頃からかかわりが深かったから。私たちが単に「職員と利用者」という関係だったら、変化を見過ごして、本音を聞き出せなかったかもしれません。そこで、誰もが顔なじみのように本音を話せる場として、企画して、令和4年度から開催しているのが「おしゃべりサロン」です。育児の悩みを語り合う間、ボランティアの方が子どもを預かってくれます。「子どもの世話から離れ、育児の話ができて救われる」と好評です。今後も「1人じゃない」と保護者が安心できる居場所づくりに努めます。


『自治体通信』では、自治体職員のみなさんが住民に感謝されたエピソードを募集しています。
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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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