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連載コラム「住民からの感謝状」
移住促進センターの相馬さんへ (那須塩原市に移住した30代男性)

《「住民からの感謝状」19通目》私の夢に伴走してくれてありがとう。那須塩原への移住を決めました

《「住民からの感謝状」19通目》私の夢に伴走してくれてありがとう。那須塩原への移住を決めました

※下記は自治体通信 Vol.68(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
業務の枠を越え住民と築く「絆」。その大切さを強く確信しました
インタビュー
相馬 祐香
那須塩原市移住促進センター
移住定住コーディネーター
相馬 祐香そうま ゆうか

―感謝の言葉を受けた経緯を聞かせてください。

 私は移住定住コーディネーターとして、移住希望者への情報提供や相談業務に携わっています。感謝の言葉をくれた男性からは、3年前から移住相談を受けていました。男性は「バスケットボールを通じた地域貢献」を夢にしていたので、私は生活情報の提供に加え、彼が所属できそうなチームがないか市内の体育館に電話したり、新しいバスケ施設を建てられそうな物件がないか不動産事業者リストを提供したりと、彼の夢を応援するつもりでサポートしました。ある日、彼は事務所を訪れ「那須塩原に家を建てることにしました」と報告し、感謝を伝えてくれたのです。

―そのような寄り添った対応の背景には、どういった想いがあるのですか。

 私はつねに、「相談者の幸せを最優先する」ことを大切にしています。那須塩原の魅力は熟知していますが、私から相談者に積極的に移住をすすめることはしません。移住は自身の決断がもっとも大事だからです。そのかわり、相談を受けた際には、たとえ担当の所管が異なっても、那須塩原市の窓口としてまずは私が責任をもって受け止めるよう心がけています。ですから、「夢を応援する」ような一見するとおせっかいともとれるサポートも、幸せな暮らしがこのまちで実現できるか、相談者とともに探るための行動でした。市の職員である私のそうした姿勢に、男性は「このまちで暮らしたい」と感じてくれたのかもしれません。

―今回の経験を得てどんなことを感じましたか。

 業務の枠を越えて住民に寄り添う姿勢が、地域への信頼や親しみを育むことにつながるのだと確信しました。以前は、職員としての立場をわきまえ、私が担当した移住者との交流は控えていました。しかし、移住者は「ここで幸せになりたい」と決めてまちに暮らし始めた人たちです。「那須塩原をもっと良いまちにしたい」という共通の想いがあるのなら、立場を意識する必要はないと気づき、最近では移住者の会などを通じて距離を縮めています。業務の枠にとらわれず住民に接することは、自治体の仕事において大切な姿勢であるはずです。今後も、まちを愛する「仲間」同士で絆を深め、一緒に那須塩原を盛り上げていきたいです。


『自治体通信』では、自治体職員のみなさんが住民に感謝されたエピソードを募集しています。
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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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