自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体向けサービス最新情報
  3. 自治体DXとは?DXを推進する前に押さえておきたい業務の見直しの進め方

自治体DXとは?DXを推進する前に押さえておきたい業務の見直しの進め方

[提供] 株式会社エスプールグローカル
自治体DXとは?DXを推進する前に押さえておきたい業務の見直しの進め方
この記事の配信元
株式会社エスプールグローカル
株式会社エスプールグローカル

2020年12月に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」が、2023年6月には「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。総務省も「自治体DX推進計画」を策定し、基幹業務システムの標準化・共通化には国が定める期限が設けられるなど、各自治体は限られた時間と予算のなかで着実に対応を進める必要があります。

一方で、国の方針を受けてシステム導入やペーパーレス化を急いだ結果、従来の業務の進め方と新しいシステムがかみ合わず、現場への定着に課題を抱える自治体も少なくありません。本記事では、自治体DXを成功に導くために欠かせない「業務の見直し(BPR)」の考え方と、その具体的な進め方を解説します。

自治体DXの本来の目的は「住民の利便性向上」と「職員の負担軽減」の両立

自治体におけるDXとは、新しいITシステムを導入することそのものを指すわけではありません。総務省の「自治体DX推進計画」でも示されているとおり、デジタル技術を活用して「住民の利便性向上」と「自治体職員の業務負担軽減」を同時に実現することが、本来の目的です。

・DXと「デジタル化」はどう違うのか

現場でよく見受けられる誤解として、「デジタル化」そのものをDXのゴールだと考えるケースがあります。両者は次のように整理できます。

概念

意味・定義

自治体での具体例

デジタイゼーション

アナログ情報の一部分をデジタル化すること

紙の申請書をPDF化する、ハンコを電子印鑑にする

デジタライゼーション

個別の業務プロセスをデジタル化すること

RPAを導入してデータ入力作業を自動化する

DX(デジタルトランスフォーメーション)

組織・文化・住民サービス全体の変革

申請がオンラインで完結し、職員の手作業による審査の負担が軽減される

システムを入れて作業を効率化するのは、あくまでプロセスの一部です。最終的には、住民サービスや職員の働き方そのものを変えていくことが重要になります。

・業務改革の土台となる「業務の見直し(BPR)」

では、こうした変革はどこから着手すればよいのでしょうか。その出発点となるのが、業務の進め方そのものを見直す取り組みです。これは一般に「BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス再設計)」と呼ばれ、既存の業務の流れや進め方を根本から点検し、組み立て直すことを指します。

DXの目的が「住民の利便性向上」と「職員の負担軽減」の両立にあるとすれば、まず見直すべきは、現在の業務に潜む無駄や重複です。非効率な業務を残したままシステムだけを導入すると、その非効率がそのままデジタル化され、かえって負担が増えてしまうことがあります。先に業務を点検し、「この業務は本当に必要か」「この承認の手順は簡略化できないか」を整理しておくことで、システム導入後の費用対効果が高まり、処理スピードの向上やミスの削減といった成果につながりやすくなります。

「システム導入ありき」のDXが招く、紙とデジタルの二重管理

私たちが多くの自治体現場を見て感じるのは、「手段の目的化」による現場の混乱です。良かれと思って導入したシステムが、かえって職員の負担を増やしてしまうケースがあります。

・二重管理がもたらす業務負担の増加

たとえば、以下のような状況は多くの現場で起こりがちです。

  • 自動化と手作業の混在:「システムで自動化するよう求められたが、元データが手書きの紙のため、結局は誰かがシステムへ手入力している」
  • 紙とデジタルの二重決裁:「電子決裁システムを導入したが、確認漏れが不安で結局は印刷して押印をもらい、後からシステム上のステータスを更新している」

こうした「紙とデジタルの二重管理」は、業務の進め方を見直さないままシステムだけを導入したときに生じやすく、導入前より作業時間が増えてしまうこともあります。

現場で起こりがちな「紙とデジタルの二重管理」

・リソース不足と前例踏襲の壁

全庁的な業務見直しを進めようとしても、自治体ならではの事情や制約が壁となることがあります。

  • 日々の業務に追われ、時間を確保しにくい:窓口対応や定型業務に追われ、現状の業務フローを棚卸しする時間が取れない。
  • デジタル人材の不足:庁内にITリテラシーが高く、業務分析まで推進できる人材が配置されていない。
  • 前例踏襲の文化:「以前からこのやり方だから」「ミスがあったら責任問題になる」といった、現状維持を望む声が根強い。

これらの壁を職員の皆様だけで乗り越え、新しい業務の流れを定着させるのは、想像以上に労力を要します。

自治体の業務見直しを進める4つの手順

自治体の業務見直しを進める4つの手順

それでは、業務の見直しを具体的にどう進めれば、無理なく改善につなげられるのでしょうか。ここでは基本となる4つの手順を紹介します。

ステップ1:現状業務の棚卸しと可視化

はじめに、各部署に散らばる業務を洗い出し、フローチャートなどに整理します。担当者の頭の中にしかない「暗黙知」を、誰もが確認できる「形式知」へ変える作業です。「誰が、いつ、何を、どのシステム(または紙)で処理しているか」を細かく可視化することで、特定の職員に依存していた業務のボトルネックが明確になり、次の改善策を立てやすくなります。

ステップ2:ECRSの原則を用いた課題抽出と再設計

可視化されたフローをもとに、無駄を削ぎ落としていきます。判断基準として役立つのが、「ECRS(イクルス)の原則」です。

視点

意味

現場での具体的な問いかけ

E(Eliminate)

排除

この集計表は本当に毎月必要なのか?やめられないか?

C(Combine)

結合

A課とB課で似たような確認をしているが、一緒に処理できないか?

R(Rearrange)

交換

承認の順番を変えることで、処理の待ち時間を減らせないか?

S(Simplify)

簡素化

フォーマットを統一して、手入力の手間を省けないか?

ステップ3:新しい業務フローの策定とツール選定

業務を簡略・標準化したうえで、「どのデジタルツールを使うか」を検討します。RPA、AI-OCR、各種クラウドサービスなどから、新しい業務フローに最も適したものを当てはめていきます。「システムありき」ではなく「業務にシステムを合わせる」という順序にすることで、現場が使える実用的な運用体制の構築ができるようになります。

ステップ4:効果検証と現場への定着

新しい業務フローを導入した後は、定期的に振り返りを行い、効果を検証します。あわせて、現場への定着も欠かせません。最初から完璧な運用を目指すのではなく、まずは小さな範囲から始め、「残業が減った」「作業が楽になった」といった小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

計画を現場で回し続けるための実行支援(BPO)という選択肢

ここまで業務見直しの手順を解説してきましたが、「進め方は理解できたものの、それを実行する人手が庁内に足りない」という点こそ、多くのご担当者様が直面する現実ではないでしょうか。

見直しの計画を描き、システムベンダーが高機能なツールを提供したとしても、それを現場で運用し続ける体制がなければ、自治体DXは計画のまま止まってしまいかねません。

こうした実行段階を支える選択肢のひとつが、定型業務の外部委託(BPO)です。たとえばエスプールグローカルでは、業務を標準化した後に残る定型的な周辺業務から、データ入力、書類の封入、コールセンター対応などをまとめて引き受けています。これにより、職員の皆様は政策判断や住民対応といった、本来注力すべき業務に時間を割きやすくなります。

よくある質問

Q. 庁内にITリテラシーの高いデジタル人材がいませんが、DXやBPRは進められますか?

A. はい、十分に可能と考えられます。初期段階では高度なIT知識よりも、「今の業務のどこに手間がかかっているか」を見つける現場の気付きの方が役立つケースが多いです。システムの選定や専門的なデータ分析については、外部のリソースを活用して知見を補うことで、職員の皆様は方針の決定や業務に集中していただけます。

Q. 「今のやり方を変えたくない」という現場の声には、どう対応すればよいでしょうか?

A. 現場の声は「仕事の進め方が急に変わることへの不安」から生まれるケースがほとんどです。新しいシステムを押し付けるのではなく、まずは「職員の負担を減らすための取り組みである」という目的を共有することをおすすめします。一部の部署でスモールスタートし、「残業が減った」という成果を作ることで、他の部署からも賛同を得られやすくなります。

Q. 業務の見直しにあたり、外部の支援を受ける場合は、どのような準備が必要ですか?

A. 特別な準備は必要ありません。業務の棚卸しや課題の抽出は、現場の職員の皆様が主体となって進めるのが基本です。そのうえで、進め方の助言やツール選定、定型業務の委託など、必要な部分だけ外部の支援を活用するとより効果的です。その際、現状の業務に関する「マニュアル」「記入様式」「組織図」や、「どの業務を誰が担当しているか」という大まかな役割分担が整理されていると、話し合いがスムーズに進みます。

まとめ|現場に寄り添うBPRから始める、着実な自治体DX

自治体DXは、単なるデジタルツールの導入ではなく、住民サービスの向上と職員の働きやすさを両立させるための組織的な変革です。

その変革を成功させるためには、システムを入れる前に業務プロセスそのものを見直す「BPR」が土台となります。現状を可視化し、ECRSの原則で無駄を削ぎ落とし、そのうえで最適なツールを当てはめる。この順序を守ることで、初めて現場に定着し、業務負担が軽減されるという確かな結果が得られます。

一方で、日々の業務に追われる中でこれらを自力で推進するのは、ハードルが高いというケースもあります。「何から手をつければいいか分からない」「現場の人手が足りず、計画が進まない」とお悩みの際は、自治体規模や対象課・業務の大小に関わらず多数事例を有しているエスプールグローカルにご相談ください。
「小さく始めて、成功体験を積むこと」が業務改善を加速度的に進めるための第一歩となります。

引用・参考リンク一覧

株式会社エスプールグローカル
株式会社エスプールグローカル

本サイトの掲載情報については、自治体又は企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。

提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。

電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します