自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体向けサービス最新情報
  3. 第3回 子ども支援から考える、インクルーシブ施策の可能性

第3回 子ども支援から考える、インクルーシブ施策の可能性

[提供] 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    第3回 子ども支援から考える、インクルーシブ施策の可能性
    この記事の配信元
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

    前回は、多文化対応を切り口に、必要な情報や支援が住民に届きやすいことを、インクルーシブな住民サービスの基本として捉えました。年齢や国籍、家庭環境、障がいの有無などにかかわらず、必要な人に必要な情報や支援が届くこと。それは特定の分野に限らず、地域サービス全体の設計に関わるテーマでもあります。

    この視点は、子ども支援の領域でも同様に重要です。子どもや家庭をめぐる支援には、福祉、教育、体験機会、地域活動など、さまざまな入口があります。制度やサービスが個別に整っていても、それが必要な家庭に届きにくい、継続しにくい、あるいは支える側の基盤が弱いということがあれば、支援は十分に機能しにくくなります。子ども支援をインクルーシブに考えるとは、支援メニューの有無だけでなく、利用しやすさや続けやすさまで含めて捉えることでもあります。

    こども家庭庁の「児童発達支援ガイドライン」は、本来、障害のあるこどもやその家族に対する支援を対象とした文書ですが、そこでは本人支援に加えて、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携、インクルージョンが重視されています。支援は一つの場で完結するものではなく、家庭、地域、関係機関を含めたつながりのなかで成り立つという考え方が示されています。

    この考え方は、子ども支援全般を考えるうえでも示唆的です。子どもへの支援は、本人に対する直接的な支援だけで完結するものではありません。保護者が相談しやすいこと、必要な情報にたどり着きやすいこと、生活や成長の変化に応じて支援がつながっていくこと、そして地域のなかに複数の選択肢や受け皿があることが重要になります。支援の現場だけでなく、その周辺にある導線や基盤まで含めて整えていくことが、インクルーシブ施策の一つの方向といえます。

    子ども支援について三つの観点で整理しました。

    観点① 支援の入口がわかりやすいか

    制度やサービスがあっても、どこに相談すればよいのかがわかりにくい、必要な情報にたどり着きにくい、参加のハードルが高いといった状況があれば、支援利用の最初の段階でつまずきが生じます。子どもや保護者が無理なく足を踏み入れられるかどうか、そして支援者にとっても導入しやすいかどうかが、インクルーシブな子ども支援のスタート地点になります。

    この観点に繋がるスタートアップ:

    株式会社デジリハ

    株式会社デジリハは、リハビリ・療育・教育の現場で活用されるデジタル支援ツール「デジリハ」を提供しています。公式サイトでは、デジタルアートとセンサーを組み合わせ、子どもの動きに応じた反応を通じて参加意欲を引き出す仕組みが紹介されています。また、診断・予防・治療を目的とするものではなく、日々のリハビリや療育などと併用する補助的なツールとして位置づけられています。本ツールはリハビリ専門職に加え、「どんな支援者」でも使いやすい設計を掲げているため、専門外の現場でも導入しやすく、子ども本人が「楽しい」「もっとやりたい」と感じられる参加の入口をつくります。研究・論文、学会発表に関する情報も公開されています。

    公式サイト:https://www.digireha.com/

    アソビュー株式会社

    アソビュー株式会社は、「子どもの体験格差解消プロジェクト」に関わる取り組みのなかで、体験機会への参加を支える役割を担っています。プロジェクト紹介では、自然や文化、社会に触れる体験機会を子どもたちへ届けることを目的とし、寄付の受付にはアソビュー!が活用されていること、またアソビュー!ポイント、クレジットカード、PayPayでの寄付に対応していることが示されています。誰もが日常的に使う決済手段を通じた寄付導線は、応援したい人が最初の一歩を踏み出しやすくする入口としての機能を果たしています。

    公式サイト:https://www.asoview.co.jp/

    観点② 支援やサービスを続けやすいか

    子どもの成長や家庭の状況は変化していくため、利用が一回限りで終わるのではなく、移行や併用を含めて続いていく必要があります。それが行政による公的支援であれ、事業として提供される民間のサービスや取り組みであれ、家庭がもう一度関わろうとしたときに途切れずに利用しやすいかどうかは、続けやすさの要点をなす観点です。

    この観点に繋がるスタートアップ:

    SOZOW株式会社

    SOZOW株式会社は、教育にエンターテインメント要素を取り入れた「エデュテイメント」型で、小中高向けのスクール運営や習いごと事業を展開している企業です。

    ここで触れたいのは、行政の支援メニューとして提供されるものではなく、保護者が利用料を支払う民間のサービスとして運営されているものだということです。しかし、観点②が問う「続けやすさ」という性質は、公的支援と有償サービスを問わず共通する観点であり、本節では「家庭の状況に応じて事業を継続的に利用しやすい設計になっているか」という観点として扱います。

    具体的には、小学3年生〜中学3年生対象のオンラインフリースクール「SOZOWスクール小中等部」と、通信制高校サポート校「SOZOWスクール高等部」を運営しています。公式サイトでは、カメラ・マイクをオフにして視聴のみ・チャットのみで参加する方法が用意されていること、一人ひとりにメンターがつき専任で関わり続けること、専用チャットツールでの日常的なやり取り、全国から500名以上の子どもが在籍していること、バーチャルキャンパスでの探究型プロジェクトの実施が案内されています。

    加えて、マインクラフトやデザインなどを題材にしたオンライン習いごと「SOZOWパーク」は、47都道府県から子どもが参加するサービスとして運営されています。

    転居のタイミングで対面通学が続けられなくなったケースや、学校に通えない状況が続いているケースのように、地理や通学手段の状況が変わっても関係を保ちやすい設計は、家庭の状況変化に左右されにくい継続的な関わり方の選択肢を提供します。

    公式サイト:https://sozow.com/

    SOZOWスクール:https://sozow-school.com/

    SOZOWパーク:https://sozow-park.com/

    観点③ 支援を支える基盤があるか

    現場の支援者や団体の努力だけに依存せず、参加機会の設計、情報発信、資金や運営の仕組みまで含めて整っているかどうかが、支援の持続性に影響します。個別の取り組みが長く続いていくためには、それを下支えする運営・資金・情報発信の基盤が不可欠です。

    この観点に繋がるスタートアップ:

    コングラント株式会社

    コングラント株式会社は、寄付募集ページの作成、オンライン決済、支援者管理、領収書作成などを一体で扱う寄付DXシステム「コングラント」を提供しています。公式サイトでは、創業初期の団体から中大規模の団体まで、3,000以上の認定NPO・公益法人を中心に利用されていると案内されています。子ども支援の現場では、直接的な支援内容だけでなく、それを継続するための運営基盤も重要であり、同社のサービスは、子ども支援団体を含むソーシャルセクターの活動を資金と運営の両面から支える基盤として位置づけることができます。

    公式サイト:https://congrant.com/jp/index.html

    こうして見ると、子ども支援をインクルーシブにするために必要なのは、個別の支援制度を増やすことだけではありません。支援の入口をわかりやすくし、子どもや家庭が参加しやすい場を広げ、継続のための基盤を整えることもまた重要です。上記のスタートアップに見られるように、個別支援の現場、学びや体験の機会、参加導線、運営基盤といった異なる側面から、子ども支援の届きやすさと続けやすさを支える実践が広がっています。

    子ども支援をインクルーシブに考えるとき、焦点になるのは、特定の制度や専門的支援の有無だけではありません。必要な家庭が支援の入口にたどり着きやすいか、支援や参加の機会が継続しやすいか、そしてそれを支える地域や団体の基盤があるかどうかが問われます。

    こども家庭庁のガイドラインが示す家族支援、移行支援、地域支援・地域連携の視点は、こうした課題を考えるうえで有効な手がかりになります。そのうえで民間の取り組みを見ていくと、個別支援の現場、学びや体験の機会、参加導線、運営基盤といった異なる側面から、子ども支援の届きやすさと続けやすさを支える実践が広がっていることが見えてきます。子ども支援のインクルーシブ化とは、支援を特別なものとして切り分けるのではなく、地域のなかで必要な人に届き、つながり、続いていくように仕組みを整えていくことだといえます。

    関連リンク

    こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」

    連載記事

    第1回 インクルーシブとは何か――地域・行政サービスで考える意味

    第2回 多文化対応から考える、インクルーシブな住民サービス

    参考資料

    1. こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」

    2. 株式会社デジリハ コーポレートサイト

    3. デジリハ 公式サイト

    4. デジリハ 研究ページ

    5. SOZOW株式会社 関連プレスリリース

    6. SOZOW株式会社 公式サイト

    7. SOZOWスクール 公式サイト

    8. SOZOWパーク 公式サイト

    9. アソビュー株式会社 公式サイト

    10. アソビュー株式会社 ニュース

    11. 子どもの体験格差解消プロジェクト

    12. コングラント 公式サイト

    13. コングラント株式会社 会社概要

    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    会社名伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    設立1979年7月11日
    資本金217億6300万円
    代表者名新宮 達史
    本社所在地

    〒105-6950
    東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー

    事業内容

    CTCは「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する」という使命のもと、先進のITソリューションを組み合わせ、お客様のデータ活用やデジタルトランスフォーメーションを支援するとともに、社会課題の特定や解決に努めています。
    【事業内容】 コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他

    URLhttps://www.ctc-g.co.jp/

    本サイトの掲載情報については、自治体又は企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。

    提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。

    電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します