【処分通知の電子化】「電子公印」と文書管理システムを連携、「処分通知の電子化」の効果を最大限に
(GMOサイン行革DX 電子公印 / GMOグローバルサイン・ホールディングス)

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※下記は自治体通信 Vol.74(2026年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
自治体DXの本質は、庁内業務の効率化を住民の利便性向上に直結させる一気通貫のプロセス構築にあると言えよう。宮崎市(宮崎県)では、それを体現する取り組みとして、決裁などの内部事務を電子化し、現在は対外的なやりとりの効率化も図る「処分通知の電子化」を推進している。取り組みの詳細や期待する成果について、同市を支援するファインデックスの横田氏、GMOグローバルサイン・ホールディングス(以下、GMO社)の牛島氏も交え、宮崎市総務法制課の中原氏に聞いた。



電子で申請を受け付けても、紙で事務を進める矛盾
―宮崎市が各種電子化の推進を始めた経緯を教えてください。
中原 当市では表計算ソフトを活用して文書の目録や起案を管理する運用を行っていました。しかし、年間約12万件もの起案が発生し、紙による申請や決裁の運用を続けるなかでは、公文書の適正な管理や業務効率化が急務となっていました。また、新庁舎建設に向けた書類管理や書庫スペースの削減、職員のテレワーク推進といった働き方改革への対応も重要なテーマです。そこで令和6年12月に実施したプロポーザルを経て、ファインデックス社の文書管理システムを導入し、今年2月から原則全部署を対象に起案と決裁の電子化をスタートさせたのです。

―電子化の効果をどのように感じていますか。
中原 運用開始からまだ日は浅いですが、すでに確かな手応えを感じています。特に現場から「楽になった」という声がもっとも多く寄せられているのは、決裁後の「簿冊を綴じる」という手作業がなくなった点です。従来は文書に穴を開けてファイルに綴じるという物理的な作業が負担となっていました。それが解消されただけでも電子化の恩恵は非常に大きいです。当市では市民からの申請受付の電子化は進めていますが、その後の内部決裁が紙で行われているという矛盾がありました。今回のシステム導入により、机から移動することなく事務が行えるようになりつつあり、現在はさらなる「デジタル完結」に向けて次のステップに踏み出そうとしています。

―詳しく聞かせてください。
横田 現在、宮崎市のご要望を受け、当社の文書管理システムとGMO社の電子公印サービスを連携させ、処分通知を電子化する機能の実装を進めています。処分通知の電子化はほかの自治体でも関心が高く、令和5年3月にデジタル庁からガイドライン*が発表されて以来、当社への問い合わせが急増しています。電子署名の分野で豊富な実績を持つGMO社との連携を模索していた折に宮崎市から相談をいただき、本格的な着手にいたりました。宮崎市では今秋に実装が終わり、実証実験が開始できる見込みです。
牛島 行政手続きをデジタルで完結させるためには、住民からの「申請」と庁内の「決裁」、そして最後の「押印・交付」という3つのピースをつなぐ必要があります。事業者同士が対等な立場で合意を形成する「契約」とは異なり、「処分通知」は自治体が一方的に意思決定を伝える行政処分という性質を持つため、その真正性をどう担保するかが電子化の大きな壁となっていました。しかしガイドラインが整備されたことで、民間認証局の証明書を活用した処分通知の電子交付が可能となり、導入事例は全国で着実に増えています。
*ガイドライン : デジタル庁「処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方」

カードリーダーの操作なく、信頼性ある電子署名を付与
―どのような仕組みで処分通知の電子化が行われるのですか。
牛島 当社が提供する仕組みは、クラウド上の安全なサーバに格納された電子証明書(秘密鍵)を用いる、「当事者型」のリモート署名です。電子証明書については、LGPKI*の職責証明書が自治体にとって馴染み深いですが、その仕組みは、ICカードやUSBメモリなどを用いて署名する「ローカル署名」という形式でした。それではわざわざ自席を離れたり、パソコンをローカルの環境に切り替えたりする手間もかかり、カードなどを紛失するリスクもあります。また、受取人が署名を検証するために専用ソフトが必要になるという課題もありました。これに対し、当社が民間認証局として発行する証明書は、LGPKIの証明書と同等の信頼性を確保しつつ、オンライン上で署名を実行するため、自席を離れずに操作が完結します。受取人も、一般的なPDFビューアで手軽に検証できます。
*LGPKI : 地方公共団体組織認証基盤
郵送が不要になることで、住民サービスの向上にも
―具体的にどういった効果が期待できますか。
牛島 九州のある自治体での事例を紹介します。そこでは、保育園の入所決定通知を発送する際、従来は職員が1,200件以上の文書を印刷し、公印を押し、1通ずつ3つ折りにして封入・郵送するという膨大な作業を数週間かけて行っていました。これが電子交付に切り替わったことで、作業は1日もかからず全件の処理が完了するようになり、現場からは感激の声があがっています。
中原 当市でも、これまで決裁が電子で終わっていても、公印を管理している私たち総務法制課まで原課の職員が公印を押しに来る必要がありました。特に出先機関の職員にとっては往復の移動だけでも大きな負担です。電子公印サービスが導入されれば、市長の署名行為も含めて自席で完結できます。住民にとっても、郵送による数日間のタイムラグが解消され、24時間いつでも電子的に通知を受け取れるようになるため、行政サービスの向上としてのインパクトも非常に大きいと考えています。
加えて、こうした機能を文書管理システムと連携する効果自体にも、期待を寄せています。

今後は制度改正も進め、DXの成果をさらに広めたい
―どのような効果を見込んでいるのですか。
中原 「誰が、いつ、なにを、どの決裁にもとづいて行ったか」という履歴を一元管理できることです。これにより不正防止や説明責任の徹底という内部統制が強化されます。また、職員の立場からすれば、一つのインターフェース上ですべての事務が完結する操作性の良さがなによりのメリットになると期待しています。
横田 システムが連携していなければ、決裁済みのファイルを一度ローカルにダウンロードし、別の電子署名システムにログインして再添付するという二度手間が発生します。これでは操作ミスによる文書の取り違えといったリスクを排除できません。今回の連携では、文書管理システム上でボタンを押せば、裏側で自動的に電子署名が付与される仕組みを目指しています。これにより、職員は新しい操作を覚えるという学習コストを払うことなく、普段の業務の延長線上で安全・確実に「デジタル完結」を実現できるようになります。

―電子化に関する今後の方針を聞かせてください。
中原 まずは、例規の「告示」といった限定的な範囲からスモールスタートさせ、段階的に対象を広げていきたいと考えています。現在は、条例や規則で紙への押印が義務づけられているものも残っていますが、今回の取り組みにより、「デジタル完結」実現に向けた仕組みが整います。その後は、運用実態に合わせて制度改正も進め、DXの成果を広めていく方針です。
横田 宮崎市で実現するこの連携モデルは、「紙をなくす」という課題に取り組む全国の自治体にとっての強力な支援手段になります。一気通貫の電子化を、あらゆる自治体が無理なく導入できる形として広めていきたいです。
牛島 自治体職員の数が減少していくなかで住民サービスを維持・向上させるためには、生産性の向上が不可欠です。今回のシステム連携により、職員が本来取り組むべき住民への直接的なサービスに注力できる環境が整います。私たちも単なるツール提供にとどまらず、自治体のみなさんのパートナーとして日本社会全体のDXに貢献していきたいと考えています。

ここまでは、文書管理システムと電子公印サービスを連携させ、一気通貫の「デジタル完結」を目指す宮崎市の取り組みを紹介した。ここでは、同市を支援したGMOグローバルサイン・ホールディングスの入江氏に取材。自治体における処分通知の電子化の現状や、電子化のポイントについて詳しく聞いた。

処分通知は件数が多いぶん、電子化による効果が大きい
―自治体事務における電子化の動きをどう見ていますか。
住民からの申請の受付や庁内での起案・決裁を皮切りに、自治体業務における電子化は着実に進んでいます。事業者との電子契約についても、全国の自治体の半数近くが導入し、すでに「当たり前」のフェーズに移行しつつあります。一方で、行政処分の結果をデジタルで伝える「処分通知の電子化」は、まさにいま注目が集まり始めた状況です。処分通知は契約と比べて件数が圧倒的に多いぶん、電子化による紙・郵送コストの削減や職員の手間の解消がもたらす恩恵が大きいため、「電子化のラストワンマイル」の取り組みとして注目する自治体が増えています。
―電子化にあたり、どのようなことに留意すればよいですか。
おもに「真正性の担保」「情報セキュリティ対策」「処分通知の到達確認」の3つのポイントにおいて、デジタル庁のガイドラインに準拠することです。真正性の担保については、電子証明書に記載すべき項目として、LGPKIの職責証明書の基本領域を参考にすべきとされています。また、民間の認証局が発行する証明書であっても、「電子署名法第2条第1項」に該当するものであれば利用可能と明記されています。情報セキュリティに関しては、特に「要保護情報」の対象となる処分通知の場合、完全性や機密性、可用性の担保が求められます。処分通知の到達確認は、申請者における不服審査請求などの際に重要となります。
当社では、ガイドラインに準拠し、自治体に安心して使っていただける『GMOサイン 行革DX 電子公印』を提案しています。

文書管理や決裁など、数十のシステムと連携
―具体的に聞かせてください。
当社の電子署名はデジタル庁、法務省、財務省により、電子署名法第2条第1項に適合すると認められており、電子証明書には職責証明書の基本領域と同様の情報を記載し、真正性を担保しています。セキュリティ面では、「ISMAP」や「SOC2 Type2」といった自治体が重視する認証を網羅的に取得。処分通知の到達確認については、SMSによる二要素認証などの仕組みを用意しています。
当社はガイドライン発表前から先進的な自治体と共同で処分通知の電子化に取り組んでおり、県や府を含む30以上の団体で導入実績があります。最近では文書管理や決裁など数十のシステムとの連携も進み、自治体が導入しやすい状況が整ってきていると言えます。
―システム連携によってどういった成果が期待できますか。
通知書の起案から決裁、電子公印の付与、住民への送付、そして保管までを、単一のシステムでシームレスに行えます。これにより、複数のシステムをまたぐ際のファイルのダウンロードや再添付の手間がなくなるため、職員の心理的・物理的な負担を抑えられます。操作ミスのリスクも排除できるため、正確かつ信頼性の高い行政サービスの提供にも寄与します。
処分通知の電子化はまだ確立された一つの解があるわけではなく、住民への通知手段もシステムやメールなど多様です。当社は電子署名の専門ベンダーとして、各自治体の状況に最適な形を模索し、伴走支援します。電子化の進展がいまどのような段階にあっても、まずは気軽にご相談ください。

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| 設立 | 平成5年12月 |
|---|---|
| 資本金 | 9億1,690万円 (令和7年12月31日現在) |
| 売上高 | 206億7,000万円 (令和7年12月期) |
| 従業員数 | 962人 (令和7年12月31日現在) |
| 事業内容 | 電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業、DX事業 |
| URL |


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