【データ連携・統合DB】共通基盤による住民情報の一元化で、窓口でのデータ照会がより正確に
(TecSTORK.Gov共通基盤 / テック情報)


※下記は自治体通信 Vol.75(2026年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
令和3年より、各自治体で基幹業務システムのガバメントクラウド(以下、ガバクラ)への移行が進められてきたが、マルチベンダー化したシステム間のデータ連携に課題を感じる自治体は多い。そうしたなか、徳島市(徳島県)では民間企業とともに、各システム間を自動的に連携する「モダンアーキテクチャ」を実践した共通基盤を開発。この基盤により、窓口業務の質向上も図れているという。それはいったいなぜか。同市の佐々木氏に詳しく聞いた。

ガバクラ移行後に生じる、システム間データ連携の課題
―徳島市では、ガバクラ移行に向け、どう取り組んできましたか。
令和3年時、当市は基幹業務システムの大半を独自開発して運用していました。これらのシステムを短い期間で一斉にガバクラに移行するのはシステム上のリスクや職員の負担が大きいと判断し、基幹業務ごとに個別のプロジェクトとして進める「段階的移行方式」を採用しました。また、特定のベンダーに依存しないよう、当初から公平かつ競争原理を保った「マルチベンダー構成」を前提としました。一方、この方針では、異なるベンダー間のデータ連携が制御できなくなる点に懸念がありました。そこで、中継点となるハブを介し、各システムがカスタマイズをせず独立を維持したままデータを連携する「疎結合アーキテクチャ」を仕様とした共通基盤の調達入札を行い、その結果、令和4年から地元企業のテック情報に開発を依頼することになりました。
―どのような点を重視して開発を進めたのでしょう。
おもに基幹系業務システム間のデータ交換に際し、共通基盤に連携パスを集中制御化し、最適化を実現させたこと、標準準拠外のシステムとの情報連携にも対応した構成としたことです。もう一つの狙いは、情報連携のなかで統合データベースを保有することにより、主管部署が長年蓄積してきた住民情報等を「情報資産」として継続し、共通のマスタデータとして利用できるようにしたことです。
―その構成にした結果、どのような効果が得られていますか。
第一に、異なるベンダーのシステム間であっても、標準仕様のルールに従いつつ、各システムで異なる送受信の頻度や時間帯に合わせて、自動でデータ連携ができるようになりました。第二に、AWS*のマネージドサービスを活用する「モダンアーキテクチャ」により、情報セキュリティ対策が的確に行われるほか、国の方針に沿ったコスト削減を実現しています。第三に、統合データベースを基とした「総合窓口システム」という機能により、窓口での住民対応にも役立っています。
*AWS:アマゾン ウェブ サービスの略称。自治体が導入するガバクラの9割以上がAWSのシステムを採用している
正確な情報に基づいた、窓口対応が可能になった
―窓口業務には、どのような変化があったのでしょう。
当市は一極集中窓口ではなく、各主管部署が専門窓口で住民に対応していますが、総合窓口システムにより、個別のシステムを立ち上げることなく、ブラウザのみで住民や税の正確かつ最新の情報を照会できるようになりました。庁内に共通の画面デザインがあることで、担当者は「どの制度の手続きか」を丁寧に確認できるようになり、住民サービスの質向上に貢献しています。今後も、共通基盤を活用しながら、庁内の業務効率化を図り、職員が創造的な業務に集中できる環境づくりに努めます。


―徳島市と共通基盤を共同開発した経緯を教えてください。
徳島市では、デジタル三法が成立した当初からマルチベンダー化した各システム間のデータ連携について懸念を抱いていました。特に、ガバクラに移行する標準準拠の基幹業務システムと、それ以外の人事や給付金といった標準準拠外システムとのデータが連携できなくなると、異なるシステムを扱う担当部署の間で「情報の不一致」が生じかねず、住民サービスの提供にも支障をきたすことを懸念していました。そこで、各システムのデータを集約し、共通するマスタデータに変換してから、再度各システムに受け渡すハブとしての機能を求め、徳島市と当社で開発したのが『TecSTORK.Gov共通基盤』です。
―特徴を教えてください。
ガバクラ内外を問わず、共通するマスタデータを各システムに連携する統合データベースが大きな特徴です。このデータベースを活用した「総合窓口システム」の照会機能は、全庁共通のマスタデータに基づく情報を閲覧できるため、「情報の不一致」を防ぎ、ガバクラ移行後の住民サービス向上にも貢献します。また、徳島市の事例では、AWSのマネージドサービスの設計にも携わり、運用コストを通常の見積もり以下に抑えました。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
今後は、表計算ソフトなどの分析ツールからデータを直接参照できる「ODBC接続」機能も拡充し、抽出の手間を省いた高度な分析や企画業務も支援していきます。

| 設立 | 昭和43年11月 |
|---|---|
| 資本金 | 2億3,000万円(令和7年3月末現在) |
| 従業員数 | 198人(令和8年4月現在) |
| 事業内容 | ソフトウェア開発、情報処理サービス(一括処理、オンライン処理)、パッケージソフトウェア開発・販売、Webアプリケーションなどの開発・販売など |
| URL |

.png)
.png)

