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神奈川県小田原市の取り組み
先進事例2026.04.28
公共施設の包括管理

【公共施設管理・資産経営】地元事業者中心の「顔が見える」管理で、「持続可能な公共施設サービス」実現へ
XP FM / クロスポイント・コンサルティング

[提供] クロスポイント・コンサルティング株式会社
【公共施設管理・資産経営】地元事業者中心の「顔が見える」管理で、「持続可能な公共施設サービス」実現へ(XP FM / クロスポイント・コンサルティング)
この記事の配信元
クロスポイント・コンサルティング株式会社
クロスポイント・コンサルティング株式会社

※下記は自治体通信 Vol.73(2026年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

人口減少や厳しい財政状況のなか、自治体ではいま、持続可能な公共施設サービスの実現に向けて、施設の更新や再編、長寿命化を目指した取り組みが進められている。そうした状況のなか、施設の維持管理情報を一元的に管理する「包括管理」を導入しているのが小田原市(神奈川県)だ。そこでは、地元事業者中心の管理の仕組みが取り入れられているという。同市の担当者2人に、取り組み内容などを聞いた。

[小田原市] ■人口:18万4,380人(令和8年3月1日現在) ■世帯数:8万6,349世帯(令和8年3月1日現在) ■一般会計予算:792億円(令和8年度当初案) ■面積:113.60km² ■概要:神奈川県西地域の中心都市。市の西部は箱根連山につながる山地、東部は曽我丘陵と呼ばれる丘陵地帯で、市の中央には酒匂川が南北に流れて足柄平野を形成し、南部は相模湾に面している。戦国時代に後北条氏の「城下町」として発展し、江戸時代には東海道屈指の「宿場町」として栄えた。明治期には政財界人や文化人たちの「別荘、居住地」として愛されてきた歴史を持つ。
インタビュー
越野 聡
小田原市
総務部資産経営課 保全係長
越野 聡こしの さとる
インタビュー
玉井 智美
小田原市
総務部資産経営課
玉井 智美たまい ともみ

管理状況の把握だけでも、かなりの時間を要していた

―包括管理を導入した経緯を教えてください。

越野 以前は、施設を保有している所管部局が単独で、地元事業者の協力を得ながら保守点検などの維持管理を行っていました。点検情報は部局ごとにExcelや紙で保管しており、施設ごとの管理状況を一元化する体制ではなかったため、たとえば市全体で施設の修繕計画を立てる場合、担当者は各施設の管理状況を把握するだけでもかなりの時間を要していました。

玉井 当市では平成31年に「公共施設再編基本計画」を定めました。そこには、持続可能な公共施設サービスの実現に向けて、「施設の長寿命化」「施設の機能・配置の適正化」などを進める内容が盛り込まれました。そのために必要なファシリティマネジメント(以下、FM)を推進するためにも、施設管理の状況を一元的に把握できる包括管理の導入は不可欠でした。

―導入をどう進めましたか。

玉井 大手事業者だけでなく、これまで施設管理に協力してくれている地元事業者も参加できるよう、まずは市側で包括管理システムを用意し、そのうえで包括管理事業者を公募しました。

―市が用意したシステムとはどのようなものでしょう。

玉井 施設概要や施設の利用状況、維持運営費のほか、点検情報に至るまで、施設管理にまつわるあらゆる情報を一元管理できるシステムです。特に点検情報を入力する際のフォーマットなどについては、地元事業者でも使いやすい仕様にこだわりました。過去に、FM推進で共同研究した実績のあるクロスポイント・コンサルティングの協力を得て開発しました。

越野 プロポーザルの結果、包括管理事業者には、地元の管理事業者らが設立した協同組合を選定し、令和5年度から包括管理をスタートしています。

107施設を一元的に管理

―その後の状況はいかがですか。

越野 システムを通じて、市で管理する107施設を一元的に管理できるようになり、私たち資産経営課と包括管理事業者とで施設管理のあり方を協議し、対応を検討しています。最適な管理に向けて不可欠な保守点検などの情報は、実際に作業した地元事業者がシステムに入力しています。作業を担う地元事業者は約70社にのぼりますが、問題なく使ってくれています。システムには、各施設の情報を基に「施設整備の方向性」を自動表示する機能もあり、修繕計画を立てる際の参考にもできます。

玉井 地元事業者のみなさんは、急な修繕依頼でも、施設の安定稼働のために迅速に対応してくれます。長期の事業となる施設管理は、こうした対応を通じて得られる「信頼感」が重要だと考えています。「顔が見える」地元事業者のみなさんと一緒に、持続可能な公共施設サービスの実現に向けて適切な管理を進めていきます。

支援企業の視点
地元事業者との包括管理で推進できる、「地域による、地域のための」FM
インタビュー
松村 俊英
クロスポイント・コンサルティング株式会社
取締役
松村 俊英まつむら としひで
銀行や経済研究所での勤務、企業経営者などを経て、平成28年11月にクロスポイント・コンサルティング株式会社へ取締役として参加。営業、コンサルティングを担当する。総務省「地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業」アドバイザー。

―包括管理を導入する動きは、自治体で広がっていますか。

 はい。多くの自治体が公共施設の適正化を図る計画を策定し、運用段階に入ってきたなかで、FM推進の観点から包括管理の必要性を感じているようです。包括管理を進めるには、施設の情報を一元管理するシステムが必要ですが、当社と小田原市との連携によって発展させた今回のシステムは、「地元事業者」に照準を合わせた特徴があります。

―詳しく教えてください。

 今回のシステムは、『XP FM』と『XP Connect』という、当社の2つのシステムがベースとなっています。前者は、施設のさまざまな情報を集約し、その情報を基に施設のLCC*を予測したり、施設の劣化度を自動判定したりして、FM推進を具体的に検討できる機能が搭載されています。後者は、最適な施設管理のための土台となる「点検情報」の収集・共有に特化したシステムで、双方を小田原市の業務フローに合わせて調整しましたが、特に『XP Connect』は、デジタルに苦手意識がある中小・零細事業者でも、直感的で使いやすいUIに徹底的にこだわりました。

―システムを通じて自治体をどう支援しますか。

 私は、地域にとっては「公共施設管理」も1つの立派な産業だと考えています。地域の公共施設を地元事業者がしっかり管理し、その結果地域が潤う循環を、私たちのシステムなら自治体ごとに提供できます。「地域による、地域のための」FMを、地元事業者との包括管理で推進したいと考えている自治体のみなさんは、ぜひご連絡ください。

*LCC:ライフサイクルコスト。施設などの建設、運用、保守、管理など、「生涯に発生する総コスト」のこと

クロスポイント・コンサルティング株式会社
クロスポイント・コンサルティング株式会社
設立

平成26年6月

資本金

4,080万円

売上高

1億4,269万円(令和7年2月期)

従業員数

10人(令和8年2月現在)

事業内容

地方公共団体向け業務支援・システムサービス、業務改善に向けた調査・分析支援、コンピュータシステム構築支援

URL

https://x-point.co.jp/

お問い合わせ先
098-917-0570(平日 9:00~18:00)
xpc-support@x-point.co.jp
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