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兵庫県神戸市の取り組み
先進事例2025.09.01
「コネクタ」によるRPA活用効果の拡大

【RPA】RPA導入効果の維持・向上へ、ロボット改修の負担「ゼロ」に期待
BizRobo! / オープン

[提供] オープン株式会社
【RPA】RPA導入効果の維持・向上へ、ロボット改修の負担「ゼロ」に期待(BizRobo! / オープン)
この記事の配信元
オープン株式会社
オープン株式会社

※下記は自治体通信 Vol.68(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

PC上の定型作業を自動化し、職員の労力を住民サービスの向上といったコア業務へ振り向ける手段として、多くの自治体が導入しているRPA。しかしその運用においては、外部システムの仕様変更に伴うRPAロボットの改修作業が、職員の負担となっているケースも少なくない。こうしたなか、神戸市(兵庫県)はRPAと外部システムをつなぐ仕組みの開発を進め、RPA活用効果の維持・拡大を目指している。取り組みの詳細を、同市デジタル戦略部の2人に聞いた。

[神戸市] ■人口:148万7,267人(令和7年7月1日現在) ■世帯数:75万5,447世帯(令和7年7月1日現在) ■予算規模:1兆59億1,300万円(令和7年度当初) ■面積:556.93km² ■概要:兵庫県南部に位置し、瀬戸内海に面する国際貿易港として発展。明治以降、西洋文化の窓口として異人館街などにその面影を残す。平成7年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けたものの、国内外からの支援と市民の尽力により力強く復興を遂げた。神戸牛、洋菓子、神戸ワインといった名産品に恵まれ、食文化も豊か。六甲山系の豊かな自然と、港町の異国情緒が調和した魅力ある都市。
インタビュー
坂根 雅之
神戸市
企画調整局 デジタル戦略部 デジタル化専門官
坂根 雅之さかね まさゆき
インタビュー
家久 いづみ
神戸市
企画調整局 デジタル戦略部 ICT業務改革担当
家久 いづみいえひさ いづみ

システム機能更新のたびに、ロボットの改修作業が発生

―神戸市におけるRPAの活用状況を聞かせてください。

坂根 当市は業務効率化のため、RPAを現場主導で積極的に活用しています。具体的には、我々デジタル戦略部がサーバやロボットの管理、庁内ユーザーからの問い合わせ対応などを担い、ロボットの作成は各所管の職員が主体的に行っています。

家久 こうした推進体制のもと、税務などの基幹系業務システムのほか、消防や、オンライン申請受付後のバックヤード処理といった幅広い分野で、システム入力などの手作業をロボットで自動化し、令和6年度には職員の作業時間を年間1万8,000時間削減しました。また、住民向けのオンライン申請システム「e-KOBE」では、申請情報や添付書類のダウンロード、システムのステータス変更といったPC操作を自動化。RPAが職員の作業負担軽減と、住民サービス向上を支える重要な役割を担っています。ただ、その運用には課題も感じていました。

―どのような課題ですか。

家久 システム機能が更新され、RPAが操作する画面構成、つまりGUI*に変更が生じると、ロボットに改修作業が発生し、現場職員にとって大きな負担となっていました。職員による改修が難しい場合はSEを交えての対応が必要となり、多くの時間と労力がかかります。そうした課題を感じるなか、当市が利用するRPAツール『BizRobo!』の更新時に、「コネクタ」という機能が新たに実装されると知り、関心を持ちました。

*GUI: Graphical User Interfaceの略。コンピュータへ出す命令や指示を、ユーザーが画面上で視覚的に捉えて行える操作体系

ロボット稼働の安定化も期待

―コネクタとはどのようなものなのですか。

家久 RPAと外部システムを直接連携させる仕組みです。これにより、ロボットはシステムのGUIに左右されずにデータの入出力が行えるようになります。この機能は、まさに私たちが抱えていた課題の解決につながる仕組みだと考え、現在『BizRobo!』のベンダーであるオープン社に開発を進めてもらっています。

―コネクタの活用に対し、どういった成果を期待していますか。

坂根 「ファイルをダウンロードする」といった汎用的な処理を担うコネクタを1つつくるだけで、複数の業務で稼働しているロボットがGUI変更の影響を受けることなく安定して動き続けるようになります。これにより、各課でのロボット改修作業はほぼゼロになると見込んでいます。コネクタの活用は、職員の貴重な時間を確保すると同時に、RPAの安定稼働と効率的な運用を大きく促すでしょう。RPAの導入メリットを維持・向上させるこの取り組みは、当市のDX推進における重要な一歩になると大いに期待しています。

支援企業の視点
GUI変更に強いコネクタの活用が、RPA運用の「次の一手」に
インタビュー
新井 誠
オープン株式会社
Automation事業部 プロダクト部 R&Dチーム
新井 誠あらい まこと
平成9年、愛知県生まれ。令和3年、オープン株式会社に入社。令和5年より現職。おもにRPAの周辺製品の開発を担う。

―RPAの運用をめぐる自治体の課題はなんですか。

 システムにGUIの変更があるたびにロボットの改修が必要になり、職員の負担が増してしまうことです。自治体では人事異動も多いため、デジタル化の進展で増え続けるロボットの保守・改修に職員が対応しきれないケースもあります。手作業に戻さざるを得ない状況に陥れば、RPAの導入効果そのものも失われかねません。そこで当社は、この課題を解決し、RPA運用の「次の一手」となる手段に「コネクタ」を提案しています。

―どのような効果を期待できますか。

 システムのGUI変更に左右されずにロボットの稼働を安定化できるため、職員は頻繁なロボット改修が不要となり、運用負担を削減できます。また、コネクタは複雑なAPI操作を簡単に行えるようにするものなので、プログラミングや通信などの専門知識がなくても、RPAのオリジナルの「ステップ*」として使用できます。コネクタはシステムのデータベースに直接アクセスするので、GUIを介した操作と比べて処理が速くなる効果も期待できるでしょう。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 当社は、約100の自治体に対する『BizRobo!』の提供で培った業務効率化の知見が強みです。現在は、神戸市と取り組んでいるコネクタの開発経験を活かし、RPAの運用支援を強化しています。これによりRPAの安定かつ高速な動作を実現し、自治体のさらなる業務効率化とDXに貢献していきます。

*ステップ: RPAにおいて、ロボットが実行する一連の処理を構成する要素。「アクティビティ」や「アクション」とも

オープン株式会社
オープン株式会社
設立

平成25年7月

資本金

3,000万円(令和6年6月1日現在)

従業員数

167人(令和7年6月1日現在)

事業内容

スマートロボット(RPA、AI)を活用した情報処理サービス、コンサルタント事業など

URL

https://open.co.jp/

お問い合わせ先
03-6778-0864(平日 9:00~18:00)
marketing.biz@open.co.jp
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