自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体事例&企業インタビュー
  3. 消費者も事業者も得をする仕組みで、食品ロス削減に向けた行動へと導く
兵庫県姫路市 / 宮城県仙台市の取り組み
食品ロスを減らすシステムの導入

消費者も事業者も得をする仕組みで、食品ロス削減に向けた行動へと導く

[提供] 株式会社G-Place
消費者も事業者も得をする仕組みで、食品ロス削減に向けた行動へと導く

※下記は自治体通信 Vol.51(2023年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

生ごみ処理の費用や手間が大きな負担になることに加え、持続可能な社会の実現に向けた機運の高まりから、多くの自治体が食品ロス削減に取り組んでいる。そうしたなか、廃棄前に食品を売りきりたい事業者と、それを安く買いたい消費者をマッチングするシステムを導入して、食品ロス削減の促進を図っているのが、姫路市(兵庫県)と仙台市(宮城県)だ。両市の担当者に、システム導入の経緯や、取り組みで得た成果について聞いた。

[姫路市] ■人口:52万2,642人(令和5年7月1日現在) ■世帯数:22万9,008世帯(令和5年7月1日現在) ■予算規模: 3,909億3,811万7,000円(令和5年度当初) ■面積:534.56km² ■概要:兵庫県の南西部、播磨平野の中央に位置。世界文化遺産の姫路城や、姫路駅を中心に市街地が広がっている。
インタビュー
大塚 晶弘
姫路市
環境局美化部 リサイクル課 係長
大塚 晶弘おおつか あきひろ

削減効果の「見える化」で、施策の効果測定が可能に

―姫路市では、どのように食品ロス削減に取り組んできましたか。

 当市では、「食べきり」や「食べ残しの持ち帰り」を促す事業者登録制度の創設のほか、食品ロスについて住民が学べる動画の配信や出前講座を行ってきました。しかし、いずれも「呼びかけ」にとどまる内容で、効果測定もできないため、実効性が不明確な状況でした。そこで、改善策を公募したところ、賞味期限が近い食品などを割引価格で売りきりたい事業者と、消費者である住民をオンラインでマッチングする『タベスケ』というシステムをG-Placeから提案されたのです。

―その提案をどのように評価したのでしょう。

 「従来の『呼びかけ』以上の効果を生み出せる仕組みだ」と感じました。というのも、『タベスケ』を使えば、住民は食品を低価格で購入でき、事業者は廃棄を減らせます。双方にメリットがある仕組みなので、自発的な行動を促せると期待しました。加えて、取引された食品の重量を自動集計して、削減効果を「見える化」できる機能があるため、施策の効果測定や広報活動にも活用できると考えました。

―システム導入後、どういった成果を得られましたか。

 導入から現在までの約2年間で、『タベスケ』を通じて累計約11トンの食品ロスを削減できました。こうした実績は、予算や施策を検討する際に活用できるうえに、食品ロス削減に関する取り組みについて情報発信する際のインパクトが大きく、市民の意識向上にも役立っています。引き続き『タベスケ』の認知拡大に努め、さらなる食品ロス削減につなげていきます。


[仙台市] ■人口:109万7,935人(令和5年7月1日現在) ■世帯数:54万4,381世帯(令和5年7月1日現在) ■予算規模:1兆1,890億9,300万円(令和5年度当初) ■面積:786.35km² ■概要:宮城県のほぼ中央に位置。周辺市町村と約150万人の都市圏を形成し、東北地方の商業の中心となっている。
インタビュー
柴又 ひとみ
仙台市
環境局廃棄物事業部 家庭ごみ減量課減量推進係 係長
柴又 ひとみしばまた ひとみ

食品ロス削減だけでなく、事業者支援にもつながる

―食品ロス削減のためのマッチングシステムを導入した経緯を教えてください。

 平成29年に行った調査で、市内の家庭における生ごみの3割が食品ロスであるとわかったことがきっかけです。まずは家庭における食品ロス削減について、市民向けの講座やガイドブックを通じた啓発活動を実施しました。次に、食品が家庭に届くまでの過程、具体的には小売店などから生じる食品ロス削減の施策を検討した際に、『タベスケ』を知ったのです。

―どういった点に関心をもったのでしょう。

 事業者にも消費者にもメリットがあるうえに、両者とも無料で使える仕組みなので、多くの人が食品ロス削減に取り組みやすいサービスだと感じました。利用者が増えるほど、『タベスケ』の商品を目当てに来店した人がほかの商品を買ったり、新たな常連になったりすることを事業者は期待できます。そのため、アフターコロナにおける事業者の支援にもつながると考えたのです。令和4年10月にサービスの利用を開始しました。

―導入後の感想はいかがですか。

 導入してまだ半年ですが、登録店舗数とユーザー数の増加に伴って、食品ロスの削減実績は着実に増えており、手ごたえを感じています。また、事業者支援という点では、「『タベスケ』で店を知った人の再来店があった」という声が事業者から続々と寄せられています。食品ロス削減と地域活性化を同時に図れるツールとして、引き続き活用していきます。

支援企業の視点
より大きな成果をあげるには「行政サービス」で提供するのが得策
インタビュー
中島 啓介
株式会社G-Place
公共イノベーション事業グループ 西日本営業チーム アシスタントマネージャー
中島 啓介なかしま けいすけ
平成4年、徳島県生まれ。平成31年、株式会社G-Placeに入社し、公共分野の営業活動や食品ロス削減のサービス『タベスケ』の企画開発を担当している。

―食品ロス削減に取り組む自治体は多いのでしょうか。

 SDGsやごみ処理費用削減の観点から、多くの自治体が食品ロス削減に取り組んでいます。しかし、それらの多くが住民や事業者に対する「呼びかけ」にとどまっており、食品ロス削減に向けた直接的な行動につながる取り組みを実現できている自治体は少ないです。

―どうすれば、実際の行動につなげられるのでしょう。

 住民と事業者の双方に、直接的なメリットがある仕組みが必要でしょう。たとえば、当社の『タベスケ』は、事業者は収入を得ながら廃棄の手間を省け、住民は安価に食品を買えるため、実際の行動につながりやすいです。ただし、利用時の負担が大きいと、住民や事業者が利用をためらうことが予想されます。そこで、『タベスケ』は自治体向けのシステムとして設計し、住民と事業者は無料で使える仕組みにしています。また、マッチングはオンラインで行いますが、決済は店舗で行うため、この仕組みのために決済方法を変える必要はありません。余計な費用も手間もかからず、行政サービスとしての安心感があるので、多くの利用を見込めます。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 機能改善や出前講座などを行いながら、システムの普及に努めます。『タベスケ』を導入する自治体が増えるほど、住民が地域を越えて利用できる店舗は多くなり、より高い効果を期待できます。システムの提供を通じて、全国の自治体の食品ロス削減に貢献していきたいですね。

株式会社G-Place
株式会社G-Place
設立

昭和44年5月

資本金

4,210万円

事業内容

ごみ有料化支援、アプリ・業務システム開発、森林資源再生事業、アグリビジネス、Webサービス開発・運営など

URL

https://g-place.co.jp/

お問い合わせ先
03-3663-8745(平日 9:00~17:00)
サービス資料を確認する
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
~2月27日まで
自治体通信 事例ライブラリー