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先進事例2020.06.29

「環境都市」のシンボルとして自治体業務で活躍する「オフィス製紙機」【八戸市の取組事例】

「環境都市」のシンボルとして自治体業務で活躍する「オフィス製紙機」【八戸市の取組事例】

青森県八戸市 の取り組み

「環境都市」のシンボルとして自治体業務で活躍する「オフィス製紙機」【八戸市の取組事例】

八戸市長 小林 眞

高度経済成長期、北東北随一の工業都市として繁栄してきた八戸市(青森県)は、その一方で公害に悩まされた経験もある。その教訓を活かし、現在では先進的な環境施策を積極導入する「環境都市」に生まれ変わっている。そんな同市の先進性を物語るのが、庁内で運用を始めた「オフィス製紙機」の存在だ。導入のねらいなどを市長の小林氏に聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.11(2018年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

青森県八戸市データ

人口: 23万2,606人(平成29年10月31日現在) 世帯数: 10万8,153世帯(平成29年10 月31日現在) 予算規模: 1,663 億1,178万6,000円(平成29年度当初) 面積: 305.54km² 概要: 太平洋に臨む青森県の南東部に位置し、地形はなだらかな台地に囲まれた平野が太平洋に向かって広がる。臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成。全国屈指の水産都市であるとともに、北東北随一の工業都市となっている。平成29年1月には中核市へ移行。同年3月からは周辺7町村とともに八戸圏域連携中枢都市圏を形成している。

年間141万枚の文書を処理へ

―八戸市が「オフィス製紙機」を導入した経緯を教えてください。

当市は、昭和39年に新産業都市へと指定されて以来、工業都市として発展してきた歴史があります。その間、公害病を発生させた過去もありましたので、その後はとりわけ環境対策に力を入れてきました。市独自の「環境基本計画」を策定するなど、温暖化対策や循環型社会の構築に努めてきました。

そうした折、平成28年の夏にオフィス製紙機の存在を知りました。環境対策としても機密情報管理の観点でも、さらには地域の子どもたちへの教育効果の面でも、非常に価値のある技術だと評価し、導入を主導しました。

―オフィス製紙機にどのような価値を感じたのでしょう。

いちばんは、環境面での効果です。水を使わずに、オフィス内で再生紙を生産できるとは、じつに画期的で「すごい技術」だと驚きました。最初に実機を見たときは、「中に人が入っているんじゃないか」と思ったくらいです(笑)。

さらに、機密情報の処理にも効果的ですね。いちど紙を繊維化して新しい紙を生産するので、シュレッダーと違い、万一にも復元される心配がありません。従来は外部の業者にシュレッダー処理を委託して廃棄していましたが、その際の輸送エネルギーも削減できます。

―実際にどれほどの効果を期待していますか。

一日あたり約6400枚、年間で141万枚の機密文書を処理できると期待しています。当市では昨年度、約935万枚の機密文書を処理しました。このうち15%程度を処理できる計算です。マイナンバー制度の開始で、自治体には情報管理の面でより細かな配慮を求められますから、庁舎外へもち出さずに機密情報を処理できるオフィス製紙機は、時代のニーズに合った技術といえますね。

いずれ当たり前の技術へ技術の普及に貢献できれば

―今後、オフィス製紙機を市政にどう活かしていきますか。

今回の導入が、環境問題を考える契機になり、職員も含めた市民一人ひとりの意識改革につながることを期待しています。こうした地道な努力の積み重ねこそが、まちづくりの基本だと考えています。また、オフィス製紙機を環境施策のシンボルとして、当市の先進性をアピールしていきたいと思っています。

このオフィス製紙機は、いずれ当たり前に使われる技術へと成長していく可能性があります。そのとき、少しでも技術の成熟化と普及に役立てたとしたなら、先駆的に導入した当市の取り組みは、とても意味のあるものになるのではと期待しています。

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