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先進事例2020.02.09

SNSを活用して市民がほしい情報を確実に伝達【自治体(福岡市)の取組事例】

SNSを活用して市民がほしい情報を確実に伝達【自治体(福岡市)の取組事例】

福岡県福岡市 の取り組み

SNSを活用して市民がほしい情報を確実に伝達【自治体(福岡市)の取組事例】

福岡市 市長室 広報戦略室 広報課 主査 鐘ヶ江 秀樹

自治体で、ICT(情報通信技術)による情報発信ニーズが高まっている。ただ、「具体的な提供方法がわからない」といった理由から、踏み込んだ活用ができていないケースは多い。そんななか、福岡市(福岡県)はLINEを活用し、個々の市民のニーズに応じた行政情報を伝える全国でもめずらしい取り組みを開始。担当者の鐘ヶ江氏に、導入の経緯と期待する効果を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.09(2017年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

福岡県福岡市データ

人口: 156万2,568人(平成29年5月1日現在) 世帯数: 78万8,871世帯(平成29年5月1日現在) 予算規模: 8,327億9,500万円(平成29年度当初) 面積: 343.39km² 概要: 東、博多、中央、南、城南、早良、西の7つの行政区からなる。「アジアとの玄関口」として古くから栄えた。福岡空港から博多駅まで地下鉄で5分、九州一の繁華街「天神」までは11分の良好な交通アクセス性がある。昭和47年に政令指定都市となる。人口100万人を突破したのは昭和50年。150万人を超えたのは平成25年。

「一方的」な情報発信から、個々に応じた内容のものへ

―これまでの情報発信の取り組みを教えてください。

 平成22年に「広報戦略室」を新設し、さまざまな媒体を使いわけて市民への情報発信を強化しました。市長が力を入れようと取り組んだものです。それ以来、広報紙やホームページ、メルマガ、新聞、雑誌のほか、Twitter、Google+、FacebookといったSNSも活用し、市政・イベント情報、防災情報、緊急情報などさまざまな情報を届けてきました。YouTubeによる動画配信もしています。

―今回、新たに個別の行政情報発信について実証実験を始めました。ねらいはなんでしょうか。

 「一人ひとりの市民のニーズに応じた情報発信」のためです。これまでもSNSを活用した情報発信など全国に先駆けて取り組んできましたが、基本的にはわれわれ行政から市民への一方的なものでした。しかしながら近年、情報量が爆発的に増加し、情報を市民へ確実に届けるには個々に応じた情報提供が必要だと感じたのです。そのためには「多くの人が利用しているLINEを活用することで効果がより高まる」と判断しました。

―具体的内容を教えてください。

 「防災」「ごみの日」「子育て」「お知らせ」から、市民が「ほしい」と選んだ情報だけをタイムリーに受け取ることができる仕組みにしました。市民が必要とする情報は、住んでいる地域や家族構成に応じてさまざまです。たとえば、子育て中のご家庭であれば、PM2.5予測情報や光化学オキシダントなどの防災情報、住んでいる地域に応じた各種ごみの収集日、子供の年齢や月齢に応じた子育て情報などが挙げられます。これまでは、それぞれの情報を個別のメルマガで発信していたので、市民は自分が必要とする情報に応じて、複数のメルマガに登録する必要がありました。今回のシステムでは、使い慣れたLINEというひとつのアプリケーションのなかで必要な情報を選択することができるため、利便性が大きく向上しました。

既存の配信システムを、そのまま使うことが可能

―システム構築の際、難しい作業はありませんでしたか。

 既存のメルマガのデータを流用したため、当市で新たにデータ化する作業もなく、とても簡単でした。支援企業である電通アイソバーがカスタマイズで対応してくれました。メルマガの場合、ほかのメールに埋もれてしまう可能性がありますが、LINEメッセージは開封して読まれる確率が高いという特徴があります。また、今回のシステムにより、緊急情報はリアルタイムに、ごみ出し情報は自分で設定した時間にメッセージ配信されるため、情報の伝達率にくわえ、適時性も飛躍的に高まったと考えています。

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