移住・定住施策 自治体事例|圏域連携でUIJターンの魅力を発信、「住居」と「仕事」のマッチング

八戸市、室戸市の移住・定住施策 自治体事例
地域の伝統文化や農村暮らし等「まちの魅力」を活かした移住・定住施策で成果を出している自治体の事例を紹介します。内閣府 地方創生推進室がまとめた「令和4年度 移住・定住施策 優良事例集」からの抜粋で、同事例集は、三大都市圏以外に所在する市町村の中から、行政・民間が移住定住施策に積極的に取り組んだ結果、社会増減率がプラスに転じた、または社会減の減少幅が縮小した優良事例を内閣府地方創生推進室が選定し、取組の概要や具体的な成果を取りまとめたものです。
今回は八戸市、室戸市の移住・定住施策自治体事例です。
圏域連携でUIJターンの魅力を発信|八戸市
青森県 八戸市は、太平洋を臨む青森県の南東部に位置し、臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備されています。その背後には工業地帯が形成され、優れた漁港施設や背後施設を有する全国屈指の水産都市、北東北最大級の工業都市となっています。
地域産業の活性化・高度化、雇用の拡大を目的として、企業誘致を積極的に推進しており、早くから高度技術産業、ソフトウエア業、IT・テレマーケティング産業等の誘致を行ってきました。
.png)
取り組みの概要
八戸市では、「八戸市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、人口減少の克服に向けてはまずは生活を営む上での基盤となる「しごと」づくりが重要と捉え、初期から各種施策に取り組んでいます。
具体的には、若者や子育て世代等を中心とした大都市圏からのUIJターンに対する支援として、就職活動等に必要な交通費や住宅費等を助成する「ほんのり温ったか八戸移住計画支援事業」を実施するとともに、市の「無料職業紹介所」を設置し、独自の求人登録を行うほか、ハローワーク求人情報提供サービスを利用してハローワークの登録求人を取り扱うことで、幅広い求人情報を活用した職業紹介や、雇用アドバイザーによる職業相談等の就職支援を行っています。
こうした就職関連情報の他、創業・起業支援や空き家情報など、移住に関連する情報を集約してホームページ等で発信するとともに、移住促進PR動画や移住希望者向けのパンフレットを作成して広く情報発信を行っています。
また、八戸市は八戸圏域連携中枢都市圏の中核都市であり、周辺の7町村と連携しながら移住イベントの開催や、帰省時期におけるPRなどに取り組んでいます。
八戸圏域(八戸市・三戸町・五戸町・田子町・南部町・階上町・新郷村・おいらせ町)では、平成21年に八戸圏域定住自立圏形成協定を締結し、定住の受け皿として必要な都市機能及び生活機能の確保・充実を図るとともに、魅力あふれる地域づくりを推進してきました。
平成29年3月には「八戸圏域連携中枢都市圏」(愛称:八戸都市圏スクラム8)へと発展的に移行し、「地域の個性が輝き 自立した 八戸圏域」を目指すべき将来像として掲げ、その実現に向けてファンサイトを設置するなど具体的な取り組みを推進しています。
.png)
「八戸都市圏ファンクラブ『スクラム8』」のサイト(https://hachinohe-toshiken-iju.com/scrum8/)
ポイント
①UIJターン就職希望者等への充実した支援体制
UIJターン就職希望者を対象とする独自の移住支援補助金制度や市の無料職業紹介所での就職支援、創業・起業希望者へのサポートなど、「しごと」に関する充実した支援体制を構築しています。
②八戸圏域連携中枢都市圏として周辺町村と連携
周辺の7町村と連携して八戸圏域連携中枢都市圏を形成し、半分都会、半分田舎「半都・半邑(はんと・はんゆう)」の魅力について情報発信を行っています。
主な取り組み内容
地域と市の両面からの魅力発信
八戸圏域連携中枢都市圏としての地域の魅力発信だけでなく、市独自でも情報発信を行い、市に興味・関心を持つ人々にアピールしています。
雇用アドバイザーによる就職相談などの強力なバックアップ
市が無料職業紹介所を設置し、雇用アドバイザーが個別に相談を受けながら、各求職者の希望に合わせた求人情報を提供しています。
.png)
八戸市移住情報ページ(https://www.city.hachinohe.aomori.jp/ijujoho/index.html)
「住居」と「仕事」のマッチング|室戸市
高知県の東側に位置する室戸市は、室戸岬を中心に50km程度の海岸線を有し、面積の約8割以上を山林が占め、市全域が世界ジオパークに認定されており、豊かな自然に恵まれた温暖な地域です。
かつては、捕鯨のまちとして栄え、昭和34年の市政発足以来、漁業や農業などを中心に地域経済を発展させ、金目鯛、海洋深層水、柑橘類を筆頭に食材や自然資源が豊富で、空海が悟りを開いた地としても知られ「お接待文化」が浸透していることから、義理人情に厚く、初めて会った人にも好意的な人が多いと言われます。
県内の市の中では最も人口が少ないですが、令和3年度の移住実績は111名と県内で上位の実績を誇ります。
.png)
室戸市のサイト(https://www.city.muroto.kochi.jp/)
取り組みの概要
室戸市ではピーク時に30,000人を超えていた人口が年々減少している状況を踏まえ、第2期室戸市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、2060年の将来人口目標値8,500人を達成するために、年間49組の若年夫婦の移住を促進、または、転出抑制対策を図ることを目標に定めました。
平成28年度に移住促進室を設立して以降、移住定住向け分譲団地整備や、空き家改修費補助金等の制度改正の実施、市長が推薦し県知事が委嘱する地域移住サポーターの増員等、ハード・ソフト両面で移住支援施策を強化しています。
移住促進室が設置される前年度(平成27年度)の移住者数14名に対し、令和3年度の移住者数は111名と、近年、室戸市への移住者は増加傾向となっています。
20~40代の生産年齢人口の移住が中心となっており、移住促進相談員を中心に移住希望者の個別のフォローを実施しながら、移住をする上で重要となる「住居」と「仕事」のマッチングを進めています。
ポイント
①移住促進相談員を中心に「住まい×しごと」の両輪での支援
空き家バンクを活用した空き家の紹介等による住まいのサポート、無料職業紹介所の開設や就職相談会の実施、一次産業就業支援等によるしごとのサポートで、生産年齢人口の移住が増加。移住促進相談員を含む担当部署職員は職業紹介責任者講習を受講しています。
②移住希望者との接点づくり
高知県の実施する移住フェアの他に、周辺自治体と連携した移住ツアーや市独自の移住ツアー等、移住希望者との接触機会を豊富に創出しています。
.png)
「室戸市移住定住ポータルサイト『室戸に移住! 田舎暮らし情報館』」(https://inakagurashi.kochi.jp/)
主な取り組み内容
SNS・メディアを活用した情報発信
SNSの更新や全国版の新聞への掲載等、できるだけ多くの方の目に触れ、まずは室戸市を知ってもらうことを意識して、移住者や求人募集企業の取材等発信するコンテンツも工夫しています。
移住体験住宅の展開
室戸市内に複数ある移住体験住宅には、熱交換型換気機器を設置し、抗ウイルス性壁紙を使用、テレワークスペースを確保する等の改修を行い、また、個別移住ツアーの実施、オンライン相談、オンライン内見等、移住希望者が安心して室戸市を知ることができるような支援を実施しています。
.png)
「室戸市移住定住ポータルサイト『室戸に移住! 田舎暮らし情報館』」より移住体験住宅の紹介(https://inakagurashi.kochi.jp/experience)


%20(1).png)




