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京都府亀岡市の取り組み
先進事例2026.03.03
農業におけるIoT・AIの導入

【環境にやさしい】スマート農業による有機米の栽培で、「作業の省力化」と「収量向上」を実現
イオン水生成装置 / KDDI

[提供] KDDI株式会社 行動ビッグデータソリューション事業
【環境にやさしい】スマート農業による有機米の栽培で、「作業の省力化」と「収量向上」を実現(イオン水生成装置 / KDDI)
この記事の配信元
KDDI株式会社 行動ビッグデータソリューション事業
KDDI株式会社 行動ビッグデータソリューション事業

※下記は自治体通信 Vol.72(2026年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

担い手不足の解消や作業の省力化などを目的に、スマート農業の導入支援に取り組む自治体が増えている。そうしたなか、亀岡市(京都府)では、学校や保育所などの給食に有機米を供給する「有機米プロジェクト」を令和3年度から開始。さらに令和6年度からは、有機米を栽培する市内の農家にIoTやAIを活用したスマート農業の導入支援を実施し、2年目から手応えを感じているという。同市農林振興課の荒美氏に、取り組みの詳細を成果も含めて聞いた。

[亀岡市] ■人口:8万5,597人(令和8年1月1日現在) ■世帯数:4万661世帯(令和8年1月1日現在) ■一般会計予算:484億4,000万円(令和7年度当初) ■面積:224.80km² ■概要:京都府のほぼ中央に位置し、北は南丹市、東は京都市、南と西は大阪府に接している。京都市へは電車でも車でも約20分、大阪市へは約1時間と、都市部へのアクセスに優れている。「京野菜」の一大産地であり、霧深い盆地気候が育む野菜やお米、亀岡牛などが特産で、江戸時代から続く「保津川下り」の地としても有名。平成30年に「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を行うなど、「世界に誇れる環境先進都市」を目指している。
インタビュー
荒美 大作
亀岡市
農林振興課 副課長 兼 有機・食農推進係長
荒美 大作あらみ だいさく

慣行農業よりも栽培の手間がかかっていた

―「有機米プロジェクト」を始めた経緯を教えてください。

 当市は保津川の自然景観を守る活動を機に、「世界に誇れる環境先進都市」を目指しています。その一環として、環境負荷を減らす有機米栽培の推進に着目しました。市内でも、食の安全やブランド化を目的として有機米栽培に挑戦する新規就農者は一定数います。その支援体制を整えれば、環境面はもちろん、新たな農業の担い手の確保につながると考えたのです。具体的な支援策としてまず実施したのが、販路の確保です。有機米は化学肥料と農薬を使用しないため、病害虫被害などで収量が安定しないリスクがあり、市場に流通しづらい側面があります。そこで、当市が買い取って給食に供給する仕組みを取り入れました。しかし、そのためには解決しなければならない重要な課題がありました。

―それはなんでしょう。

 化学肥料や農薬を使用する慣行農業より、栽培に手間がかかる点です。有機米栽培で一番大変なのは、雑草の処理です。そのため、深水管理*をするのが一般的ですが、水位が高すぎても低すぎても稲の生育に悪影響をおよぼすため、水位の管理が重要であるほか、水温や気温のチェックなども必要です。とはいえ、農家の方々が一日に何度も田んぼに行って確認するのはかなりの負担になります。そうした課題に対し、KDDIから提案を受けたのがIoTとAIを活用したスマート農業です。

―詳しく教えてください。

 まず、田んぼの水位や水温、気温などのデータをIoTセンサーが観測してクラウドに送信します。そして、AIがデータを分析し、状況に応じてセンサーと連動した電子水位バルブで水位を自動調整するという提案でした。また、AIによって田んぼに設置した装置を起動し、イオン水を自動生成して稲を活性化させる機能を実装していました。他自治体での導入実績もあり、「これなら作業の省力化だけでなく収量向上も期待できる」と考え、令和6年度から導入して圃場3ヵ所に設置しました。

*深水管理 : 田んぼに通常より深い水を張って稲を保護・生育調整する水管理方法。雑草の発芽・生育を抑制するなどの効果がある

「作業の手間が減った」という農家からの声も

―成果はありましたか。

 実際に農家から「作業の手間が減った」という声があがっています。それに加え、令和7年度は約20%の収量向上に成功しました。KDDI担当者の田中さんが、なにかあれば現場に来て伴走支援してくれたため、心強かったですね。対話を重ねたなか、本当に当市の課題に合った農法を提案してくれたと思います。

 この農法なら、田植え前にイオン水を生成して雑草をあえて成長させ、事前に処理することで、田植え後の雑草の発生も抑えられます。今後はKDDIと協業し、スマート農業を活用する圃場を広げていきたいですね。

支援企業の視点
スマート農業ありきではなく、なにを成し遂げたいかの共有が重要
インタビュー
田中 一也
KDDI株式会社
ビジネスデザイン本部 地域共創室
田中 一也たなか かずや
KDDI株式会社入社後、情報システム業務に従事。平成30年より、地方創生支援室(現:地域共創室)でIoTを使用した地域課題などのソリューション業務に携わっている。

―自治体がスマート農業に取り組んでいくうえでのポイントはなんでしょう。

 スマート農業に取り組むことを目的にするのではなく、なにを成し遂げたいかを明確にしておくことです。作業の省力化が目的なのか、品質や収穫量の向上なのか、あるいはそれらすべてなのか、という具合です。また、導入による定量的な評価基準も農家と事前にすりあわせておくことも重要です。導入ありきだと、農家も使ってくれず、ムダになりかねません。そういった点では、農家の「真の」ニーズを自治体職員が事前に把握しておく必要があります。当社でも「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」のスタンスで、自治体にスマート農業導入の支援をしています。

―支援内容を教えてください。

 まず、自治体職員に対して、スマート農業で成し遂げたいことをじっくりヒアリングします。必要であれば、農業や関係各所も巻き込んでディスカッションを行います。そのうえで、地域にあったソリューションを実装したスマート農業を提案するのです。また、導入後も現地に赴くなどのサポートも実施します。そうすることで、掲げた目標達成までの伴走支援を行うのです。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 スマート農業の多くはデータの蓄積など、じっくり時間をかけて取り組むことで目的達成に近づけるものです。そうした長期的なスパンで協業でき、共に目標に向かって進んでいける「前向きな」自治体の支援をしていきたいですね。

KDDI株式会社 行動ビッグデータソリューション事業
KDDI株式会社 行動ビッグデータソリューション事業
創業

昭和59年6月

資本金

1,418億5,200万円

売上高

5兆9,179億5,300万円(令和7年3月期)

従業員数

6万4,636人(連結)

事業内容

電気通信事業

URL

https://www.kddi.com/

お問い合わせ先
sousei@kddi.com
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