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先進事例2025.10.09

スポーツ・健康を通じたまちづくり 自治体事例|スポーツとコンディショニングを通じた健康なまちづくり、KASAMA Breakin' Project、スポーツセンターを軸とした地域活性化

スポーツ・健康を通じたまちづくり 自治体事例|スポーツとコンディショニングを通じた健康なまちづくり、KASAMA Breakin' Project、スポーツセンターを軸とした地域活性化

東川町、笠間市、上富田町のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例

国は第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(令和元年12月20日閣議決定)に従い、東京大会等の「スポーツ・レガシー」としてのスポーツによる地方創生、まちづくり(第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、「スポーツ・健康まちづくり」と呼称)の各地のさらなる取り組みを促進するための推進体制を強化するとともに、全国で活用されている地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税、地域おこし協力隊など国の施策の活用事例の周知を図りながら、スポーツ庁の主導の下、関係府省庁と連携・協力して、地域により特色ある「スポーツ・健康まちづくり」の創出を全国で加速化させています。

スポーツ庁では、令和3年度からスポーツによる「地方創生・まちづくり」に積極的に取り組もうとする自治体の取組計画を表彰する「『スポーツ・健康まちづくり』優良自治体表彰」(スポまち! 表彰)を実施しています。

「スポーツ・健康まちづくり」とは、スポーツや運動を通じて、交流人口の拡大や、誰でも日常的に出歩き、体を動かし、スポーツができる環境整備等に取り組むことによって、スポーツを活かして他の分野における地域課題の解決、多様性を尊重する社会づくりや地域経済の活性化等を図っていく取組を指します。
ここではスポーツ庁「スポまち! 表彰」を受賞した自治体の取り組みを紹介します。今回は、東川町、笠間市、上富田町のスポーツ・健康を通じたまちづくり自治体事例です。

スポーツとコンディショニングを通じた健康なまちづくり|東川町

北海道 東川町では2021年7月から、東川町オフィシャルパートナーである民間企業と二人三脚で「日本一健康なまちづくり」を推進しています。民間企業からコンディショニングコーチが東川町に移り住み、身体を整えるコンディショニングセッション等を通して“ライフパフォーマンス”を向上させることを「町の文化として根付かせる」として取り組み等を実施しているほか、国内自治体では珍しい“CHO(Chief Health Officer)”を設置し、「日本一健康なまちづくり」を進めています。

東川町は移住者が多く、居住年数25年未満の町民が半数を占める一方で、高齢化率が増加傾向にあり、冬期間は積雪などで移動が困難になるため自宅に閉じこもりがちになり、冬季の運動不足が課題となっていました。
そのため、高齢者の社会参加や健康促進プログラムを拡充し孤立や認知症の予防のために住民の自発的な行動を促す取り組みの一環として「スポーツとコンディショニングを通じた健康なまちづくり」を推進しています。

総合的な取り組み内容

小学校や高校の授業、屋内スポーツ教室、スポーツ施設(公共ジム)、スポーツ少年団や部活動、屋外スポーツ教室を通じて、「ケガをしないカラダづくり」としてコンディショニングの啓発を実施しています。
また、「健康なカラダづくり」を目的に、クロスカントリースキー、テニピン(日本テニス協会の簡易テニス)、トップアスリートによる講演といったスポーツイベントも開催しています。
スポーツの土台となるコンディショニングを幅広い世代や様々な場所で学ぶ機会を提供し、生涯、スポーツを楽しみ、チャレンジすることで、住民一人ひとりの健康なカラダづくりを支え、健康なまちづくりを実現するとともに、参加住民同士の交流、目標、モチベーションの創出を促進し、町の魅力向上を図ります。

目標とポイント

目標
・コンディショニングとスポーツを通じて住民のライフパフォーマンスの向上(公共施設の高稼働、住民参加率の向上)
・住民同士のコミュニティの創出(住民満足の向上)
・日本一健康なまちづくりを目指して町の魅力を向上(関係人口の増加)

コンディショニングのイベントの参加者は、2023年5,000名(年間のべ)から2028年8,000名(同)、公共スポーツ施設(ジム)の利用者は2023年800名(月平均のべ)から2028年1,000名(同、年間12,000名)に、それぞれ増加させることも目標にしています。

ポイント
1.町独自の制度オフィシャルパートナーの民間企業との官民連携による住民の健康づくり
2.小学校や高校の授業へのコンディショニング・スポーツの導入(育成年代からのカラダづくり教育)
3.地域に根付く競技から制度オフィシャルパートナーのネットワークにより住民がスポーツを楽しむ機会を展開

KASAMA Breakin' Project|笠間市

茨城県 笠間市では、2024年パリオリンピックで採用されたストリートダンス競技「ブレイキン」を通じたまちづくりに取り組んでいます。
笠間市では、若者世代の交流人口増加などを目的に、スケートボードやBMX等のアーバンスポーツの推進を図るべく、国内最大級のスケートパークを令和3年4月に開業。これまでフランス代表が東京2020大会の事前合宿に使用したほか、全国大会を3度実施してきました。

しかし、全国的にスケートパークを整備する自治体が増加しており、新たなアーバンスポーツの拠点となるような取組みを実施することで、他自治体と差別化を図るため、「『アーバンスポーツのまち かさま』の新たな挑戦」として本取り組みを推進しています。

総合的な取り組み内容

笠間市独自のブレイキン大会 「舞闘炎」を毎年開催しています。今後は大会規模の拡大と若者世代の交流促進も図ります。
また、市内小学校でブレイキンの出前授業を実施しているほかイベントでの啓発活動を継続して実施しています。子どもたちがダンススクールで習うことのできる環境整備も進めていきます。

目標とポイント

目標
・笠間市でブレイキンの全国大会開催(日本ダンススポーツ連盟主催の「全日本ブレイキン選手権大会」の当市開催)
・当市出身者の全国大会出場者輩出(当市から全国で活躍するB-BOY、B-GIRLを輩出する仕組みの構築)

ポイント
1.当市独自のブレイキン大会を継続開催
2.市内小学校でブレイキンの出前授業を実施
3.市内イベント等でブレイキンの啓発活動実施

これらを通じて「ブレイキンの新たな聖地」として、ブレイキンを身近に感じてもらえる場を提供します。

スポーツセンターを軸とした地域活性化|上富田町

和歌山県 上富田町では、上富田スポーツセンターを軸としたスポーツツーリズム・スポーツDXソリューションによる地域活性化に取り組んでいます。
上富田町は、2015年まで約60年間連続で人口が増加しました。一方、近年は生産年齢人口(15~64歳)の減少傾向のため地域活力の向上が課題となっていました。

そこで、今後、関係人口の拡大やスポーツ観光の振興が必要であることから、 上富田町総合計画に基づき「1年を通じて温暖な気候」を活かしたスポーツによるまちづくりをめざして地域活性化に取り組んでいます。
直近では、民間事業者等と連携したスポーツDXソリューション導入プロジェクトを推進しています。

上富田スポーツセンターのサイト(https://www.town.kamitonda.lg.jp/sportscenter/index.html

総合的な取り組み内容

専属スタッフによるサポート提供等で上富田の合宿を誘致するほか、幅広いスポーツイベントを開催します。
また最新AIカメラ等で試合ライブ配信を行う等、スポーツDXを推進します。

目標とポイント

目標
・地域スポーツの振興スポーツ団体の育成・連携強化と指導者育成による、住民主体のスポーツ環境の整備と健康増進の促進
・合宿等の誘致や大会の実施施設を活用し、合宿やマラソン、サイクルツーリズムを推進し、観光客誘致と地域経済の活性化を図る
・スポーツ施設の充実とデジタル技術の活用民間事業者等と連携した、AIカメラやコミュニティPF等によるライブ配信・デジタル技術活用で、施設利用促進とスマートシティ化を推進

ポイント
①日本有数のスポーツ合宿施設「上富田スポーツセンター」で国内外のプロ/アマチュアチームを対象に合宿、大会、イベントを誘致
②最新のトレーニングジム「上富田スポーツサロン」は、合宿利用者だけでなく地元住民のアスリートから高齢者の方まで幅広い層が利用
③民間事業者等と連携し、スポーツDXソリューションプロジェクトを進め、AIカメラ無人ライブ配信、コミュニティPFによる活性化を展開

〈参照〉
文部科学省 スポーツ庁「『スポーツ・健康まちづくり』優良自治体表彰2024」
https://www.mext.go.jp/sports/content/20250129-spt_stiiki-000039992_22.pdf

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