子育て支援 自治体事例|仕事と子育てを両立する働き方の導入支援事業、子どもから大人まで「人」を育むまちづくり、若者・子育て世代に向けた情報発信強化事業

静岡県、豊橋市、笠岡市の子育て支援自治体事例
2024年の出生数が初めて70万人を下回るなど、歯止めがかからないどころか、少子化が加速度的に進行しています。一方、地域における少子化対策を推進する上での課題に対応する有効な手段として“デジタル技術を活用した子育て支援”が考えられています。
そこで、デジタル田園都市国家構想交付金を活用した地方公共団体における妊娠・出産・子育てに関する取組を事例集としてまとめた「デジタル田園都市国家構想交付金を活用した妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(令和5年12月)」(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局)より、同交付金を活用した子育て支援の自治体事例を抜粋して紹介します。
今回は、静岡県、豊橋市、笠岡市の3つの子育て支援自治体事例です。
仕事と子育てを両立する働き方の導入支援事業|静岡県
静岡県は、県内企業に対して、従業員が仕事と子育てを両立することができる環境づくりを支援するとともに、出産・育児等で長期離職している女性等の働き手には、デジタルスキルを身に付ける機会を提供し、再就職を支援しています。
さらに、クラウドワークサービスの利活用促進により、子育てと両立できる働き方を提供する環境整備を実施しています。
事業内容
本事業では、企業側及び働き手側の両面から仕事と子育てとの両立に向けた支援を行うことで、県民の働き方の選択肢が広がるとともに、企業でのテレワークの導入、デジタル人材の育成支援を通じ、デジタル技術の活用、普及に寄与しています。
具体的には、テレワーク未導入企業等に専門の支援員が訪問し、事例紹介やメリットを提示することで、導入への働きかけを実施したり、県内企業に対する県の認証制度のアピールを行うことで、多様な働き方の普及促進を行っています。
また、出産・育児等で長期離職している女性などを対象に、子育て等の合間に受講ができ、デジタルスキル等の習得を目指すオンライン講座を実施したり、研修等によるクラウドワークサービスの認知度向上、クラウドワークサービスが円滑に行われるよう、相談対応等の支援も実施しています。
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主なKPI
- 仕事と子育て(介護)の両立支援・職場環境づくりに取り組んでいる企業の割合
- オンライン講座(ITスキル向上講座)により新規就業実現した者の数
- クラウドワークサービスによる受注ワーカー数
子どもから大人まで「人」を育むまちづくり|豊橋市
愛知県 豊橋市は、共働きで子育てしやすいまち及び活力あふれる持続可能な産業のまちの実現を目指し、子育て世帯をターゲットにしたあそび場・まなび場をつくるとともに、デジタル環境を利用した家事代行サービスや学びなおしができる環境づくりの整備を行うことで、共働きでありながらも子育てしやすいまちづくりを推進しています。
事業内容
本事業では、女性就業者の創出にスポットをあてながら、共働きでも子育てしやすい環境の構築を図っています。
具体的には、身近な拠点である地区市民館を有効活用し、子育て世代同士が交流でき、子どもが遊び、親が学べる場所を整備することで、安心して子どもを育てる環境を構築するとともに、1歳未満児を育てているすべての家庭が気軽に家事代行サービスが利用できる環境を整備することで、育児や家事に係る負担を軽減し、子育ては家族のみで行うものではなく、社会全体で子育て世帯を支援する機運を醸成しています。
また、女性を含めた企業や個人が、学びなおしを通じて成功するために必要なカリキュラム等の調査を行い、地域のステークホルダーである大学や企業と連携し、情報発信やプラットフォームの形成、サービス提供を通じて、子育て世代を含む誰もが活躍できるまちづくりの実現を目指しています。
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主なKPI
- 女性就業者数
- 産業人材育成事業参加者数
- 新たなビジネスモデル創出に関する事業への参加者数 等
若者・子育て世代に向けた情報発信強化事業|笠岡市
岡山県 笠岡市は、子育て環境の良さを市内及び近隣市町の子育て世代へ伝え、実際に来て体験し、“お試し移住”をしてもらうため、新たな働き方を取り入れた関係人口創出による若者・子育て世代に向けた情報発信強化事業を推進しています。
子育て環境に係る情報発信を行うことや、離島に住む子育て世代のサポート等を充実させること、関係人口創出に力を入れることで、市外の子育て世代に笠岡市での暮らし、子育てに安心感を持ってもらい、市内への移住促進につなげます。
事業内容
本事業では、市外からの子育て世代の流入につなげるための取組を実施しています。
具体的には、子育て世代のニーズ調査や情報を整理したうえで、市内外の子育て世代に向けてSNS、Webメディアによる情報発信や、チャットボットの導入をするとともに、子育て支援に係る制度の周知や移住後の生活をイメージするための動画作成や親子イベントの開催を通じて、笠岡市での子育てを知ることができる環境を作ります。
また、特に子育て世代が少ない離島では、保育施設の運営の補助、離島同士や陸地部の子どもたちとの交流を促進させる取り組みやワーケーションを受け入れできる環境等を整備することで、島でしかできない体験を市内外の子どもや親子で共有することで島暮らしの魅力を知ってもらい、移住につながる濃い関係人口を創出します。
瀬戸内海に面している笠岡市には大小31の島々からなる笠岡諸島があり、そのうちの高島、白石島、北木島、真鍋島、大飛島、小飛島、六島の7島が有人島です。
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主なKPI
- 社会動態人口年間増減数
- 年度末における5歳児の人口と5年前の0歳児の人口を比較した増減割合
- 旅客船の利用人数
〈参照〉
妊娠・出産・子育てに関する取組事例集(内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局)
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/syoushikakoujirei/pdf/20231222_kekkonsyussankosodatejireisyu.pdf



