自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 企画・財政
  3. 行財政改革
  4. 介護認定業務をシステムで効率化し、「ぬくもりのある調査」を守り続ける
福岡県福岡市の取り組み
先進事例2024.04.19
要介護認定調査の効率化

介護認定業務をシステムで効率化し、「ぬくもりのある調査」を守り続ける

[提供] 株式会社富士通四国インフォテック
介護認定業務をシステムで効率化し、「ぬくもりのある調査」を守り続ける
この記事の配信元
株式会社富士通四国インフォテック
株式会社富士通四国インフォテック

※下記は自治体通信 Vol.57(2024年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

高齢化の進展に伴い、逼迫の度を増している自治体業務の1つに、要介護認定申請への対応業務がある。申請件数そのものの増加に加え、紙ベースの業務の煩雑さ、調査員の人員不足などが背景にある。これに対し、福岡市(福岡県)では、専用システムの導入によって調査票作成業務のデジタル化を図り、業務効率の改善に成功しているという。導入の経緯とその効果について、同市担当者の松﨑氏に話を聞いた。

[福岡市] ■人口:164万5,364人(令和6年3月1日現在) ■世帯数:87万4,009世帯(令和6年3月1日現在) ■予算規模:2兆1,464億円(令和6年度当初) ■面積:343.47km² ■概要:博多湾を取り囲むように市街地が広がる魅力ある景観と充実した都市機能がコンパクトに整った都市。アジアの玄関口として、 国際線の定期航空路線も多い。また、卸売業やサービス業、金融部門などにおいては厚い集積を見せ、九州市場における拠点都市としての役割を果たしている。
インタビュー
松﨑 友紀
福岡市
福祉局 高齢社会部 介護保険課 介護認定係長
松﨑 友紀まつざき ゆき

人員不足が顕在化。調査業務の効率化が課題に

―要介護認定業務において、どのような課題を抱えていましたか。

 当市では、高齢化の進展に伴い、要介護認定者は7万人を超えており、今後も申請は増え続けることが予想されています。それに対して、市職員の調査員一人が訪問できるのは1日2~3件程度で、増員は難しく人員不足が顕在化していました。そうした状況でも、要介護者やその家族と面会する調査時間は決して減らしたくなかったので、いかにそれ以外の時間を短縮して調査業務を効率化できるかという課題を抱えていました。

―効率化に向けて、どのような検討を行ったのでしょう。

 従来、訪問先で用紙にメモをとり、帰庁後にパソコンで調査票を作成していました。帰庁後からしか作成作業ができませんでしたので、たとえば訪問先で調査票を完成できるようなシステムがあれば、調査業務の効率化につながると考えました。そのようなとき、『自治体通信』で『訪問調査モバイルV2』の記事を読み、大変興味を持ちました。

―システムのどういった点に興味を持ったのですか。

 国から指定された74項目にもわたる質問項目とその関連項目がタブレット端末に表示され、それらの質問に沿って調査していくだけで、「特記事項」に記入すべき文章がその場で自動作成されます。そのため、調査票作成時間を大幅に短縮できると感じました。画面構成がわかりやすく操作も簡単で、タッチパネル形式の選択肢から選ぶだけなので、システムに不慣れな調査員でも使いこなせると感じました。また、タッチペンでメモを取れる機能も調査員のニーズに応えられると思いました。調査業務を効率化できるシステムと考え、令和5年3月から導入しています。

調査員の残業時間が半減に

―導入効果はいかがですか。

 まずは、導入後数ヵ月で調査員の残業時間が半減されました。調査員は、訪問先のほか、移動時間や隙間時間を利用してタブレット端末を操作し調査内容を入力できるので、帰庁時には調査票がほぼ完成しており、調査内容を編集するだけで済みます。また、質問についてはすべてタブレット端末に表示されるため、経験の浅い調査員の質問の抜け漏れによる「手戻り」がなくなったことも、調査の効率化につながっています。さらに、当市のベテラン調査員がこれまで培ってきた「質問力」や「文章表現」をシステムに組み込み再現できるので、調査票の質の確保にも有効だと思いました。介護保険制度開始から20年以上が経過し、調査員の後継者づくりも課題でしたので、システム導入をきっかけに、こうした「文章表現」などの検討を、開発元の富士通四国インフォテック社の協力を得ながらできたことは有益でした。

―今後の方針を聞かせてください。

 システムを活用し業務の効率化を進め、要介護認定申請の増加に対応しながらも、「ぬくもりのある調査」を維持していきたいです。

支援企業の視点
増え続ける介護認定調査の効率化は、いまや喫緊の課題に
インタビュー
近藤 徳大
株式会社富士通四国インフォテック
公共第一システム統括部 自治体システム部 介護福祉グループ
近藤 徳大こんどう のりひろ
平成6年、香川県生まれ。平成29年、株式会社富士通四国インフォテックに入社。市区町村向け介護保険システムの導入、開発、保守業務を担当する。令和元年から現職。

―介護認定業務をめぐる自治体の課題とはなんでしょう。

 高齢化の進展によって介護認定申請が増加するなか、申請日から30日以内に介護認定を行うことが法律で定められているため、多くの自治体で調査業務は逼迫しています。そうしたなか、紙ベースの業務運用による残業時間の増加、専門人材の不足といった問題も顕在化していますが、「調査自体は丁寧に行いたい」と考える自治体は多いです。そこで当社では、調査業務の効率化を支援する『訪問調査モバイルV2』を自治体に提案しています。

―特徴を教えてください。

 タッチパネルで質問に回答するだけで、現場で調査票を完成させることができる点が最大の特徴です。すべての質問に回答していなければ提出できない仕組みとなっており、質問の抜け漏れを防ぎます。調査の「手戻り」が発生することもなくなるので、介護認定の期間が短縮できたという事例も報告されています。また、調査項目間の不整合を検知する機能もありますので、精度の高い調査が可能で、調査員の「経験の差」も補うことができます。さらに、訪問地までの最適なルートを表示する機能や、それと連動して調査員の空き状況から最適な日程調整を行えるといった現場目線の機能も実装しています。

 今後も介護認定申請は増え続けることが予想されるなか、調査業務の効率化は喫緊の課題です。リリース以来、現場の声をもとに、機能強化や新機能の追加にも継続的に力を入れています。ぜひお問い合わせください。

株式会社富士通四国インフォテック
株式会社富士通四国インフォテック
設立

昭和43年4月

資本金

5,000万円

従業員数

336人(令和5年4月1日現在)

事業内容

システムインテグレーション、パッケージソフト、ICT機器・ソリューション販売、アウトソーシングサービス開発、ネットビジネスソリューション提供など

URL

https://www.fujitsu.com/jp/group/fsit/

お問い合わせ先
087-862-4580(平日 9:00~17:00)
fsit-mobile@cs.jp.fujitsu.com
サービス資料を確認する
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
自治体通信 事例ライブラリー
公務員のキャリアデザイン 自治体と民間企業の双方を知るイシンが、幅広い視点でキャリア相談にのります!