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市民が使い慣れた『LINE』で、24時間体制の通報受付を実現

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熊本県熊本市の取り組み

SNSを活用した通報の受付

市民が使い慣れた『LINE』で、24時間体制の通報受付を実現

熊本市
土木総務課 主幹兼主査 柳田 敏郎
ごみ減量推進課 主幹兼主査 松村 智博
[提供] transcosmos online communications株式会社

※下記は自治体通信 Vol.33(2021年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


多くの自治体は日々、公共インフラの損傷や資源物等の持ち去りといった情報提供を住民から受け付けている。しかし、閉庁後には電話で対応できず、住民が見つけた「気づき」を受け取れないケースも少なくない。これに対し、熊本市(熊本県)は、SNSツールの『LINE』を活用した24時間体制の通報受付を実現した。取り組みで得られた成果について、土木総務課の柳田氏と、ごみ減量推進課の松村氏に聞いた。

[熊本市] ■人口:73万7,835人(令和3年7月1日現在) ■世帯数:33万3,681世帯(令和3年7月1日現在) ■予算規模:6,641億4,398万3,000円(令和3年度当初) ■面積:390.32km² ■概要:九州の中央、熊本県の西北部に位置する。金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなり、東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、南部は白川の三角州で形成された低平野からなる。人口減少・少子高齢化が進むなか、地域を活性化し経済を持続可能なものとし、人々が集まる魅力的な圏域を形成するため、県内の18市町村と「連携中枢都市圏構想」に取り組んでいる。
熊本市
土木総務課 主幹兼主査
柳田 敏郎 やなぎだ としろう
熊本市
ごみ減量推進課 主幹兼主査
松村 智博 まつむら ともひろ

照明灯の不具合は、夜間にしか気づけない

―熊本市では、市民からどのような通報を受け付けていますか。

柳田 土木部および各区の土木センターでは、道路における路面損傷や照明灯の不具合、公園におけるベンチの損傷、河川における設備損傷などについて、通報を受け付けています。通報はほぼ毎日発生し、年間約7,000件が寄せられています。

松村 ごみ減量推進課では、古紙や空き缶といった資源物等の持ち去りに関する通報を受け付けています。令和元年度は、電話を中心とした通報が約300件ありました。しかし、実際はさらに多くの持ち去りが起きているのが実情です。

―どういうことでしょう。

松村 資源物等の持ち去りは、早朝や土曜日など庁舎が開いていない時間帯や曜日に発生することが多く、かりに市民が現場を目撃しても、通報に結びつかないケースがあると考えられるのです。

柳田 土木施設についても、「照明灯がつかない」という不具合は夜間でないと気づけないため、同様に通報が行われていないケースがあるのではないかと感じていました。こうしたなか、当市が令和元年度から活用している『KANAMETO』というメッセージ配信ツールに通報機能が追加されたことを知り、令和2年6月に導入しました。

―どのような仕組みですか。

柳田 『LINE』アプリを介し、時間帯の制約を受けずに通報を受けられるのです。住民は『LINE』のリッチメニュー*1から「市民レポート」をタップ。そこから、チャットボットで表示される案内に従い、通報項目を選ぶだけで、写真や位置情報とともに情報提供を行えます。通報が完了すると、担当部署に通知が届く仕組みです。

資源物等の持ち去り通報は、従来の2倍に増加

―導入の成果を教えてください。

松村 ごみ減量推進課では、昨年6月から今年3月までに『LINE』で350件の通報が寄せられました。電話による通報を含めると約600件となり、倍増しました。持ち去り行為者数は減少傾向であるにもかかわらず通報が増加した要因として、電話のやり取りが不要で、市民が気軽に通報できる点が考えられ、違反行為のより正確な実態把握に役立っています。

柳田 土木部および各区の土木センターにも、『LINE』経由の通報が年間約400件、寄せられました。通報のチャネルが増えたことで、市民による情報提供の機会を広げられたと実感しています。

―今後の活用方針を聞かせてください。

柳田 熊本市『LINE』公式アカウントの「友だち」の数は、アカウント開設時に掲げた目標である10万人を今年6月に達成することができました。老若男女を問わず非常に多くの人が利用する『LINE』は、すでに当市の重要なコミュニケーションツールとなっています。今後も引き続き、通報機能の認知度を高め、市民と一緒に住みよいまちづくりにつなげていきたいと考えています。

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支援企業の視点

身近なSNSのチャットボットが、的確な情報を住民から引き出す

transcosmos online communications株式会社
代表取締役社長 貝塚 洋
[提供] transcosmos online communications株式会社
transcosmos online communications株式会社
代表取締役社長
貝塚 洋 かいづか ひろし

―通報の受付に課題を感じる自治体は多いのですか。

 電話を受け取るたびに業務が中断されるうえ、閉庁後には職員が対応できないといった点に課題を感じている自治体は多いです。住民にとっても、開庁時間に合わせて電話をかけ、情報を口頭で説明しなければいけない点が、通報に対するハードルとなっているケースがあるでしょう。こうしたなかで、住民の生活に身近な『LINE』で通報を受け付けることができる、当社の『KANAMETO』が注目されています。

―特徴を教えてください。

 職員が状況把握に必要な情報を住民から的確に引き出せるよう、通報シナリオを柔軟に設計できることです。たとえば、位置情報・写真添付の要否やフリーテキストフォームの設置などを簡単にカスタマイズできます。住民はチャットボットの案内に従って簡単な操作を行うだけで、自治体が必要とする情報を提供できます。現時点で約30の自治体が導入し、さまざまな通報に活用しています。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 公共インフラ化している『LINE』を通じ、自治体と住民のコミュニケーションを活性化させる機能を、今後も充実させていきます。『KANAMETO』は、自治体からの情報発信ツールとして利用されてきましたが、「住民からの情報提供も受け付けたい」という要望を受け、通報機能を新たに開発しました。最近では、防災メールを『LINE』で自動配信できる機能も追加しています。関心のある自治体の方はぜひ、ご連絡ください。

貝塚 洋 (かいづか ひろし) プロフィール
昭和63年、トランスコスモス株式会社に入社。海外事業本部副本部長などを歴任し、現在、同社の取締役専務執行役員。平成28年、transcosmos online communications株式会社の設立にともない、同社の代表取締役社長に就任。
transcosmos online communications株式会社
設立 平成28年5月
資本金 3億7,400万円(資本準備金を含む)
従業員数 24人(令和3年8月1日現在)
事業内容 『LINE』を活用した行政のDXツール『KANAMETO』の開発、販売など
URL https://transcosmos-online.com/
お問い合わせメールアドレス sales@kanameto.me
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*1:※リッチメニュー : 『LINE』公式アカウントの機能のひとつで、ユーザーを各種コンテンツに誘導するためにトーク画面の下部に大きく表示されるメニュー