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鮮度の高い医療・介護情報を、サイト更新の手間なく発信する

東京都中野区の取り組み

地域包括ケアに関する情報発信①

鮮度の高い医療・介護情報を、サイト更新の手間なく発信する

中野区
地域支えあい推進部 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域支えあい推進部 介護・高齢者支援課 能登谷 幸輝
[提供] トーテックアメニティ株式会社

※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


医療・介護に関するサービスや事業所の最新情報をいかに漏れなく住民に発信するかは、地域包括ケアシステムの効果的な推進を目指す自治体の課題となっている。こうしたなかで中野区(東京都)は、職員が情報の収集や更新を行うことなく、地域包括ケアに関する最新情報をWebサイトで発信している。取り組みの詳細について、同区の藤井氏と能登谷氏に聞いた。

中野区データ
人口:33万3,952人(令和3年3月1日現在) 世帯数:20万7,048世帯(令和3年3月1日現在) 予算規模:2,115億6,600万円(令和3年度当初案) 面積:15.59km² 概要:東京23区の西方に位置し、東は新宿・豊島、西は杉並、南は渋谷、北は練馬の各区に接している。地名の由来は、武蔵野台地の真ん中に位置しているためといわれ、中野の名は、和歌山県の熊野那智大社に伝わる貞治元年(1362年)の古文書に初めて登場する。新宿へのアクセスの良さから住宅地として発展し、人口密度と単身世帯率の高さは東京23区内でも上位を占める。
中野区
地域支えあい推進部 地域包括ケア推進担当部長
藤井 多希子ふじい たきこ
中野区
地域支えあい推進部 介護・高齢者支援課
能登谷 幸輝のとや こうき

事業所から申し出がなければ、古い情報も掲載されたままに

―中野区ではもともと、地域包括ケアに関する情報をどのように発信していましたか。

藤井 区内の介護予防・生活支援サービスや介護サービス事業所といった地域包括ケアに関する「資源情報」を、区のWebサイトを使って発信していました。このWebサイトは、職員が1ヵ月に1回の頻度で内容を更新して運用していました。

―サイトの更新はどのように行っていたのでしょう。

藤井 「指定事項」の変更や、新規開業した事業所の詳細など、事業所から申し出のあった情報を区の職員が収集。それをさらにPDFファイル化し、サイトに反映していました。しかしこの業務は手間や時間がかかるうえ、事業所から申し出がなければ古い情報が掲載されたままになってしまうこともありました。そのため、「いかに職員の手間をかけずに鮮度の高い情報を発信できるか」は、サイト運営上の課題となっていました。

能登谷 そこで当区では、サイト運営の大幅な見直しを検討。トーテックアメニティが提供する社会資源把握支援サービス『けあプロ・navi』を導入し、昨年11月に新たなWebサイトを開設しました。このサービスの最大の特徴は、地域資源情報の収集や更新を自治体に代わって行ってくれるところで、この点が導入の決め手となりました。

利用者は地図やサービス別に、必要な情報へ簡単にアクセス

―情報はどのように収集・更新されるのですか。

藤井 トーテックアメニティの情報センターで、医療・介護の専門的な知見をもったスタッフが、事業所から申し出のあった指定事項の変更といった情報を収集し、サイト上で更新してくれています。そのうえ、同社が各事業所に対して定期的な調査を主体的に実施してくれるため、かりに事業所から申し出がない場合でも、情報の抜け・漏れを防げています。調査内容には、従来は区が収集していなかった「施設の空き状況」といった項目も含まれており、以前よりも充実した情報を発信できるようになりました。こうした支援を受けることにより、情報の収集・更新にかかる職員の負担はほとんどなくなっています。

能登谷 このほかサイトの刷新では、利用者にとってのメリットも得られています。

―どのようなメリットですか。

能登谷 住民は、地図や地名、サービスといった条件で事業者情報を検索できるため、利用シーンに合わせて必要な最新情報を簡単に得られるようになっています。また、「関係者向けサイト」では、区や東京都、厚生労働省から事業に関する情報が一括で提供されるため、医療・介護従事者やケアマネジャーといった関係者は、異なる機関に散在する情報も単一のサイトから簡単に得られます。


―地域包括ケアをめぐる今後の運用方針を聞かせてください。

藤井 中野区における地域包括ケアの最大の特徴は、地区担当の「アウトリーチチーム」が生活支援コーディネーターとして、さまざまな事業主体と連携しながら活動していることです。『けあプロ・navi』では、生活支援コーディネーター向けの業務支援ツールも提供されているので、今後はそうしたツールの活用も検討していきたいです。行政と民間、住民が一体となった地域包括ケアシステムの構築をいっそう強く推進していきたいですね。


支援企業の取り組み

地域包括ケアに関する情報発信②

情報の「更新と共有」を効率化し、福祉サービスの充実に専念を

トーテックアメニティ株式会社
公共医療システム事業部 公共東日本営業部 第2営業グループ 課長 本間 大士

前ページでは、「地域資源情報」の収集とWebサイト上での発信を、職員の負担なく行っている中野区の事例を紹介した。ここでは、同区の情報発信を支援したトーテックアメニティを取材。充実した地域包括ケアシステムの運用を目指す自治体が「地域資源情報」の収集で抱えがちな課題について、同社の本間氏に聞いた。

トーテックアメニティ株式会社
公共医療システム事業部 公共東日本営業部 第2営業グループ 課長
本間 大士ほんま ひろし

7割以上の自治体が感じる「資源把握に改善の必要性」

―自治体における地域包括ケアに関する情報発信の現状を教えてください。

 平成30年度より「在宅医療・介護連携推進事業」の実施がすべての市区町村に義務づけられました。これを受け、各自治体は、地域住民がより適切な医療・介護を受けられるよう、地域資源の把握を行い、その情報の発信に取り組んでいます。

 しかし、重要なのは、地域で把握した資源情報を活用して、より充実した地域包括ケアシステムを確立させていくことであり、情報の収集や更新そのものではありません。ある調査結果(※)によると、実際に自治体の7割以上が「資源の把握について改善の必要性を感じる」と回答しています。

※出所:野村総合研究所『2018年 在宅医療・介護連携推進事業における全市町村の取り組み状況報告書』

―つまり、情報の収集にかかる職員の負担はできるだけ軽減したいと。

 はい。そこで当社が提供する『けあプロ・navi』では、自治体に代わって地域資源情報の収集・更新を実施しているのです。情報の収集・更新を行う当社の「情報センター」は、医療・介護事務の有資格者や実務経験が10年以上のベテランスタッフにより構成。こうした高い専門性をもつスタッフが各種調査を通じ、鮮度の高い情報発信を支援しているのです。

サービスにあわせて、頻度の異なる調査を実施

―具体的にどのような調査を行っているのですか。

 調査の実施頻度が高い「空き状況」を例に説明しましょう。たとえば「短期入所生活介護」の場合、「男女別に、向こう2週間の施設の空き状況」を週に1回、「居宅介護支援」であれば、「ケアプランの作成が可能な数」を、隔週でそれぞれ調査します。このように、サービスごとに情報鮮度を保ちつつ、事業所側の負担が重くならない頻度で、これまでの調査経験を活かして調査を行っています。

 当社は、こうして得られた情報をさらにニーズごとに切り分け、住民だけでなく、医療・介護事業所やケアマネジャーといった関係者にも専用のWebサイトを通じて発信しています。

 昨年からは新たに、生活支援コーディネーター向けの業務支援ツールも『けあプロ・navi』に実装しました。これは、「生活支援体制整備事業」に関する課題を抱える自治体の要望に応えるカタチで、新たに提供を始めたものです。


生活支援体制整備事業では「組織間の情報共有」が課題

―生活支援体制整備事業に関する課題とは、どのようなものですか。

 生活支援コーディネーターが地域で発掘したインフォーマルサービス(※)について、「サービスのリストや地図といった情報が整理・共有できていない」という課題です。課題の背景には、生活支援コーディネーターの所属が、自治体や社会福祉協議会、地域包括支援センターなど異なる複数の組織に分かれていることにあります。そこで、生活支援コーディネーター向け支援ツールでは、「資源情報の登録」や「コーディネーターの活動記録」「イベント情報の周知」といった情報を集約できる、共通のプラットフォームを提供。異なる組織間でも情報を一元的に共有することが可能になります。

※インフォーマルサービス:家族や地域住民、ボランティア、NPOなど、公的な機関や制度にもとづかずに民間が提供する介護サービスのこと


―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 『けあプロ・navi』は、介護保険制度が始まった平成12年度に提供を始め、現在は約70の自治体での採用実績があります。今後も自治体のさまざまなニーズにあわせて、『けあプロ・navi』のサービスや機能を充実させていきます。それにより、地域包括ケアにかかわる職員や関係者の業務を支援することで、地域社会に貢献していきたいですね。

本間 大士 (ほんま ひろし) プロフィール
昭和57年、宮城県生まれ。平成16年に宮城大学を卒業後、イートス株式会社に入社。自治体向けパッケージソフトの営業・企画を担当。平成30年、トーテックアメニティ株式会社に入社。令和元年より現職。おもに自治体福祉部門向け自社ソリューションの営業全般を担う。
トーテックアメニティ株式会社
設立 昭和46年5月
資本金 1億円
売上高 255億3,877万円(令和2年3月期)
従業員数 2,328人(令和3年1月末現在)
事業内容 ITソリューション事業、エンジニアリングソリューション事業
URL https://www.totec.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5657-3201(平日9:00〜17:00)
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