
茨城県大子町の取り組み
紙帳票における業務効率化
LGWAN対応のAI-OCRで、大量の入力業務を自動化
まちづくり課 主任 佐川 元気
会計年度任用職員 藤田 美由紀
※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
20年後には日本の労働力人口の大きな減少が予見されており、自治体は従来の半分の職員でも本来担うべき機能が発揮できる「スマート自治体」に転換することが必要となっている。そんななか、大子町(茨城県)では紙帳票の入力業務において業務効率化を図っているという。大子町役場の担当者2人に、詳細を聞いた。


年間1万枚超の入力を、ひとりで行っていた
―今回、業務効率化を図ったのはどのような業務でしょう。
佐川 平成27年度から行っている、「タクシー利用助成事業」の紙帳票入力業務です。大子町では65歳以上で車が運転できない方に対し、通常料金の半額で利用できるタクシー券をお渡ししています。タクシーを降りる際、運転手さんが「どの区間を走って料金がいくらかかったか」を手書きで記入。それを事業者に月末締めで、まとめて提出してもらい、集計したうえで割引分を役場が支払う仕組みです。
月平均で約1,100枚のタクシー券が役場に届いており、その入力業務を藤田がひとりで担当していたのです。
藤田 本来業務を別に抱えており、一枚一枚確認してExcelに手入力するのは、本来の業務に集中できない状態につながっていました。
―その業務をどのようにして効率化したのですか。
佐川 NTT東日本の提案で、紙帳票の手書き文字をコンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換するOCR(※)技術にAIを組み込んだ、AI-OCRの存在を知ったのです。類似の他社サービスはインターネットに接続するものが多いなか、同社の『AIよみと~る(LGWAN接続タイプ)』(以下、『AIよみと~る』)はLGWAN内で閉じたシステム構成と聞きました。住民情報を取り扱うため、情報セキュリティが担保されていることが決め手に。実際に、令和2年の1月から導入しています。
※OCR:Optical Character Recognitionの略。光学的文字認識
紙帳票を大量処理する業務に、活用領域を広げていきたい
―効果はいかがでしょう。
藤田 これまで丸4日間かかりきりで処理していましたが、3割ほど作業時間が削減されました。そのぶん、事業者に早く料金が振り込めるようになりました。タクシー券をスキャンしたデータを『AIよみと~る』で読み取り、CSVデータに変換、Excelに貼り付けるだけなので、最初からスムーズに作業できました。さらに、私がぱっと見て読めないような、くずれている文字(上部写真参照)がちゃんと認識できていたときには正直驚かされましたね。
―今後における『AIよみと~る』の活用方針を聞かせてください。
佐川 紙帳票を大量に処理する業務に、活用領域を広げていきたいですね。たとえば、税務課の給与支払報告書入力業務での利用を検討しています。大子町としても、職員の人数が減っているなか、いかにツールを活用して業務効率化を図っていくかが重要だと考えています。今後も積極的に、『AIよみと~る』を活用していきます。

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