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栃木県那須塩原市の取り組み
先進事例2026.10.14
要介護認定業務の効率化

【要介護認定・自治体DX】AIを用いた認定調査票の確認業務、訪問件数増加と審査期間短縮に寄与
(要介護認定支援AIサービスAitice® / NTTデータ東北)

[提供] 株式会社NTTデータ東北
【要介護認定・自治体DX】AIを用いた認定調査票の確認業務、訪問件数増加と審査期間短縮に寄与(要介護認定支援AIサービスAitice® / NTTデータ東北)
この記事の配信元
株式会社NTTデータ東北
株式会社NTTデータ東北

※下記は自治体通信 Vol.77(2026年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

団塊の世代が間もなく80歳に差しかかることから、今後さらなる増加が予想される要介護認定の申請。その対応を迅速に行うことが求められている自治体では、どのようにして要介護認定業務の効率化を図るかが、重要な課題となっている。そうしたなか、那須塩原市(栃木県)では、介護認定調査票*(以下、調査票)の確認業務にAIを導入し、大きな成果をあげているという。同市の担当者2人に、導入の経緯と具体的な成果について聞いた。

*介護認定調査票:要介護認定調査員が、介護保険の要介護認定を申請した本人や家族から心身の状態や日常生活の様子を聞き取り、その結果を記録する書類

[那須塩原市] ■人口:11万2,236人(令和8年9月1日現在) ■世帯数:5万661世帯(令和8年9月1日現在) ■一般会計予算:640億円(令和8年度当初) ■面積:592.74km² ■概要:栃木県北部に位置する。塩原温泉郷や板室温泉といった名湯が存在し、グリーン・デスティネーションズから2年連続で「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出され、令和7年には「シルバーアワード」を受賞。本州1位の生乳産出額を誇る酪農や、「那須疏水」の清らかな水、高原の寒暖差を活かした農作物の栽培が盛んな全国有数の農業のまち。多彩な農畜産物や加工品のなかから、厳選した特産品をプレミアムな地域ブランド「那須塩原ブランド」として認定している。
インタビュー
倉俣 久美子
那須塩原市
保健福祉部 高齢福祉課 介護認定係 主任
倉俣 久美子くらまた くみこ
インタビュー
佐藤 和花
那須塩原市
保健福祉部 高齢福祉課 介護認定係 主任
佐藤 和花さとう わか

訪問調査体制の強化が急務に

―調査票の確認業務に、AIを活用したサービスを導入した経緯を教えてください。

倉俣 調査票は、要介護度を決める重要な根拠資料です。それゆえ、74調査項目すべてにわたり、選択式の「基本調査」の内容と、選択肢だけでは伝わらない状況説明を行う記述式の「特記事項」の内容に矛盾がないか、整合性を1項目ずつ確認します。たとえば、基本調査の「片足での立位」の選択肢では「できない」にチェックしているのに、特記事項は「手すりにつかまりながら階段を昇り降りできる」という記述だと、内容に矛盾があり修正を要します。

佐藤 AI導入前の令和5年の訪問調査件数は月平均245件で、そこで作成される調査票の確認業務はすべて、ベテラン調査員らが自らの訪問調査業務も担いながら、目検で行っていました。確認に要する時間は1件あたり約25分、ときには40分かかることもありました。調査票をめぐるこの煩雑な確認業務が、訪問調査件数を拡大し、迅速な認定につなげるうえでの制約の1つとなっていました。また、令和5年当時は、令和6年3月末の特例措置*終了により、申請件数の大幅増が予想され、訪問調査体制の強化は急務でした。そこで、1つの施策として、調査票の確認業務をAIが代替してくれるサービス『Aitice(アイティス)』を導入し、令和6年1月から本格稼働させました。

―導入効果はいかがですか。

倉俣 導入後は、各調査員がPDFフォームに入力した調査票をパソコン上から『Aitice』にアップロードすれば、AIが確認業務を自動で行ってくれるようになりました。確認時間も約5~10分に短縮されています。確認精度も高く、安心して業務を進められます。

佐藤 その結果、令和7年の月平均の訪問調査件数は、令和5年比で約27%増の310件になりました。調査員の増員も行いましたが、『Aitice』の活用で、訪問調査にあてられる時間が増えた効果が大きかったと実感しています。そのほか、申請受付後に調査員が訪問調査にうかがうまでの日数が短縮されるといった効果も生まれており、訪問調査件数をさらに増やす好循環につながっています。

*特例措置:コロナ禍における「要介護認定の有効期間延長」のこと。介護サービスの更新申請者の希望により、対面による認定業務を受けなくても有効期間を延長できる

審査期間は「約1ヵ月」に短縮

―今後の方針を聞かせてください。

佐藤 当市では、申請受付から認定までの審査期間について、もっとも長いときには約2ヵ月かかることもありましたが、令和8年1月には、「約1ヵ月」に短縮できるまでになりました。今後は確認業務以外でのDX推進も積極化し、介護サービスの提供をさらに迅速化していきたいと考えています。

支援企業の視点
日本語に最適化された独自AIなら、精度の高い確認業務が可能に
インタビュー
佐々木 暁
株式会社NTTデータ東北
公共事業部 営業部 統括部長
佐々木 暁ささき あきら
平成14年に株式会社NTTデータへ入社し、おもにインターネットバンキング分野の商品企画に従事。その後、平成26年7月に株式会社NTTデータ東北へ移り、金融機関向け営業を経て、介護DX、行政DX、防災分野における自治体・公共向けビジネスを担当。令和7年4月より現職。

―自治体では、要介護認定業務の効率化が迫られていますね。

 はい。要介護認定の申請は増加の一途をたどっており、認定手続きの効率化は急務です。そこで、調査員や職員の増員が難しいなか、迅速な介護サービスの提供に向けて尽力している自治体を支援するサービスとして開発したのが『Aitice』です。導入自治体からは、確認時間の削減効果だけでなく、なかには「審査期間が平均10日短縮した」といった声も届いています。

―開発に際して重視したポイントはありますか。

 AIによる調査票の確認作業を高精度化させ、サービスの信頼性を高めることにこだわりました。そこに向けて、「日本語版BERT*」をAIエンジンとして搭載し、日本語に最適化されたデータ処理手法を導入するなど、当社独自の開発を行いました。この精度向上に対する一連の技術において特許を取得しています。

 また、現状の介護保険システムの運用に影響が出ないよう、各自治体が普段使うさまざまな調査票形式に対応できるデータ変換方式を開発し、各種の調査票から情報を取り込める仕組みにしたことも特徴です。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 介護DXを支える中核的な仕組みとして国が推進している「介護情報基盤」は、NTTデータグループが構築を支援しています。今後は、同基盤と『Aitice』との連携でも官庁側と協議を進め、『Aitice』の適用範囲を拡大させることで、より一層自治体への支援を広げていきたいと考えています。

*日本語版BERT:日本語の文脈や単語に特化して学習させた自然言語処理モデル

株式会社NTTデータ東北
株式会社NTTデータ東北
設立

平成2年3月

資本金

1億円

売上高

120億円(令和8年3月期)

従業員数

337人(令和8年4月1日現在)

事業内容

情報システムの開発および保守の受託、販売など

URL

https://www.nttdata-tohoku.co.jp/

お問い合わせ先
022-721-5535(平日 10:00〜17:00)
sales_koukyou@hml.nttdata-tohoku.co.jp

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