【両立支援・仕事と介護】職員同士の「介護」への理解を深め、気兼ねなく休める職場づくりを推進
(ベネッセの両立支援サービス / ベネッセシニアサポート)


※下記は自治体通信 Vol.73(2026年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人材不足が深刻化する自治体において、介護離職は軽視できない組織課題であり、防止に向けた対策が求められる。東京23区の職員6万8,000人を組合員とする特別区職員互助組合では、その対策として、仕事と介護を両立しやすい風土を醸成する民間事業者の介護に関するプログラムを導入した。そして実際に介護に携わっている職員と、そうでない職員、どちらに対しても「介護」への理解を深める取り組みを実施し、意識改革を促している。その内容と効果を担当者に聞いた。

責任感がネックとなり、「負のスパイラル」に陥る
―最初に、特別区職員互助組合の組合員に見られる仕事と介護の両立課題を教えてください。
育児・介護休業法の改正など法整備は進んでも、職場の人手不足を職員が認識しており、休暇を取りたくても「休めばみんなに迷惑を掛けてしまう」といった心理から介護休業などを申し出にくい雰囲気があります。
―民間事業者の支援を受けることを決めたのはなぜでしょう。
環境整備が喫緊の課題で、介護離職を防止する根本的な解決策として職場風土を改める必要を感じました。行政官である自治体職員は育児・介護休業法など制度は認知・理解していても、なかなか利用に踏み切れません。その理由は、人員補充の難しさを知っていることに加え、提供する住民サービスの低下を危惧するためです。その責任感の強さがネックとなり、結果的に職員にも自治体運営にも悪影響をおよぼす「負のスパイラル」を引き起こす要因になります。もはや介護は当事者だけで抱え込むべきではない問題であることを、職員が広く認識する必要があると判断し、豊富な知見を備えている民間事業者の支援を受けることを決めました。
―支援を受けるにあたり重視したのはどういった点ですか。
これまでも仕事と介護の両立支援セミナーなどは実施していました。しかし単発的な開催でもあり、職場全体の意識を変えるまでには至りませんでした。そのため2〜3年かけた継続的な取り組みで仕事と介護の両立への理解を深める必要を感じました。そこで、しっかりと筋道の立った段階的なプログラムを提供してもらえるかどうかを重視し、ベネッセシニアサポートのサービス導入を決めました。グループで長年にわたる介護事業の実績があり、実際に提供される介護サービスの知見が深いことにも信頼が置けました。具体的には「親が65歳になったら考える介護のこと」をコンセプトにしたプログラムで継続的な学びを提供しています。
―導入後の反響はいかがですか。
3年契約の2年目で、本格的な効果検証はこれからですが、職員対象のアンケート結果では好感触です。介護が本格化する前の「早い段階」からの備えとして、仕事との両立に向けた情報を収集し、家族間のコミュニケーションを通じて「親の状態を知る」ことで、無理なく自分らしく働き続けられ、仕事と介護を両立させられることがわかる内容になっています。「精神的な負担が軽くなった」「介護はすでに始まっているが、一人で抱え込まず、いま一度、家族や介護の専門家に相談してみる」といった声も聞かれ、自主的に参加を繰り返している職員もいます。課題解決に向けて着実に前進している手応えを感じます。
「終わりの見えない不安」に、職場全体で向き合っていく
―仕事と介護の両立支援に関する今後の方針を聞かせてください。
介護に携わる当事者の個別相談も依頼できるため、さらに踏み込んだ取り組みを考えています。私自身、親の介護を経験するなかで「終わりの見えない不安」を感じていました。社会の少子高齢化がより一層進むなか、自治体でもこの社会課題にどのように向き合っていくかが問われています。行政DXによる業務効率化といった施策とあわせて、職員が気兼ねなく介護に携われる環境づくりを一丸となって進めていきます。


―仕事と介護の両立に、自治体と民間企業の違いはありますか。
自治体は民間企業と比べて、両立支援の制度活用が遅れているケースが多いと感じます。そもそも介護は個別性が高く、自治体の規模が大きいほど、具体的な状況把握が難しいでしょう。介護離職はそのような状況下で起きやすく、精神的に追い詰められて「このままでは仕事を続けられない」と判断してしまうのです。また、離職に至らずとも、休まずに無理して働き続け、ストレスなどにより生産性が低下する悪影響が生じる可能性が考えられます。
―なぜ、介護休業の取得など制度活用が進まないのですか。
両立支援の情報提供に継続性がなかったり、理解ある風土醸成が途上であったりすることが多いためです。組織によっては、いまだに「介護は家族でするもの」と思い込んでいる人も見かけます。介護の当事者だけでなく、組織全体で介護への理解を深める必要があるのです。仕事と介護を両立できる環境が整えば、職員が安心して働き続けられ、結果的に住民サービスの質向上にもつながるはずです。
―自治体に向けた支援方針を聞かせてください。
客観的視点で組織ごとに課題を分析し、専門企業ならではのノウハウ提供で解決します。介護事業を30年以上展開してきたベネッセスタイルケアグループの実績から、当社は豊富な知見を蓄積しています。講師をはじめ、介護の現場経験者が多く在籍し、個別相談などでも的確にアドバイスできます。ぜひお問い合わせください。

| 設立 | 平成26年6月 |
|---|---|
| 資本金 | 1億円 |
| 事業内容 | 有料老人ホームの紹介・案内サービス、介護相談窓口『ベネッセの介護相談室』の運営、介護情報サイト『ベネッセの介護相談室』の運営、セミナーなどの開催、法人向け仕事と介護などの両立支援事業 |
| URL |



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