【DNA型鑑定・本人認証】「究極の個人識別技術」DNA型鑑定、活用促進で幅広い社会課題の解決を
(DNA型鑑定活用サービス / 日本ソフトウエアマネジメント)

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※下記は自治体通信 中央省庁特別号(2026年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
昨今、マイナンバーカードの普及により、個人識別技術がもたらす利便性に対する認識が、社会に徐々に広まっている。こうしたなか、「『究極の個人識別技術』ともいえる『DNA型』鑑定技術を活用すれば、より多くの社会課題が解決できる」と訴えるのは、日本DNA鑑定技術研究所で代表理事を務める五條堀氏である。果たして、どのような活用の可能性があるのか。同研究所と連携し、「DNA型」鑑定技術の活用サービスを展開する日本ソフトウエアマネジメントの佐々木氏とともに、同技術の有用性などを聞いた。


「遺伝子情報」とは異なる「DNA型」
―「DNA型」鑑定技術の活用を提唱されていると聞きます。詳しく聞かせてください。
五條堀 マイナンバーカードの普及が進むにつれ、ようやく社会的にも個人識別技術の有用性に対する認識が徐々に広がってきました。本人認証が容易になったことで、各種行政サービスの手続きがオンライン上で可能になり、社会保障や税、診療記録などが一元的に管理できるようになっています。また、金融機関などでも指紋や顔認証といった生体認証が普及し、確実で安全な本人確認が実現していますが、それらも個人識別技術の代表例です。こうした個人識別技術のなかでも、私が「究極の個人識別技術」と位置づけているのが「DNA型」鑑定技術です。法医学や警察捜査などで用いられていることは知られていますが、この「DNA型」情報をデータベース化し、広く社会的に活用していくことで、現在のさまざまな社会課題が解決される可能性があると考えています。そのためにはまず、「DNA型」鑑定について正しく知ってもらいたいのです。
―「DNA型」鑑定とは、どのような技術なのですか。
五條堀 ヒトのDNA配列のなかには、短い配列が繰り返し現れる部分があり、その繰り返し回数は指紋などと同じように個人によって異なります。その繰り返し回数を分析するSTR(Short Tandem Repeat)法を用いて個人の識別を行う技術です。現在、STR法の識別精度は565京分の1を誇るまでに高まり、事実上、地球上でたった1人を同定することが可能です。この精度向上により、現在多くの分野で活用への期待が高まっているのです。
ただし、ここで重要なのは、「DNA型」というのは、個人を識別する氏名やID番号に相当するものに過ぎず、病気のリスクや体質といった遺伝的特質を解析する「遺伝子情報」とはまったく異なるものだということです。個人情報であることは事実ですが、個々人に紐づくマイナンバーや個人の名前、IDと同様のものと捉えてもらえればいいと思います。

一生涯変化しない「DNA型」。災害時の身元確認に有用
―ほかの生体情報や個人識別技術との違いはなんでしょう。
五條堀 たとえば、マイナンバーの場合は、番号の流出や盗難、カードの偽造といったリスクがあります。また、事後的に付与された番号なので、本当にその人の番号なのか見極められないケースも起こりえます。また、生体情報として従来活用される指紋の場合は、手指の損傷や欠損によって取得できない場合もありえます。同様に歯の治療痕にしても、歯科や治療記録を特定できなければ、照合自体が行えません。
これに対し、「DNA型」は一生涯変化することがなく、偽造もできません。私が、「究極の個人識別技術」と位置づけている所以です。唾液や毛髪、口腔内粘膜などから簡単に採取することができ、正確かつ迅速に個人を特定できるのが特徴です。
―「DNA型」情報は、どのように活用することができますか。
佐々木 もっとも期待されるのが、大規模災害時の身元確認です。多くの犠牲をもたらした東日本大震災や先の能登半島地震では、住民の避難状況の確認や身元不明者の特定に多くの時間とコストが費やされました。にもかかわらず、いまだに身元が特定されない行方不明者も少なくありません。これに対して、事前に登録された住民の「DNA型」情報がデータベース化されていれば、行方不明者や避難所にいる避難者、身元不明の遺体などの個人識別を正確かつ迅速に行うことができます。
五條堀 かりに本人の「DNA型」がデータベースに登録されていない場合でも、家族や親族といった近親者のうちの1人の情報が登録されていれば、その情報をもとに高い確率で血縁関係をマッチングすることも可能です。もし身内に被災者が出れば、家族は水に流されようが、泥に埋まっていようが必死になって見つかるまで永遠に探すものです。「DNA型」鑑定技術は、そうした家族の苦しみや悲しみに寄り添い、少しでも和らげることができます。同時に、被災者の生存確率が高いとされる災害発生から72時間を過ぎると、作業のほとんどが身元不明者の特定に費やされることを考えると、かなりの社会資源の節約にも寄与すると考えられます。
まずは希望者が自ら事前登録できる仕組みを
―そのほかの活用シーンについても教えてください。
五條堀 たとえば、近年、深刻な社会問題とされているのが、高齢者の認知症による徘徊で、身元不明のまま保護される徘徊高齢者が増加の一途をたどっています。行方不明となった高齢者を探し回る家族にとっては大きな苦しみにほかなりませんが、自宅から遠隔地で保護された場合、個人の特定はきわめて難しいだけではなく、高齢者の生活支援は保護した自治体の財政的な負担ともなります。こうした深刻な社会問題も、「DNA型」情報のデータベース化で解決に寄与できると考えられます。
佐々木 さらに、昨今注目される外国人政策をめぐっては、入国管理において「DNA型」情報を登録してもらうことで、犯罪抑止をはじめ、トラブルや犯罪に巻き込まれた場合の個人特定、さらには証明書の紛失や各種行政手続きの際にも身分保証ができ、スムーズな対応が可能になります。このことは、日本人が仕事や留学において海外に渡航する際にも同様であり、有事の際には身元の特定が容易になります。
これらはあくまでも一部にすぎず、今後もさらに用途が広がっていくことが考えられます。実際に海外では、「DNA型」情報の社会的な活用が進んでおり、日本での今後の活用促進の参考になるかもしれません(下部先進事例コラム参照)。

―今後の活用促進に向けて、必要なことはなんでしょう。
五條堀 社会的な活用を促すための環境整備が必要です。本来であれば、「DNA型」データベースは国が一元的に管理し、活用することが効率的ではありますが、現時点ではまだそれは現実的ではないでしょう。そこでまずは、災害などの有事に備えて、必要と感じる希望者が自ら「DNA型」情報を事前登録できる仕組みをつくることが現実的です。その際、受け皿となる民間事業者や、活用を考える自治体への財政的な支援は、重要な環境整備のひとつでしょう。先行して取り組む民間事業者を後押しすることで、社会的な実績をつくり、仕組みへの認知度を高めるのは普及促進の近道といえます。
いずれ国や自治体による、社会的な有効活用も視野に
―その場合、機密性の高い「DNA型」情報を取り扱う主体には、信頼性が問われますね。
五條堀 そのとおりです。そこで、当研究所と日本ソフトウエアマネジメント社が、データベースの開発と運用を中心に、DNA試料の採取や分析、登録までを一気通貫で支援する「DNA型」鑑定活用サービスを展開していきます。当研究所は、これまでも犯罪捜査における「DNA型」鑑定の活用で捜査機関への多くの支援実績があり、DNA鑑定学会を立ち上げるなど、この分野の研究開発をリードしてきたと自負しています。
一方の日本ソフトウエアマネジメント社も長年、当研究所とともに捜査機関への協力をともに行ってきたパートナーであり、すでに親子鑑定の分野では「DNA型」鑑定のサービス展開の実績もあります。国際認証を取得し、個人情報の管理を伴う自治体の情報システムを多数開発・運用してきた実績もあることから、機密性の高い「DNA型」情報を管理する事業者としてふさわしい存在です。
―最後に、中央省庁職員へのメッセージをお願いします。
五條堀 まずは、「DNA型」情報の有用性を知っていただき、多くの社会課題を解決できる可能性を秘めたツールであることを理解していただきたいです。そして、足元では信頼できる民間事業者による活用を応援していただきながら、いずれ国や自治体による社会的な有効活用も視野に入れてもらいたいと希望しています。
犯罪捜査の世界においては、すでに世界的に普及が進んでいる「DNA型」鑑定技術だが、すでに一部の国では広く社会的な活用が進んでいるという。五條堀氏によると、アメリカでは行方不明者の家族などを対象とした「DNA型登録システム」が、司法省のNamUs(National Missing and Unidentified Persons System)として存在しているという。また現在、注目されているのは、テロ対策などを目的に渡航者審査の厳格化を進めるトランプ政権下における、電子渡航認証(ESTA)の制度変更である。ここでは、本人確認プロセスの厳格化の一環として、ビザ免除プログラムを利用して入国する観光客らに対し、「DNA型」情報の提出を求めることが検討されているという情報もある。
また、犯罪捜査においてDNA鑑定を世界でもっとも早く導入したイギリスでは、通常の犯罪用データベースとは別に、大規模な災害発生時などの身元確認に特化した「DNA型」検査を行う民間事業者が確認されている。
佐々木氏によると、いずれのケースでも事前に法整備が行われ、「目的外利用の禁止」といった厳格な運用・管理体制が整備されているという。日本においても、こうした環境整備が必要になりそうだ。

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| 設立 | 昭和56年4月 |
|---|---|
| 資本金 | 5,000万円 |
| 売上高 | 27億9,398万円(令和7年3月期) |
| 従業員数 | 167人(令和7年4月現在) |
| 事業内容 | ソフトウェア開発、ソリューションサービス、システム導入、医療情報処理、AI、バイオテクノロジーなど |
| URL |




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