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クイズde地方自治~楽しむ×身につく! 自治体職員の基礎知識

クイズde地方自治~楽しむ×身につく! 自治体職員の基礎知識

【自治体通信Online】
自著書評★Extra Edition★

自治体職員が、日々、職務を遂行していく中で必要とされる知識は実に多種多様。「退職後も課される地方公務員法上の義務は?」「謝罪記者会見での注意点は?」「トランスジェンダーでない人を何と呼ぶ?」「ナッジとAIを融合した最新の手法は?」。こんな難問も知っていて当たり前!? 今回紹介する『クイズde地方自治』(『クイズde地方自治』制作班編、公職研)は、多数の現役自治体職員が作問に携わり、基礎的な知識から理論・実務を知悉した職員のみぞ知るカルト級(?)の知識まで、クイズ形式で楽しみながら学ぶことができるユニークな一冊です。本書の企画・編集を担当した公職研の友岡 一郎さん(編集部 編集長/自治体学会評議員・編集部会員)に本書の“舞台裏”を聞きました。また、作問に携わった現役職員から、神山 伸一さん(小平市 環境政策課長)、橋本 隆さん(伊勢崎市 都市開発課長)のおふたりにも“ここだけの話”を聞きました。※肩書は2023年1月末時点

自治に関する知識を楽しみながら深めてほしい

― 本書出版の経緯を教えてください。
大きく2つの理由があります。
実は、同じ書名の本を以前につくったことがあるんです。「地方自治職員研修」という月刊誌の臨時増刊号でしたが、この号はお陰様で大変人気を博しました。気軽にクイズに挑戦しながら、地方自治に関する知識を深めていく、そんな楽しみを新しい読者に味わっていただきたいというのが本書出版の経緯のひとつです。
もうひとつは、その臨時増刊号はつくっていて楽しい本でしたので、編集者として、また楽しんで本をつくれたらという想いでした。

本書の表紙カバー
  • 本書で取り扱っているジャンル
    行政改革人事政策・公務員の働き方チームマネジメント地方財政・財務自治体理論・自治制度行政手続・情報公開・個人情報保護政策法務SDGs広報・広聴人権・男女共同参画高齢者福祉子ども福祉・子育て障害者福祉医療 安全・安心参加NPO地域自治都市計画地域振興環境学校教育・社会教育議会

― 臨増版の読者の方からの反響はいかがでしたか?
「よく売れた」というのが反響のひとつだと思います。
読者の方から私が直接聞いた声としては「気軽に読めて、知識が身につく」ということです。なかには大学の先生から「ソフトな印象なのに、奥深い内容が込められていて驚いた。大学の授業で使っている」とおっしゃっていただいたこともありました。
また、「作問者が楽しんで書いているのが伝わる」という声もあり、この本の性質をよく表しているなと、とてもうれしく思いました。

全100問を23名の現役自治体職員等が出題

― 特徴や“こだわりポイント”を聞かせてください。
執筆者には、この本の読者として「他の部局に属する後輩」「半年~数年前の自分」をイメージしてもらいました。その人たちが、雑学に触れるようにして、楽しみながら自然に、自治・自治体の知見を深めてもらう。そういう本をつくりましょう、お手伝いください、と伝えました。
クイズをつくるのも、解説を書くのも、かなり骨が折れる作業です。その産みの苦しみまでも皆さん楽しんでくださったようで、本当によかったです。その空気感を、この本を手に取る人も感じていただけると思います。

◎ 出題者に聞く
本書執筆者から、小平市 環境政策課長の神山 伸一さん、伊勢崎市 都市開発課長 橋本 隆さん(本サイトで「自治体職員の志事〈しごと〉 」を連載中)に“出題秘話”を聞きました。

 ◆ ◇ ◆ ◇
気軽に読めて“役所理解”が深まるユニークな一冊
〈「環境」を担当した小平市 環境政策課長・神山 伸一さん

雑誌等に寄稿した経験もあるので、公職研さんから「出題数は5問」という条件を聞いた時は「なんとかなるだろう」と思って安請け合いしたのですが(笑)、実際に作問するとこれが難しい。苦労しました。

なぜなら自治体における環境の仕事は、脱炭素等の地球環境といった大きな問題から、地域猫やゴミのポイ捨てといった身近な生活環境まで、とても間口が広いからです。「たった5つのクイズで環境政策を網羅するには、どうすべきか」と頭を悩ませました。

また、単に知識が習得できるだけではなく、クイズを解くことによって行政課題の気づきや発見に結び付くようにも留意しました。こうした苦労の末、自分なりに選りすぐりの厳選5問をつくることができたと思います。

できあがった本を課内で早速回覧したところ、「良問ですね」という苦労が報われるうれしい反響があったほか、「あの課ではこういうことをやっているんだ」「同期はこういう仕事をしているんだ」といった声もあったことが印象的です。クイズ形式ですので楽しく気軽に読むことができ、通読すれば自然と“役所理解”を深めることのできる、これまでにないユニークな一冊になったと思います。

公務員を目指す人にとっては役所の仕事の基本的な部分を理解するための良いガイドブックとして、現役公務員にとっては異動先の課の仕事の様子をつかめる参考書としても活用してほしいですね。

 ◆ ◇ ◆ ◇
どこから読んでも楽しみながら地方自治を理解できる
〈「都市計画」を担当した伊勢崎市 都市開発課長・橋本 隆さん

私は、前回の臨時増刊号『クイズde地方自治』を読者として楽しみました。今回の書籍では出題者として関わることができ、感慨深いものがあります。

私にとっての『クイズde地方自治』のイメージは、気軽に読める、そしてためになる、ありそうでなかった本。“実務問答集”ではなく“クイズ”というところに親近感がありました。厳選された問題や解説は、実務問答集とは違った意味でわかりやすく「なるほど~」とうなずきながら読んだものです。

そんな過去の自分を思い浮かべながら、都市計画のクイズを4題ほど作問しました。一口に都市計画といっても、土地利用、都市施設、市街地開発事業など広範な内容があり、どんな4問にしようか悩みました。そして、新規採用職員や新任の都市計画担当など、都市計画の経験が浅い人でも「きっとこの業務を経験するはず」「近年の法改正や新制度も知っておければ」と思うクイズに絞り込みました。答えの解説は簡潔に1枚以内、これも出題者にとっては予想以上に難しかったですね(笑)。

ほかの出題者は、それぞれの分野で活躍している人ばかり。その出題者に私も参加できたことに感謝しています。そんな出題者のみなさんが「これは知っておいてほしい」と想いを込め、丁寧に解説していますので、楽しみながら地方自治を理解できる一冊になっています。ぜひ『クイズde地方自治』で満点をとれるような“地方自治の達人”を目指してみてはいかがでしょうか。

― 多数の現役自治体職員が執筆しています。
『クイズde地方自治』は100問掲載されていて、地方自治を23のジャンルに分け、ジャンルごとに執筆者を選んで、作問と解説の執筆をお願いしました。
まず、どの執筆者も、私ども『クイズde地方自治』制作班がよく知る人々です。今回の執筆テーマで単著を書いている人や、研究会で発表をしている人もいます。自治体学会で精力的に活動している人もいれば、自主研究グループの主宰者もいますし、そうした研究会やイベントの参加者としてご一緒させていただいて知己を得た人もいます。
どの執筆者も、自分の目の前の仕事に一所懸命で、自治への情熱をもっている人です。この人の知識・意識はホンモノだ、と思った人に、お願いしました。

◎ 本書の執筆者一覧
凡例:所属/名前(担当ジャンル)、敬称略
  • 矢巾町役場/吉岡 律司(行政改革)
  • 東北公益文科大学/小野 英一(人事政策・公務員の働き方)
  • 伊勢崎市役所/岡田 淳志(チームマネジメント)
  • 福岡市役所/馬場 伸一(地方財政・財務)
  • 元・大和大学/田中 富雄(自治体理論・自治制度)
  • 富山県庁/青木 誠司(行政手続・情報公開・個人情報保護)
  • 三重県庁/長谷川 裕(政策法務)
  • 茂原市役所/篠田 智仁(SDGs)
  • 千代田区役所/林 利夫(広報・広聴)
  • ダイバーシティこおりやま/阿部 のり子(人権・男女共同参画)
  • 川崎市役所/久保 眞人(高齢者福祉)
  • 西東京市役所/海老澤 功(子ども福祉・子育て)
  • 宮城県庁/伊藤 哲也(障害者福祉)
  • ニッセイ基礎研究所/三原 岳(医療)
  • 宮城県庁/飯川 斉(安全・安心)
  • ソーシャル・アクティ/林 加代子(参加)
  • 太田市役所/大橋 志帆(NPO)
  • 朝来市役所/馬袋 真紀(地域自治)
  • 伊勢崎市役所/橋本 隆(都市計画)
  • 水戸市役所/須藤 文彦(地域振興)
  • 小平市役所/神山 伸一(環境)
  • 東松山市役所/小関 一史(学校教育・社会教育)
  • 戸田市役所/小林 善弘(議会)

誰もがエキスパートになれる魅力的な仕事!

― 自治体職員のみなさんには、どのように読んでほしいですか?
どうぞお気軽に手にとって、おもしろがっていただければと思います。私はクイズ番組が大好きなのですが、本書『クイズde地方自治』も同じように、あとでこの問題を誰かに出してみようと思うような、そんな驚きやおもしろさがたくさんあります。
また、クイズを解き、解説を読んで、何か引っかかりを覚えたところ、興味であったり疑問であったりするでしょう、それをご自身で深掘りしていただけたらと思います。いつか読者が自治の達人(マエストロ)となる入り口にこの本があったとなれば、これほどうれしいことはありません。
執筆者は必ずしも普段から論文を書いている人ばかりではありません。もしかしたら同じ役所の先輩が執筆者となっていたかもしれないのです。自治体職員は、誰もがその道のエキスパートになれる魅力的な仕事であることを忘れないでいてほしいです。

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