

AIが用件を聞き取り、担当課へ自動で取り次ぐAI電話
——福岡市保健所が活用するAI電話の仕組みを教えてください。
高園:福岡市では、保健所の代表電話の取り次ぎにAI電話を活用しています。市民が保健所の代表電話にかけると、まずはAIが応答して用件を聞き取ります。市民は音声ガイダンスで番号を選択したり、決まった言い回しを意識したりする必要はありません。普段どおりの言葉で話すだけで、AIが適切な担当課を判断して、そのまま電話を取り次ぎます。一方、AIが用件を判別できなかった場合は、これまでどおり職員が電話を受け、担当課の電話番号を口頭で案内する運用としています。

ファーストコンタクトはAIが担い、判別できなかった問い合わせのみを職員につなぐ設計とした。
市民負担ゼロでの解決を目指してAI電話の検討を開始
——AI電話の検討を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
高園:代表電話にかけた市民に、担当課へかけ直してもらう「二度手間」を解消したかったことがきっかけです。福岡市では令和6年の組織再編で、それまで7つの区ごとに設置していた保健所を1つに集約しました。一方で、市民に密着したサービスは引き続き各区役所の担当課が担っており、代表電話で受ける電話のうち約8割は、各区役所で対応する内容でした。
加えて、保健所と各区役所は庁舎が別々で、電話をそのまま担当課へ転送できないシステムでした。そのため、担当が異なる際には、担当課の電話番号を口頭で伝えて終話し、市民に改めてかけ直してもらう方法をとっていました。こうして生じる二度手間を、何とか解消したいと考えていました。

福岡市保健所 健康危機管理課長 高園 英太郎氏
——職員の電話対応には、どのくらいの負担がかかっていたのでしょうか。
高園:保健所の代表電話には、月に450件ほどの電話がかかってきており、件数こそ膨大ではありませんが恒常的な負荷となっていました。ひっきりなしというほどではないものの、昼休みの時間帯も含めて交代での対応が必要な状態でした。
——そのような流れの中、検討を開始したのですね。
高園:コールセンターへの委託も検討しましたが、試算してみるとコスト面で見合わない部分もあり、より安価に解決できる手段はないか模索していたところ、AI電話が候補に挙がり、まずは実証実験を行う流れとなりました。

福岡市保健所 健康危機管理課 企画調整係員 大森 日南子氏
——実証実験にあたり、市民への広報や周知はどのように行いましたか。
大森:ホームページ上への掲載や報道発表を行いました。ニュース等で大きく取り上げられることはありませんでしたが、市民が使う代表電話の番号自体に変更はなく、これまでどおり保健所の代表電話にかければ、そのまま自動でAIに接続されるため問題ないと考えました。市民側に新たな負担は生じない点も実証実験の後押しとなりました。
取り次ぎの9割をAIが完了。市民の利便性向上と職員の負担軽減を実現
——実証実験の結果として、どのくらいの割合の電話がAIで完結したのでしょうか。
大森:AIが応答した電話のうち、AIだけで約9割の取り次ぎが完了しました。残りの1割には、福岡市外の窓口宛ての問い合わせなどAIでは判別が難しいものが含まれていました。
※9割自動化…2026年2月中旬~3月末

| 設立 | 2017年7月18日 |
|---|---|
| 資本金 | 1,544,977,927円(資本準備金含む) |
| 代表者名 | 石井 大地 |
| 本社所在地 | 〒151-0051 |
| 事業内容 | グラファーは、「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションに掲げ、社会が直面する課題の最前線で、企業・行政機関における業務のデジタル変革を手掛けるスタートアップ企業です。 |
| URL | https://graffer.jp/ |
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