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鹿児島県和泊町の取り組み
先進事例2025.09.01
人事評価のシステム化

システム導入で評価制度を再整備、職場改善で若手職員にも意欲が

[提供] ICTコンストラクション株式会社
システム導入で評価制度を再整備、職場改善で若手職員にも意欲が
この記事の配信元
ICTコンストラクション株式会社
ICTコンストラクション株式会社

※下記は自治体通信 Vol.68(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

業務の増大や複雑化、職員数の減少など、自治体職員の労働環境は厳しさを増している。行政サービスの質を維持するうえでは、職員のエンゲージメントを高める職場づくりが求められるが、その際に人事評価制度の運用が重要と考える自治体が増えている。和泊町(鹿児島県)もそうした自治体の1つで、人事評価プロセスにシステム管理を導入し、職場環境の改善に手応えを感じているという。同町担当者に、取り組みの詳細を聞いた。

[和泊町] ■人口:5,893人(令和7年8月1日現在) ■世帯数:3,243世帯(令和7年8月1日現在) ■予算規模:79億7,700万円(令和7年度当初) ■面積:40.39km² ■概要:同町が位置する沖永良部島は、古くは琉球国に属し、現在でも沖縄との交流は深く、生活文化面には琉球文化が色濃く残っている。薩摩の国父・島津久光公の怒りに触れた西郷隆盛翁は1年7ヵ月牢生活を送り、その間、若者に学問を教え、さらには「敬天愛人」の思想を確立した地としても知られる。昭和16年に町制が施行され和泊町に。花卉園芸を中心に生産性の高い農業に取り組んでいる。
インタビュー
重信 英樹
和泊町
総務課 課長補佐
重信 英樹しげのぶ ひでき
インタビュー
朝戸 博
和泊町
総務課 係長
朝戸 博あさと ひろし

「人事評価は面倒なもの」との認識が広がっていた

―和泊町が人事評価にシステムを導入した経緯を教えてください。

重信 当町では、「人材育成計画」のもと、町民の立場で考え、行動することを基本理念として、人材育成に力を入れてきました。沖永良部島は、西郷隆盛が流人生活のなかで地域の若者を教育してきた地であることから、「敬天愛人」の思想や人材育成を大切にする考え方が受け継がれており、その人材育成のためのツールとして人事評価を位置づけてきました。

朝戸 ただし、従来の人事評価シートは表計算ソフトで作成されていたため、担当部門では会計年度任用職員を含めて約250人分を集計する作業がかなり煩雑であり、「人事評価は面倒なもの」との認識が庁内に広がっていました。そうしたなか、令和4年度に隣町の知名町の担当者から、人材育成支援システム『ざいなる』の紹介を受けたのです。繁忙期の集計作業が大幅に効率化されるとのことで、システムも見せてもらいました。

―システムに対する最初の印象はいかがでしたか。

重信 色使いも含めて、画面構成がわかりやすいというのが第一印象でした。当町のような離島の役場ではシステムに不慣れな職員もいますが、そうした職員でも使いこなせそうだと感じました。また、「ストレスチェック」や「自己申告書」など利便性の高い機能が豊富であることも評価して導入を決め、令和5年度に導入準備と試験運用を進め、令和6年4月から本格運用を開始しました。

システム化を機に運用も改善。評価制度への理解も高まった

―導入後の効果はいかがでしょう。

朝戸 期待通り、総務課での集計作業は大幅に効率化しました。また、システム上で各部署での進捗が可視化されるので、期首、中間、期末の面談実施がこれまで以上に徹底されるようになりました。それにより、職員間のコミュニケーションが活性化されると同時に、職員の間で人事評価制度への理解があらためて高まっているのを感じます。『ざいなる』に実装された「自己申告書」機能を利用して自らの希望や意見を提出する職員も増えており、ここからも職場の風通しが良くなった実感があります。

重信 『ざいなる』の導入を機に、評価期間の見直しなど、実情に合わせて運用の一部を改善するとともに、入庁1~3年目の若手職員を対象とした指導・育成制度の充実も図りました。離職率の低下や若手職員の定着も、人事評価制度の運用を改善する重要な目的の1つでしたので、実際に複数の若手職員から意欲的な声が寄せられたことは一番の収穫だったと感じています。豊富な『ざいなる』の機能を有効活用し、今後もより効果的な制度運用を確立していきたいと考えています。

支援企業の視点
システムで人事評価を効率化し、蓄積データを育成につなげる道筋へ
インタビュー
山本 浩充
ICTコンストラクション株式会社
マーケティング推進部 部長
山本 浩充やまもと ひろみつ
昭和60年、福岡県生まれ。平成23年、ICTコンストラクション株式会社に入社。令和5年7月より現職。自治体への人事評価システムおよび内部情報システム、インフラ・ネットワークの提案活動に従事。

―人事評価をめぐり、自治体が抱える課題はなんでしょう。

 いまも紙や表計算ソフトをベースに人事評価を行っている自治体は多く、担当者には集計作業の重い負担がのしかかっています。そのため、評価結果は本来、人材育成のための貴重なデータであるはずが、十分に活かせていないケースは多いようです。そこで当社では、人事評価の運用を効率化し、蓄積された貴重な評価データを人材育成につなげる人材育成支援システム『ざいなる』を提案しています。

―特徴を教えてください。

 自治体とともに開発し、自治体に最適化された『ざいなる』は、すべての機能を「標準搭載」としているため、年に2回の人事評価の時期だけでなく、「ストレスチェック」や「アンケート」といった豊富な機能を一年通じて活用でき、導入効果を高められる仕組みとなっています。また、総務省のガイドラインに沿った仕様で開発を行っているため、大規模なカスタマイズは必要なく、パラメーターの変更のみで各自治体の仕様にあったシステム構成を実現できることも特徴の1つです。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 すでに全国で多くの自治体にご利用いただいていますが、それらのお客さまからの要望は年2回のバージョンアップにも反映されています。それだけではなく、当社独自に企画した便利な機能も多く搭載していますので、今後の企画にもご期待ください。人事評価だけでなく人材育成もできるシステムと実感していただける機能を今後も提供し続けます。

ICTコンストラクション株式会社
ICTコンストラクション株式会社
設立

平成23年7月

資本金

5,000万円

事業内容

自治体向け内部情報システムに関するサービス(人事給与、庶務事務、財務会計、文書管理など)および人事評価システムなど、ネットワーク・インフラストラクチャに関するサービス、セキュリティ関連システムに関するサービス、クラウド・LGWAN-ASPサービスなど

URL

https://www.gyoseiq.co.jp/ict/

お問い合わせ先
092-263-7880(平日 8:30〜17:30)
ictweb@gyoseiq.co.jp

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