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協同組合帯屋町筋(高知県高知市)の取り組み
先進事例2025.09.01
AIカメラによる人流分析

【データ利活用・地域活性】AIカメラで得た人流データの活用で、商店街活性化への施策立案が可能に
人流・交通分析システム / 電気興業

[提供] 電気興業株式会社
【データ利活用・地域活性】AIカメラで得た人流データの活用で、商店街活性化への施策立案が可能に(人流・交通分析システム / 電気興業)
この記事の配信元
電気興業株式会社

※下記は自治体通信 Vol.68(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

近年、正確な人流データを把握したうえで、地域活性化につながる施策を打ち出そうと考える自治体は多い。そうしたなか、高知市(高知県)の中心エリアにて「帯屋町商店街」を運営している協同組合帯屋町筋が、AIカメラによる人流分析で得たデータを活用することで、商店街活性化に向けた施策立案に手応えを感じているという。同組合の早川氏と秋永氏に、取り組みの経緯とその効果を聞いた。

インタビュー
早川 賢治
協同組合帯屋町筋
副理事長
早川 賢治はやかわ けんじ
インタビュー
秋永 剛志
協同組合帯屋町筋
事務局長
秋永 剛志あきなが たけし

手動計測や肌感覚だけでは、人流データとして不十分

―AIカメラを活用して、人流を分析した経緯を教えてください。

早川 昨年、当協同組合で勉強会を開催した際、「今後商店街を活性化させていくには、人流を正確に把握したうえで、その人たちに向けた施策を打っていくべき」という話が出たのです。近年は地元住民に加え、インバウンドを含めた観光客が当商店街を訪れる機会などが増えた一方で、個店の多くは店内に入ってくるお客さましか把握していなかったことが背景にあります。これまで年4日、手動で通行人数の計測を行うほか、肌感覚で人流を推計していましたが、それではデータとして不十分です。そのため、「デジタルを活用して人流を分析しよう」となったのです。

秋永 高知県の協力も得ながら赤外線や携帯電話のGPSの活用なども検討しましたが、分析精度やコスト面からAIカメラに着目しました。なかでも、電気興業のAIカメラに興味を持ちました。

―どのような点に興味を持ったのでしょう。

秋永 デモで分析データを見たのですが、通行人数や性別・年齢別の分析精度が高かった点ですね。また、LTE*を搭載したAIカメラで、電源さえあれば簡単に設置でき、商店街にサーバを置く必要もありませんでした。コストバランスも良いことから導入を決定し、令和6年7月から商店街に5台のAIカメラを設置して計測を開始しました。導入にあたっては、高知県・高知市の補助金を活用しました。

※LTE:Long Term Evolutionの略で、携帯電話の通信規格のひとつ

自治体と連携しつつ、適切な施策を打っていく

―導入後の効果はありましたか。

早川 たとえば、平日の朝に多くの通勤・通学者が商店街を通っているのが判明しました。個店の多くは午前10時に開店するため、気づかなかったのです。また、最近アニメのイベントを土日に開催したのですが、通常の土日の通行者はカメラ5台分の累計が約20万人のなか、約27万人の累計通行者数となり、そのなかに18歳未満の若者が一定数いることがわかりました。

秋永 これらのデータをもとにすれば、「朝は通勤・通学者が多いので弁当のテイクアウトを出してはどうか」「アニメイベントを開催した際は18歳未満の流入が増えているので、若者向けの販促をしてはどうか」など、具体的な施策が考えられます。人流データをもとにすることで説得力が増し、これまでデータ活用に興味がなかった個店も巻き込んだ商店街の活性化が目指せます。また、AIカメラの活用では、高知県・高知市が積極的に施策を提案してくれるなど協力的です。今後も自治体と連携し、適切な施策を打っていきたいですね。

支援企業の視点
AIカメラの選定ポイントは、「分析精度×豊富な現場の設置経験」
インタビュー
北條 義勝
電気興業株式会社
ソリューション事業推進室 ITソリューション部 副部長 兼 営業課長
北條 義勝ほうじょう よしかつ
昭和56年、茨城県生まれ。平成14年に小山工業高等専門学校を卒業後、電気興業株式会社に入社。制御装置の開発業務に携わり、現在はカメラ・AIを用いた新規事業の推進に従事している。

―デジタルを活用した人流分析を検討する自治体は増えているのですか。

 はい。そのニーズは年々高まっており、地域活性化施策を目的とした活用事例が各地で見られます。以前は手動による通行人数の計測や、感覚で推計する自治体が多く、正確な分析は困難でした。近年は通行人数に加え、時間帯別や性別、世代別など細かい人流データを把握したいニーズが高く、その実現にはデジタル技術の導入が不可欠です。なかでも実数をより正確に把握できるAIカメラは信頼性の面で優れており、当社ではその導入を推奨しています。

―AIカメラの選定ポイントはなんでしょう。

 分析精度の高さや設置のしやすさ、コストバランスは重要です。その点、当社のAIカメラはそれらを満たしています。当社のグループ会社のサイバーコア社がAIシステムをスクラッチ開発しており、人流のカウントの精度はおおむね95%です。また、LTE搭載のAIカメラで、電源があれば簡単に設置でき、顧客側でサーバを置く必要もないため、コストを抑えられ増設も容易です。こうしたサービスが提供できるのも、当社が長年、鉄塔建設などの設置工事に携わってきたためで、「分析精度×豊富な現場の設置経験」が強みです。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 多くの自治体にて導入実績を積み、得られた事例やデータを横展開していきたいです。可搬型カメラを用いたトライアルも実施しており、まずは気軽に問い合わせていただきたいですね。

電気興業株式会社
設立

昭和25年6月

資本金

87億7,478万円

売上高

325億円(令和7年3月期:連結)

従業員数

1,067人(令和7年3月31日現在:連結)

事業内容

電気通信部門事業、高周波部門事業、IT/環境ソリューション事業

URL

https://denkikogyo.co.jp/

お問い合わせ先
03-3520-8968(平日 9:00〜17:35)
chuo5g-eg@denkikogyo.co.jp
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