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先進事例2019.12.10

【掛川市】大規模震災に備えたIoT活用策(感震ブレーカー導入事例)

【掛川市】大規模震災に備えたIoT活用策(感震ブレーカー導入事例)

掛川市 の取り組み

【掛川市】大規模震災に備えたIoT活用策(感震ブレーカー導入事例)

危機管理部 危機管理課 主幹兼危機政策係長 水野 正幸

南海トラフ巨大地震に備え、積極的に対策を行っている掛川市(静岡県)。今年は新たな取り組みとして、掛川城などの文化財に、IoT技術を取り入れた感震ブレーカー(※)を設置するプロジェクトの実施を始めた。同市危機管理部の水野氏に、その狙いや期待できる効果などを聞いた。
※ 感震ブレーカー : 地震発生時に揺れを感知し、ブレーカーを自動で落として電気の供給を遮断する器具。

※下記は自治体通信 Vol.14(2018年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

掛川市データ

人口: 11万7,741人(平成30年6月30日現在) 世帯数: 4万4,568世帯(平成30年6月30日現在) 予算規模: 773億9,706万円(平成30年度当初) 面積: 265.63km² 概要: 静岡県の西部と中部が接する場所に位置し、北は南アルプス最南端、南は遠州灘まで、雄大な自然が広がり、年間を通じてアウトドアスポーツやレジャーが楽しめる。戦国時代には掛川城、高天神城、横須賀城の3つの城が建てられ、城を中心に形成された城下町は500年あまりにおよぶ歴史をもつ。江戸と京都を結んだ東海道に沿って、掛川・日坂の2つの宿場町が栄えたほか、相良と信州を結ぶ「塩の道」の拠点でもあった。

―掛川市ではどのような地震対策を行っているのですか。

 静岡県が平成25年に公表した「第4次地震被害想定」をもとに、「掛川市地震・津波対策アクションプログラム2014」を策定。地震、津波から命を守るための対策を進めています。

 津波対策では、海岸の防災林を強化する事業や、津波避難施設の建設を実施しました。地震に対しては、木造住宅の耐震化や家具の固定などに補助を行っています。

 最近ではとりわけ、感震ブレーカーの認知度向上や設置に本腰を入れ始めています。

―感震ブレーカーの導入に力を入れる理由はなんでしょう。

 大地震にともなう停電が復旧し、通電が再開される際に発生する「通電火災」を未然に防ぐためです。地震から命を守るためには、建物の倒壊だけでなく、火災への対策も考えなくてはいけません。

 そこで掛川市は、平成29年度から感震ブレーカーの設置に対する補助を開始しました。さらに今年6月には、国の重要文化財でもある掛川城御殿や大日本報徳社大講堂といった木材を多く使用した文化財、市役所など市内の24ヵ所の建物を対象に、IoT技術を取り入れた感震ブレーカーを設置する「地域防災システム実証プロジェクト」をスタートさせました。

地震観測網を拡充し防災力を強化

―詳細を教えてください。

 震度3以上の揺れを感知すると揺れの各種データを取得できる、高機能感震ブレーカーを設置。通電火災を防ぎつつ、地震データの防災への活用をめざす取り組みです。ブレーカーは壁にしっかりと固定されるものなので、地震を測定するシステムと親和性が高いのです。

 高機能感震ブレーカーは、地震発生時にスマートフォンなどへ自動でデータを発信してくれます。また、建物の傾きといったデータを蓄積・解析すれば、建物の劣化状況も診断できる。さらに、高密度な地震観測網を構築できるので、山間部から沿岸部まで、多様なデータを収集し、それぞれの地区にあった対策を打つことも可能になりますね。

―実施後の反響はどうですか。

 市の広報誌でプロジェクトを紹介したところ、感震ブレーカーにかんする市民からの問い合わせが増えました。今後は住宅メーカーや電気工事関係者にも働きかけながら、感震ブレーカーの認知度向上を図っていきたいですね。

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